ニーチェと都市

 ニーチェといえば、20代半ばでバーゼル大学の教授になったことで知られる。バーゼルと聞いて思い浮かべるのは、ダリの「燃えるキリン」がバーゼル市立美術館に所蔵されているということだ。筆者は、バーゼルはおろかスイスすら訪れたことはないが、なかなかエッジの効いた街なのではないかと想像する。
 また、ニーチェといえば、トリノの広場で「発狂」したことで有名だ。トリノは、画家のデ・キリコにインスピレーションを与えた街でもある。それとの因果関係は知らないが、デ・キリコはニーチェの影響を受けている。ニーチェに触発されたデ・キリコは、「形而上絵画」を標榜していた。だが、ニーチェはむしろ形而上学を痛烈に批判した人物である。実にシュールな話だ。

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