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国際同性カップルが抱える最大の不安ってなに?

 大家好!一條心です。僕は、シンガポールに住んでいる日本人のゲイで、台湾出身の旦那さんがいます。以前の記事で、日本籍と台湾籍の同性カップルは現状、日本で台湾でも結構できないという話をしましたが、今日は僕が考える、同性国際カップルが抱える最大の不安についてです。

ずばり、最大の不安ってなに?

 意図せぬ理由で、一緒に暮らせなくなる可能性が常にあることです。同性国際カップルには、二人が一緒に暮らすために、ビザの問題が常についてまわります。日本籍と台湾籍の同性カップルの場合、日本でも台湾でも結婚できませんので、配偶者ビザを取得することができません。二人で日本で暮らそうと思えば、彼は自力で在留許可(就労ビザ等)を取得する必要がありますし、僕が台湾に暮らそうとする場合は、僕が在留許可を取る必要があります。男女のカップルであれば、結婚した上で、どちらの国でもパートナーを配偶者という形でその国に住まわせることができますね。その選択肢が同性カップルにはありません。うまく就労ビザで滞在できている間はいいのですが、仕事がなくなったら、ビザがなくなり、一緒に暮らせなくなる可能性があるという不安を抱えながら生活するのは、精神衛生上良くないものです。

僕と彼はどうしていたか?

 僕と旦那さんは東京で出会いました。彼は働いていたので、就労ビザで滞在していました。少し昔話になりますが、彼がちょうどリーマンショックのときに転職活動をしていて、なかなか仕事が決まらなかった時は、彼が台湾に帰らなければいけなくなるかもしれないと不安な思いをしたものです。僕がシンガポールに仕事で赴任することになったと時も、他の駐在家族のように彼を配偶者ビザで連れて行くという選択肢がありませんでした。もちろん、彼にシンガポールで仕事を探してもらって一緒に暮らすことも考えましたが、僕の赴任の任期も明確でなかったので結局単身赴任という形になりました。日系企業の海外駐在手当の一つに別居手当というものがあります。家族を日本に残してくる場合、生活費(主に住居費まわり)が二重にかかるのでそれを補填するための手当で、当然結婚できない僕たち利用できない不公平な制度でした。

同性婚している外国人カップルが日本に住む場合はどうなの?

ちょうどニュースが出ていたので引用します。

米英といった同性婚制度の導入国で結婚した外国人同士の同性カップルの一方が、転勤などで日本で暮らす際、入管当局が、配偶者には在留資格「特定活動」を与え、入国を認めたケースが、2013~20年に少なくとも93件あったことが26日、分かった。出入国在留管理庁が件数を初めて集計し、明らかにした。「特定活動」は、個々の外国人の事情に応じて許可できる資格。世界で同性婚を認める国が増えたことを考慮し、政府は13年、カップルそろっての日本居住を可能にした(共同通信より)

 2013年から日本は、同性婚をしている外国人同士の家族には配偶者ビザではなく「特定活動」という形で在留資格を付与してきました。これを聞くと、あぁ以外の日本も進んでいるんだなと感じるかもしれませんが、大きな落とし穴があります。これが外国人同士にしか認められず、どちらかが日本人の場合には適用されないことです。例えば、アメリカ人と日本人がアメリカで同性婚して、日本に二人で暮らしたいとなっても、この特定活動の在留資格はアメリカ人側の配偶者には付与されないということです。外国人同士あれば使えるのに、どちらかが日本人だと利用できないという、とんでもない不平等な実態になってしまっています。同性愛者の国民より、外国人により大きな権利を与えています。この運用が続く限りは、仮に台湾で先行して法改正があり、僕が台湾で彼と結婚できるようになっても、僕が彼を日本に配偶者として滞在させることができません。

今は自分たちの意志で離れて暮らしていますが、そろそろまた一緒に暮らしたいと考え始めているところです。自分の家族と一緒に暮らしたい、そんな根本的なことにさえハードルがあるのが同性国際カップルです。一刻も早く日本を含めた世界各国で、同性婚の法整備が進むといいなと思います。

今後も、LGBTQ、同性婚、日台夫夫の生活などを中心に書いていこうと思っていますので、よければNoteをフォローしていただけると嬉しいです。

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