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音楽は時に言語よりも雄弁である 最終話


2018/05/13作

僕の行っていた大学は文化祭のステージが2つあり、
そのメインステージに立てるのは各部活1組だけである。

だから僕の参加していてた部活では、
メインステージに出るための選考ライブということをしてる。

これは僕が2回生の時の話。
4回生3人と一緒にバンドを組んでいた。
そしてこの選考ライブに挑んだ。6組で競い合う。
ここで落ちれば先輩たちは一生このステージには立てない。

ついに僕らの演奏を始める。
極限の集中。

そんな中でとても不思議な体験をした。

演奏中は割と色々なことを考えながら演奏する。
「ここでもっとクレッシェンド!」などなど。

しかし今回は不思議だった。

頭の中で、思考は渦巻いている。
なのに脳内で言葉にされない。
言葉にされていないのに思考している。
そしてバンドの一体感が尋常ではない。
むしろ、この世界と一体化しているようである。

ヨガの上級者は宇宙との一体感を感じる方もいるそうだが、
まさにこんな感覚なのだろう。

音楽で会話している。

そして僕らは無事1位になった。

あの感覚はなんだったんだろうか。
音楽とは不思議である。

そういえば、
文字がない文明や文化は言いたことがあるが、
音楽がない文化はあるのだろうか?

ないような気がする。
民族や文化ごとに音楽が存在する。
どの文化でも大体
お祭りごとではよく音楽が用いられる。
お祭りでなぜ音楽が?

お祭りでの音楽って、
神様とのコミュニケーション???

そうだ!
音楽とは、最も基礎的な
コミュニケーションツールではないだろうか?

扱う言語が異なっても、
音楽は通じる。

音楽は最大のコミュニケーションツールであり、
時に、言語よりも雄弁であるのだ。

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