『極秘。　活動休止後のBTSに会える方法』

これは本当に内密にしていただきたい。なぜならば世の混乱を誘うからだ。
BTSといえば今や飛ぶ鳥を落とす勢いのあるグループである。しかしながら、実際、飛んでいる鳥を落としたという話を聞いた事はない。心が優しいのでそんな事をする人たちではないのだ。
だいたい、こういう情報は蓋を開けてみたら、BTSとは“ビーチ・タワー・サマー”というグループだ、とか別のアイドルやバンドとかである事が多い。それは、れっきとした詐欺である。BTSとはBang Tan boySの略で、自国では防弾少年団という名前である。
メンバーは、RM、ジン、ジミン、シュガ、ジェイホープ、V（テテ）、ジョングク、の７名である。全員ものすごくステキな人たちである。
ズバリ、わたしはこの中の4人と会った事があるのだ。
冒頭で述べた通り、世の混乱を誘うのでここから先は有料である事をご了承いただきたい。しかしながら、わたしは、このnoteという媒体で有料設定を成功した事がない。ここから先は有料と書けば有料になるはずなのに、いつも失敗するのだ。
今回は成功している事を祈る。
-------------------［ここから先は有料］-----------------------
よし、これで有料になっているはずである。
成功していれば、この文字も見えてないはずである。
わたしが、BTSの事を知ったのは、わたしがいつも遊んでいる公園に毎日いる、師匠と呼んでいる浪人生からである。
師匠はもう長らく大学を浪人をしているわたしが尊敬する人物である。毎日学ランを着ていて朝から公園の遊具などで遊んでいる。
ある日、わたしが小学生達と砂場でポケモンのソフビの首を外したりつけたりして遊んでいると、師匠がすべり台の上に乗りBTSの名曲『ダイナマイト』を披露すると言い出したのだ。
「♪ダイナマイトマイハニー、でもいいんじゃない。でもいいんじゃない。夢が溢れてる～。そうさ、ディスティニ～｣
師匠の歌を聞いて、わたしと、わたしといつも遊んでいる小学生達は拍手をした。さすが師匠だ。頭上に開いた右手を当ててカッコいいポーズを保ったまま歌う姿は改めて惚れ惚れした。わたしはいわゆる大人が聞く歌謡曲というのが苦手であまり曲を知らないが、なんかカッコいいと感じてしまった。わたしは基本、『森のくまさん』や『犬のおまわりさん』など動物の名称がつく歌を好む。

浪人生は突然、わたし達にBTSに会わしてやると言い出したのだ。5000円で。わたし達は興奮した。兼ねてから、BTSはポケモンのDVDとかを無料で貸してくれるとか浪人生から聞かされていたので、これはすごいだと興奮したのだ。時々、浪人生からポケモンや仮面ライダーのDVDを1000円で借りたりするのだが、ディスクの裏面にマジックで“ファイヤー”とか“ジェット”とか書かれているので、いつも視れない。BTSの持っている物なら書かれていない可能性がある。

わたしは、お母さんから「お前、またいらん事に使ったら許さんからよ｣と毎日渡されているお昼のお弁当代を6日間貯めて（１日分はガチャガチャに使った）、5000円を支払った。
これは親孝行の為に使ったからいらん事ではない。事実、わたしは仮面ライダーやポケモンを視ている時はじっと座ってみている。主題歌の時以外は。それ以外はよくNHKの歌って踊る番組をソファーの上で飛んだり跳ねたりしてよく視ているから、それが原因でソファーがへこんだりする事がなくなるのだ。あまり母の言う事を聞かないと、また「ハローワークに行ってこい｣とか言うので、わたしはこうやって時々、親孝行をしている。

そして、浪人生はBTSのメンバーから4人を連れてきたのだ。
そのメンバーとは、RM、シュガ、テテ、ジョングクだ！残りの３人は遠足に行っているとかでこれなかったとの事だ。
まずRMが挨拶をした。
「RMです。よろしくお願いします｣
80歳ぐらいの人でとても痩せている。初めて見たBTSにわたしは興奮した。雑誌でもテレビでも見た事がなく姿を知らなかったのだが、生でを初めて見たのだ。
残りの３人も挨拶した。みんな高齢で、驚く事に、ジョングクは90歳ぐらいの女性だったのだ。
4人は近くの白寿園というところから来たという。なんと、BTSは近くにいたのだ。

「すごいね！すごいね！｣
わたしは、浪人生に話しかけたが、今日はなぜか新しいミニカーとかをたくさん仕入れてきてそれで遊ぶのに夢中で、わたしには見向きもしない。
しばらくしてミニカーに飽きた浪人生が、みんなで『ダイナマイト』を歌おうと言い出した。前に歌ったダイナマイトは一章で、虎舞竜のロードのように二章みたいなのがあると。
それは「♪ダイナナナナナナナナ｣とダイナナがずっと続く素晴らしい歌なのだと言う。
わたしと7人の小学生、そして浪人生とBTSは横一列に並びダイナマイトの一番の盛り上がりの部分だけ歌い出した。
誰も歌詞がわからないので「ダイナナナナナナナナ……｣のところだけずっと歌ったのだ。
振り付けも誰も分からなかったので、とりあえず、浪人生がやった電気で感電したような全身をただブルブルブルブル震えるだけの動きをしながら。
顔はもちろん、感電した時の顔だ。アニメやコミカルな映画などで見た事がある。
みんな真似して、感電した顔で震えながら歌った。

「♪ダイナナナナナナナナナナナナナナナナナナナナナナナナ……｣

それを休まず一時間はやった。

それを見かけた小学生の父兄が後日PTAにて、
「今まであの公園では色んなものを見てきたが、今までで一番、危険なものだった｣
と紹介したらしい。
わたしはバカじゃないから、危険を英語でデンジャラスという単語なのは知っている。
要するに、コロコロコミックでやっていた『デンジャラスじーさん』のように素晴らしい光景だったと言いたいのだろう。
これは照れる。
わたしは今まで誉められた事がないので、本当に照れた。
後半、赤いサイレンの白黒の車がやってきたので、わたし達は走って逃げた。
あの人たちは、よくわたし達をヒーロー扱いしてインタビューしてくるからだ。
午後３時、
わたし達はお日さまに向かって、
笑顔で駆けていた。

エンディングテーマ
松山千春：『大地と大空の中で』

♪はて～しない～　大空と～　広い～大地の～その中で～

♪いつの日か～　幸せを～
自分の腕で～　つかむよう

♪歩き出そう～　明日の日に～
振り返るには　まだ若い～

♪ふきすさぶ～　北風に～
飛ばされぬよう　飛ばぬよう～　

♪こごえた両手に　息をふきかけて～
しばれた体を～　あたためてへ～

・・・

♪はて～しない～　大空と～　
広い～大地の～その中で～
いつの日か～　幸せを～
自分の腕～で　つかむよう～

♪
自分～の腕で

つか～むよう～

おまけ：
先日、この事を話した友人からこういう動画が送られてきた。君は要するに「さ｣がつくものにあっていると、言っていた。

　　　　　　　　ダイナマイト！☆