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ルサンチマンはなぜ悪いのか?幼稚な怨恨でしかない

ルサンチマンとは、フランス語で「怨念」や「憎悪」を意味する言葉で、主に哲学や心理学の分野で用いられます。ルサンチマンは、自分自身の不満や嫉妬、劣等感などから生じる敵意や攻撃性の感情を指し、他者や社会に対する悪意や怨恨を表現する際に使われます。


ルサンチマンは力強さや自己肯定感を持たない人々が持つ感情であり、弱者が強者に対して抱く復讐心や嫉妬を象徴する概念とされています。

そして、ルサンチマンは社会から強烈に嫌われています

実際にルサンチマンを見せる人間は、現代日本では、ほぼXなどのSNSやネット上でしか見られなくなりました。皆さんも自分の身近でルサンチマン的な幼稚な感情を見せているような社会不適合者はいないと思います。これは現実社会で攻撃的な姿勢や感情論や幼児性が到底認められないためでしょう。

ルサンチマンが嫌悪される理由の一つは、彼らが自分の欲望や妬み、不満を他者に向けて攻撃し、傷つけようとすることがあげられます。彼らは自分の不幸や不満を他人のせいにし、他人を非難し攻撃することで自分の不安や嫉妬を解消しようとします。

このような振る舞いは周囲の人々に対して否定的な影響を与え、人間関係を損なうことがあります。そのため、ルサンチマンは他者から避けられる傾向があり、社会から嫌われる存在となることが多いのです。


なぜ人々はルサンチマンを悪とみなすのか

ルサンチマンは、自己の欠如や他者への敵意を持つことで表れることが多く、しばしば憎しみや怨念を引き起こします。なぜ人々はルサンチマンを悪とみなすのでしょうか。

それは、ルサンチマンに陥りがちな人に以下のような特徴があり、社会不適合者であることが大きいでしょう。

●過去の失敗や挫折に対する怒りや憎しみを持ち続けている

●自分を被害者として位置付け、他人や状況を責める傾向がある

●自己肯定感が低く、自己価値を他者の認めに依存している

●嫉妬や優越感を感じやすく、他人の成功や幸福を妬んでしまう

●自分の感情を抑えることが苦手で感情コントロールができない

●他者との対立や諍いを避けることなく短絡的な行動をとりやすい


まず、ルサンチマンは自己の価値を低く評価し、他者に対して敵対的な感情を抱く傾向があるため、その存在自体が不快であると感じられることがあります。自身の内に抱える弱さや嫉妬、怒りが表面化し、他者に対して攻撃的な振る舞いを見せることがあります。

さらに、ルサンチマンはしばしば諦めや絶望感を抱え、他者に対して不当な批判や攻撃を仕掛けることがあります。このような行動は、周囲に不快感や不安を与えるだけでなく、社会全体に悪影響を及ぼす可能性もあります。そのため、ルサンチマンはしばしば悪の象徴として捉えられます。

そして、ルサンチマンの存在は、社会全体の調和や平穏を乱す要因となり得ることも考えられます。彼らの持つ強い敵意や憎しみが他者との関係を悪化させ、亀裂を生むことがあります。これによって、他者間の信頼や協力関係が揺らぎ、社会全体が不穏な状況に陥る可能性もあるのです。

ルサンチマンはしばしば自己犠牲を強要し、他者から同情を引き出そうとする傾向があります。このような行為は、他者に対して不当な負担を押し付けることになり、社会全体の調和や安定を乱すおそれがある。ルサンチマンは、自らの不遇や不幸を巧みに利用して、他者からの同情や援助を引き出そうとする傾向があるため、その姿勢に対して我々は警戒心を抱くのです。

最後に、ルサンチマンはしばしば他者への嫉妬や憎しみを持ち、その感情を行動に表すことがある。このような行為は、他者との対立や不和を生む原因となり、社会全体の安全や安定を脅かす可能性がある。ルサンチマンが持つ悲観的な感情や敵対的な姿勢は、他者との良好な関係構築を妨げ、社会的な調和を乱すことがある。

人は知性が高い動物であると同時に社会的動物ですので、「ルサンチマン」という社会のルールと調和を乱し頭の悪い行動をする者を受け入れることはないのです。


ルサンチマンが「悪」である大きな3つの理由

①感情のコントロールができない

まず、憤り・怨恨・憎悪・非難・嫉妬といったルサンチマン的な感情は、人として自然な感情とは言えません。ルサンチマンは、他者に対する嫉妬や怒りを強く感じることであり、これは一般的に健康的な感情とは言えません。

通常の人が感じる健康的な感情である嫉妬や怒りは、適切な対処方法を見つけることで解決されることが多いですが、ルサンチマンの場合は過剰な感情であり、しばしば他者や自分自身に害を与える可能性があります。したがって、ルサンチマンのレベルまで感情が高まること自体が人として異常と言えます。

また、現代社会では「悪感情=悪」であり、感情のコントロールができないと、信頼を失う可能性が高まります。特にビジネスや人間関係においては、感情を適切にコントロールし、冷静に対応することが重要です。感情的な行動や怒りの爆発は、周囲の人々に不安や不信感を与えることがあります。信頼を築くためには、感情をコントロールし、冷静に対応することが求められます。


②論理性に欠ける主張をしている事が多い

全員ではありませんが、ルサンチマンに陥っている者の主張は、感情や信念に基づいた主張をしており、論理性や科学的根拠や統計的根拠に欠けていることが多いです。

ルサンチマンは、自分の信念や意見を堅持しすぎて客観的な情報や他の視点を考慮しなくなることで、正当性や合理性を失ってしまう傾向があります。

そのため、他者との議論や意見交換が難しくなり、偏った意見や誤った情報を広めるリスクも高まります。ルサンチマンに陥っている者には、客観的な情報やデータを元に考えることの重要性を理解することが必要です。

当たり前ですが現代社会ではファクトや科学的根拠の有無が重要であり、感情や心情に基づいた主張などは誰にも相手にされません。


③他責思考であることが多い

また、ルサンチマンに陥っている者の主張は、幼稚な感情の吐露で終わっていることが多く、現実的な解決策や建設的な議論をしていない場合が多いです。

また、自己価値を低く見積もり、他者や社会に対して敵意や憎悪を持つ傾向があります。そのため、彼らの主張や考え方はしばしばネガティブなものとなります。

その結果、ルサンチマンに陥っている者は、自らの不幸や不満を他者や外部の要因に責任を押し付ける傾向があります。自己責任を取らず、他責思考に陥ってしまうことが多いです。このような思考パターンは、自己成長や問題解決において障害となることがあります。そのため、自己批判や自己省察を行い、自らの行動や考え方を見直すことが重要です。


悪いルサンチマンから抜け出すために

ルサンチマンを乗り越えるためのメンタルトレーニングのコツは、まず自分自身を客観的に見つめ直すことです。

ルサンチマンに陥っている者ほど「ルサンチマンは自然な感情!」「みんな我慢しているんだ!」と言いますが、実際には世の中の大多数のマジョリティーはルサンチマンに陥っていませんし、我慢もしていませんし、普通に真面目に生きてます

ルサンチマンに陥る人は一般的には少数派です。おおよその推定では、人口の1%未満がルサンチマンに該当すると言われています。これが、ルサンチマンが身近に存在せず、XなどのSNSでしか目撃しない背景なのでしょう。

自分が少数の異常者であることを、逃げることなく直視することが、まず第一歩になります。


まずは自分自身がなぜルサンチマンになりやすいのかを冷静に考えることが大切です。過去の経験や環境、自己評価など、自分を取り巻く要因を客観的に分析することで、ルサンチマンになりやすい傾向やトリガーを見つけることができます。

次に、その傾向やトリガーに対してどのように向き合うかを考えます。感情をコントロールするためには、自己認識や自己管理力が必要です。自己認識は、自分の感情や行動を客観的に観察し、どのような状況でルサンチーマンになりやすいかを把握することです。自己管理力は、そうした状況に直面した際に冷静に対処し、感情をコントロールする力です。

さらに、ルサンチーマンへの対処法としては、ポジティブな感情や行動を促すことが大切です。ネガティブな感情が湧き上がってきた時には、その感情を受け入れつつも、ポジティブな視点や解決策を見つけるよう努めることが必要です。例えば、他者に嫉妬や憎しみを感じた時には、その感情を否定せずに、その背後にある自分自身の欲求や不安に目を向けることで、感情をコントロールしやすくなります。

そして最後に、メンタルトレーニングは日々の継続が重要です。一度気づいた傾向やトリガー、対処法を意識的に実践することで、徐々にルサンチーマンへの抵抗力がついてきます。時間をかけて自己成長を遂げることで、ルサンチーマンに支配されることなく、ポジティブに人々や状況と向き合っていくことが可能となります。


ルサンチマンは自らの成長を妨げる要因となります。

他者との比較によって生じる否定的な感情は、自分自身の成長や目標達成を阻害します。ルサンチマンに支配されることで、自己否定や劣等感が強まり、自信を失う結果となります。そのため、ルサンチマンをやめることは、自己肯定感を高め、自分の可能性に目を向ける良い機会となります。

また、ルサンチマンによって生じるネガティブな感情は、心理的なストレスや不安を引き起こすことがあります。嫉妬や怒りといった感情は、心身に悪影響を与え、ストレスや不安の原因となることがあります。これらの感情を抱え続けることは、精神的な健康を害し、幸福感を低下させる要因となります。ルサンチマンを超えることは、ストレスや不安を軽減し、心の安定を取り戻すことにつながるでしょう。

さらに、ルサンチマンは人間関係に悪影響を及ぼす可能性があります。嫉妬や怒りを抱えた状態で他者との関係を維持すると、相手への過度な要求や攻撃的な態度を取ることがあります。これにより、他者との信頼関係が損なわれ、孤立感や孤独感を生むことがあります。ルサンチマンを克服することは、健全な人間関係を築くための第一歩となり、より良いコミュニケーションを構築することができるでしょう。

したがって、ルサンチマンをやめることは自己成長にとって重要なステップとなります。他者との比較や嫉妬、怒りといった感情に囚われることなく、自分自身と向き合い、ポジティブな意識を持つことが、健康で幸福な人生を送るための大切な要素となります。

ポジティブな思考を身につけるためには、自己肯定感の向上、他者との比較からの脱却、感謝の気持ちを持つことが重要です。ルサンチマンと向き合いながらも、ポジティブな視点を持つことで、自己成長を促進し、充実した人生を送ることができるでしょう。


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