人生に「また」はない。はじめの一歩がチャンスにつながる
何かをしようと思った時、どうしても勇気がなくて最初の一歩を踏み出せない、という人が結構います。これは、大きなチャンスを逃している可能性があり、非常にもったいないことです。
一歩を踏み出せない人は、先の先まで考えすぎてしまう傾向が強いように思います。しかも悪いほうへ考えてしまっていることが大半です。
でも、心配するような悪いことは、案外起きないものです。逆に、行動したことによって得られるもののほうが断然多いのです。
ことわざに「案ずるより産むが易し」とあるように、あれこれと取り越し苦労するより、いざ実行してみたら意外とうまくいくものなのです。
チャレンジの連続の日々
私の会社も、常にチャレンジの連続です。新しい仕事の依頼をいただく中で、「ちょっと苦手な分野かも」と思う話もあります。でも私は、「できない」とは絶対に言いません。
お話をいただけたことに感謝して、ありがたくお受けするのです。得意でない分野に挑戦することを、会社の力を高められるチャンスだととらえるからです。
実際、その仕事を引き受けてから、スタッフと「どうすれば、この仕事でベストの結果を出せるか？」を徹底的に話し合い、関連資料を集めたり、必死になって勉強するのです。
もうこれ以上できないと思えるくらい努力をします。その結果、最初苦手だと思っていた分野の仕事で、思いのほか良い評価をもらえるのです。
そしてまた、同じ分野の仕事を、別の会社からもいただけるようになります。
すると、いつの間にか得意分野に変わっていくから不思議です。
チャンスは〇〇の時に訪れる？！
しかしそんな私でも、一度、とても影響力が大きな仕事の依頼が得意でない分野のことだったため、お断りしようかと悩んだことがありました。その時、ベストセラー本を次々と世に送り出している友人・斎藤さんに相談したのです。
すると彼は、「チャンスは、準備不足の時に訪れるものだよ。『準備万端になった時に、また声をかけてください』じゃあ、もう遅い。お婆さんになった井垣さんに、今と同じ依頼は来ないだろう。やるなら今だよ」とアドバイスをしてくれました。
その言葉もあって、私はその大きな仕事を引き受け、その結果、会社の新たな可能性が広がったのです。
ここで私が伝えたいのは、人生に「また」はないのだということです。チャンスが来た時に、「力不足ですので」とか「時間がありません」「次回、声をかけてください」などと断ってしまったら、二度とそのチャンスは来ないと思って、まず間違いありません。
あなたが逃したそのチャンスを手にする人が、他にいるのですから。
「あの時、引き受けていたら今頃は…」と後悔しても手遅れなのです。
チャンスが来たら、すばやく行動！
すべての人に、同じことが言えます。例えば私は、客室乗務員やアナウンサー志望の生徒さんたちに、雑誌の読者モデルやミスコンテストに挑戦することをすすめています。
彼女たちにとって、面接の練習にもなるし、今しかできない貴重な経験にもなるからです。
私の会社には、出版社から「読者モデルを出してほしい」というお話も来ます。そんな時には読者モデルをやりたいという生徒さん全員に、いっせいにメールで詳細を送ります。
メールをして一分もしないうちに、「私にやらせてください！」と返事をくれる人がいる一方、一日経ってから「いろいろと考えたのですが、もし良ければやってみたいです」とメールをくれる人も。
情報を知った時が同じでも、リアクションにかかるこの時間差が、大差を生んでしまうのです。
マスコミは一分、一秒が勝負の世界。迅速な対応が何より大切です。そのため必然的に、読者モデルの依頼に対しても、誰よりも早く「やりたい！」と言ってきた人を、雑誌担当者に紹介することになります。
そしてその生徒さんを担当者が気に入れば、次からは彼女指名で依頼が来るのです。つまり、最初にそのチャンスをつかめなかった人には、次のチャンスはあるのか？ いつ来るのか？ わからないということなのです。
この例からおわかりいただけるように、「同じチャンスは、二度とやってこない」と思った方が良さそうです。
そして、「またの機会なんてない」と思ったほうが良い。
もし今、少しでも興味を持っていることがあるのなら、また、自分にとってチャンスだと思える情報が入ってきたら、迷わず行動してください。
また、今まで行動をしないで、「あの時やっていれば良かった」と思うことがあるのなら、終わったことを考えるのはもうやめましょう。
そして、今後は同じ後悔をしないように、「まず動いてみよう」と考えるようにしてください。
「ダメで元々」がうまくいく
ところであなたは、就きたい仕事があるのに、きっとダメだろうと思って、何も行動しないであきらめていませんか？それは、チャンスを逃していることになるかも。行動してみたら、案外うまくいくかも知れないのです。
私は会社を興す前、イベントプロデュース会社で、講演会のプロデュースの仕事をしていました。実はその会社に入れたのも、「ダメで元々」で動いた結果なのです。
私は昔からその会社を知っていて、そこでプロデュースの仕事をしたいと思っていました。それで、社員募集はしていなかったのですが、会社に入りたい理由と、仕事への情熱について、私の熱い思いを手紙に書いて、履歴書を一緒に送りました。
すると、その会社から電話があり、一週間後に面接に行き、採用が決定したのです。
念願どおり、その会社で講演会のプロデュースを経験したことによって、イベントの宣伝方法、お金の流れ、当日の運営法などさまざまなことを勉強できました。この経験が、今の会社経営に役立っています。
また、その時に仕事を通して知り合ったのが、今の会社の講師陣です。この出逢いも、募集をしていなかった会社に、勝手に履歴書と志望理由を送った結果です。
もし私が、「あの会社に入りたいけど、募集をしていないから、採用してもらえないだろうな」と思って何も行動しなかったら、今の人脈もなかったし、私の会社もこんな形でできていなかったでしょう。
人生は一度きり！だからこそ、やりたいと思ったことには、ぜひとも挑戦してほしいのです。「ダメで元々」と思えば、あまり肩に力を入れずに挑戦できます。
思い悩むのは、実行してからでも十分です。やってみて「ちょっと違うな」と思ったら、そこで考えてみれば良いのです。安心して、はじめの一歩を踏み出してください。
その一歩を踏み出せるようになったら、あとは加速度がついて、どんどん動ける体になっていきます。
興味を持っていること、やってみたいこと、行ってみたいところなどがあるのなら、あれこれ考えずに、まず行動すること。
「私ならなんとかなる」とか、「人生は、うまくいくようになっている」と自分に言い聞かせるのです。とにかく行動をしていれば、本当にいろんなことが好転していきます。
だから、勇気を持って、第一歩を踏み出しましょう。
⏬プロフィール 井垣利英（いがきとしえ）☆マナー嫌いだった私が、マナー講師になるまで
⏬人材教育家、マナー講師。井垣利英（いがきとしえ）【私の仕事】プロとして大切なこと
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