見出し画像

たぶんじゃない方の僕。

僕は凄腕の営業担当。らしい。

誰もが無理だと根を上げるような取引先でも、むしろちょっとこっちが有利な契約を取って颯爽と社に戻ってくる。らしい。


自分の事で「らしい」という言葉を使うのは違和感を感じるかもしれない。

信じてもらえるかわからないけど、書いてみようと思う。


僕の時間の大半は、僕の無意識に支配されている。

基本的に、僕が僕でいられるのは、家に帰ってきてから眠りにつくまでのわずかな時間だけ。

だから僕がすることといえば、掃除や洗濯などの家のことがメインで、あとは寝るまでの間を自由に過ごすことくらい。

毎日のジム通いも無意識の担当みたい。

おかげで程よく筋肉がついていて、夜中にちょっとお菓子を食べ過ぎちゃったりしても太ることはない。たまにバッキバキの筋肉痛に襲われるけどね。


夜眠って起きたら、普通ならギリギリまで寝ていたい朝が訪れるけど、僕の寝起きは少し汗ばんだ体でネクタイを緩めているところから始まる。

体自体は朝から活発に動いているから、寝起きのだるさはない。その代わりにその日の疲労をどっと感じるので、どっちの寝起きがいいとも言い難いかな。

基本的に家からは出ないようにしてる。

帰りが深夜になることも多いし、だいたい欲しいものは買っておいてくれてるし(自分だからほしいものがわかるみたい)、もし無意識の知り合いに会っちゃったらうまく切り抜ける自信がないし。

えーっと、あと土日はね、無意識とは別に僕が行きたいところとか食べたいものがあると優先させてくれるときもある。

でも基本は土日も取引先への接待だったり、セミナーに参加したり筋トレしたり、自分磨きに使いたいみたい。

だから金曜日の夜寝て、次起きたら月曜日の夜だってこともあるよ。


たまにうーんと思うこともあるけど、無意識に不満はない。

大きな仕事を成し遂げたあとであろうタイミングで突然の拍手喝采を浴びたり、高級料理店での食事などは、半分を食べたあたりから僕の意識が戻り、残りの半分を味わわせてくれたりもする。

その際、嫌いな食べ物は大半残っている。無意識なんだから、無意識に食べてくれればいいのにとも思ったりするが、無意識は無意識なりに、喜び事は共有しようとしてくれる優しさを感じるから。

僕は僕であって、無意識は無意識であって、2人とも僕なんだけど僕じゃない、みたいな。伝わってるかな。

そんな感じなんです。


ここまで読んでくれた人は、きっとこう思ってると思う。

「どちらかというと、あなたが無意識みたい。」って。


僕もそう思わないことはないんだけど。
でもさ、せめてもの強がりというか、ね。



この記事が参加している募集

私の作品紹介

やってみた

最後までお読みいただき、ありがとうございます。よろしければ、サポートもしていただけたらとっても励みになります😊活動の幅を広げていきたいです。