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番外 本当の自分とは 7 脳科学からみた自分

【結論】自分を客観的にみる努力をしよう

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本当の自分」について、「こんな本を読んだ 番外篇」にて考えています。この考察が、若い人への参考となればさいわいです。

第七回は、「脳科学からみた自分」

「本当の自分」とは 目次ページ

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脳科学からみた自分


人間に関する脳科学は、「こころ」と「からだ」からなる人間を全体としてとらえ、それらをコントロールする脳を研究する学問です。

これまで考察してきた「本当の自分」について、脳科学で関係するのは、感情情動(注1)、思考問題解決など、おもに「こころ」についての分野と考えられます。

人は、自分の感情や思考を自己認識し、認知(注2)することができます。しかし、それがすべてではありません。ちょうど、歩行や心臓の鼓動などが無意識(注3)に行われるように、「こころ」も無意識に影響されています。また、思考や行動の傾向(クセ)も無意識から生み出されています。

自己認識できる自分だけが「本当の自分」ではない。無意識部分もふくめなければならない。

しかし、無意識は認識できないため、「本当の自分」を知ることは大変むずかしいということになります。「本当の自分」はたしかに存在するが、それを自分で確認することは困難だということ。

「私は自分の行動も感情もすべて把握している」ということはありえない。私たちは、自分のことを、自分が主観的に感じているようにしか認知することができない。主観のむこうにもっと広くて深い世界がある。

だから、私たちが「本当の自分」を知り、どのように生きていけばよいかを知るためには、もっと謙虚になり、自分をより客観的にみる手段を考えなければならないのです。


(注1)情動:いかり・おそれ・喜び・悲しみなど、急に怒ってくるはげしい感情の動き(三省堂国語辞典第7版)

(注2)認知:人間などが外界にある対象を知覚した上で、それが何であるかを判断したり解釈したりする過程(Wikipedia)

(注3)無意識:心的過程のうち自我では把握できない(意識できない)領域(Wikipedi)

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補足です。

脳科学があきらかにするところでは、脳は生涯を通じて発達、変化します。脳の発達は遺伝的要素に影響を受けますが、環境にも大きな影響を受けます。自制心や判断力の向上、社会的スキルや感情の調節能力の向上などがそれにあたります。

また、脳の発達や経験によって、個人の認知能力、創造性、感情、社会的行動なども大きく影響されることが、人の個性を生み出します。

脳は、無意識部分もふくめ、柔軟性、可能性を秘めているのです。



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