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【社会科】腹ぺこの革命家。フランス革命はなぜ起こったのか?

どうも。いかたこです。

中学校で社会科の教員をしています。

noteでは、授業がより楽しくなるアイデア(授業のタネ)を発信しています。

今回のテーマは、フランス革命(1789~1799年)です。

「フランス革命」とは、フランスのルイ16世の王政が民衆によって打倒され、王のいない共和政に移行する一連の事件を指す言葉です。

一度読んだら絶対に忘れない世界史の教科書

フランス革命が起きた要因は様々ですが、特にフランスの旧制度財政難について考えていきます。

今回の授業のタネは、4つの発問からできています。生徒への発問を重ねることで、理解を促していきます。

「革命に参加した人たちは、前日の夜に何を食べていたんだろう?」という疑問は、生徒たちに興味を持ってもらえると思います。

よろしければ、最後までご覧ください。

最後の晩餐

発問1)

「皆さんは、最後の晩餐に食べるとしたら何がいいですか?」

寿司、焼き肉、カレー、餃子など

ちなみに私は、焼き鳥か鰻です(今のところ)。


革命前夜の夕食

発問2)

「革命に失敗すれば、処刑されてしまうかもしれません。それでも、フランス革命に参加した人たちがいます。その人たちが戦いの前夜に食べたものは何だったでしょう?」

・フランスパン
・チーズとワイン
・フランス料理のコース

など

正解は・・・分かりませんでした。(^0^;)

いろいろな資料を読んでみたのですが、見つけられませんでした。知っている方がいらっしゃいましたら、コメント欄で教えていただけるとうれしいです!

ただ、『小説フランス革命Ⅱ バスティーユの陥落』(佐藤賢一著)にこのような記述がありました。

昼食をふるまわれたらしいと告げた者など、こっちは腹を空かせたままなんだ、こんちくしょうめと、かぶっていた帽子を石畳に叩きつけるほどだった。

小説フランス革命Ⅱ バスティーユの陥落

これは、フランス革命の始まりとされる、バスティーユ牢獄を襲撃する場面です。民衆は火薬の引き渡しを求めて、バスティーユに使者を送ります。ですが、交渉は上手くいかず、使者には昼食がふるまわれたという情報が伝えられます。外で待機している者たちからすれば堪ったものではありません。

革命家たちが、前日の夜もしくはバスティーユ襲撃の直前に何を食べていたのかについては分かりませんでしたが、しっかり食べて戦いに備えたというよりは、ほとんど何も食べられていないということが分かります。


腹ぺこの革命家

発問3)

「なぜ革命家たちは、何も食べずに戦っていたのでしょうか?」

・緊張していて食べられなかったから。
・戦いの準備に忙しくて、食べる時間がなかったから。
・そもそも食べ物がなかったから。

おそらく、どれも正解だと思います!

ですが、当時のフランスを理解するという意味で、「食べ物がなかった」という意見を取り上げて、次の発問に移りたいと思います。


食料不足のフランス

発問4)

「なぜ食べ物がなかったのでしょうか?」

・不作が続いていたから。
・食べ物を買うお金がなかったから。
・偉い人たちが独り占めしていたから。

など

当時のフランスは、聖職者(第一身分)、貴族(第二身分)、平民(第三身分)に分かれていました。この仕組みのことを、旧制度(アンシャン=レジーム)と言います。

フランスは、アメリカ独立戦争への出兵などにより財政難にありましたが、聖職者、貴族は税が免除されていたため、平民に重い税が課されていました。

聖職者や貴族が富を独占する一方で、平民(特に農民)は重税に苦しみ、小麦の凶作の影響もあって、十分な食べ物を買うことができませんでした。これが、当時のフランスの旧制度財政難です。

このような状況への不満が、革命へとつながっていきます。

もちろん、人権思想の広がりなど他の要因もあるため、別で説明する必要がありますね。

今回はここまでです。最後までご覧いただきありがとうございました。

これからも授業のタネを発信していきます。お楽しみに。


(参考文献)

山崎圭一 著
一度読んだら絶対に忘れない世界史の教科書
SB Creative 2018年8月27日発行

佐藤賢一 著
小説フランス革命Ⅱ バスティーユの陥落
集英社 2008年11月30日発行

安藤正勝 著
図解雑学シリーズ フランス革命
ナツメ社 2010年4月28日発行

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