見出し画像

「介護職とかマジで無理」と思っていた33歳女が意外にもハマった理由

お仕事イメージがカルタになるなら「介護」とくれば、「大変そうだよね」が絶対ペアのカードになる。

だって、お年寄りの下(しも)の世話するし。
大人をベッドに移動させるのって力仕事だし。
万年、人手不足って言うし。
給料少ないし。

「介護の仕事をしている人って、お年寄りが好きなんでしょ?」
とまぁ、こんなイメージじゃなかろうか。

現に私だって、友人がデイサービスで働くと聞いて「マジで!?よくやるね!私には絶対無理」って言った気がする。

そんな私だけど、別に、介護に縁遠い世界で生きていたワケじゃない。

幼い頃から祖母と暮らしていたから、両親が祖母の介護をする姿を見ていたし、ヘルパーさんの仕事ぶりも知っていた。

それに、教員になるために、介護施設に研修に行ったことだってある。
世間一般よりかは、「お年寄り」「介護」に触れる機会には恵まれていた方、なんだけど。

それでもやっぱり、私にとって「介護職なんて有り得ない」ものだった。

だって、どんどん弱っていく祖母を見るのが怖かったし、介護施設の研修では、生気を吸われるような気がしたから(失礼極まりないが20代の頃はそう思った)

「自分には関係のない世界」
「お年寄りの相手なんか絶対できない」

と、33年間、頑なに思い続けていた。

そんなときに、まぁ色々と縁あって介護の世界に飛び込むことになり、いざ入ってみたら…。

お年寄りのキャラクター、濃ゆッ!おもろ!
うんち(排泄管理)って、めっちゃ大事じゃん!出さないと!

と、ためらっていた部分が面白さ&知的好奇心で上塗りされて、「なんで介護イヤだったんだっけ?」と時々思い出せなくなる(笑)

そんなふうに、前向きに捉えられるようになっていたのは、たぶん、中学校教師としていろんな生徒と関わった経験や、子育ての経験もプラスになっているだろう。


人生80年も生きていれば、いろんな体験をした人がいるもんで。
過去の栄光を何度も聞かせてくれる人も珍しくない。

ためらっていた下の世話だって、

うんちが出ない=不健康=病気につながる
うんちが出る=スッキリ=快適に過ごせる

この流れが分かってからは、嫌悪感もなくなった。

そして、介護・看護に関わる人へのリスペクトの気持ちも生まれた。

利用者・入居者さんの気持ちを汲み取る努力をし、心地よく過ごせるように排泄や食事、生活の様子に気を配り、不安にならないようにやさしく声をかける。

なんて、やさしさに溢れた世界なんだ、と思った。

それは、私たちからお年寄りに、だけじゃなくて、お年寄りから私たちへのやさしさもたくさん感じる。

「寒くない?」
「まぁ、ここ座りんさい」
「あんたも食べんさい」

と孫のように、節々で気遣ってくれる。
これは教師時代にはない高待遇!(中学生はこんなに優しくない(笑))

認知症の方は、思いをうまく言葉にできないことも多い。
それでも、何度か話しかけていくと、微笑んでくれたり、頷いてくれたりする。

私のやっていることは、一方通行ではないのだ、と思わせてくれる。

誰だって、人の世話にならずに生きていきたいと思っている。
下の世話をされることに抵抗を感じたり、「迷惑をかけている」と気を遣わせている。

それでも、いつかは老いていくし、体も不自由になっていく。誰かの手を借りなければ、難しいことが増える。

だから、介護職は、「世話してあげてる」んじゃなくて、「お手伝いさせてもらっている」仕事なんだと思えるようになった。

知り合いに「介護の仕事をしてる」と言うと、「大変だね」と言われる。
うるせー!と思うが、かつて、私の思ったことがブーメランのように帰ってきているだけ。

介護の仕事は大変だよ。
でも、面白いこともいっぱいある。
生きるうえで大事なことがいっぱい詰まっている。

介護度が進んで話ができなくなっても、これまでの生き様から伝わってくるものがある。

あらゆる人の人生を見守れる、映画館にいるような気持ちになれる仕事なのだ。


この記事が参加している募集

#自己紹介

230,124件

#仕事について話そう

110,303件

サポートしてくださるんですか?ありがとうございます😍💖息子の大好物のバナナを買ってきます🍌