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【映画批評・感想】 関心領域 / ジョナサン・グレイザー監督

観終わったあとに、思考が停止した問題作。

響いてないわけじゃない。でもなぜか気持ちが前に進まない停滞した感覚。それがなんなのか。観ていけば次第に見えてくるでしょう。

無関心。 これが一番罪深いことなんだと。

本作は、アウシュヴィッツ収容所の隣で、平和に優雅に暮らす一家のお話。淡々とその生活が104分続きます。

  • 煙突から立ち昇る煙の意味

  • たまに鼻をさす臭い

  • 虚ろな顔で働く家政婦


そのどれもに関心を寄せることなく、平和に暮らす
一家を淡々と写すこの映画の静かなる狂気。



カメラの画角すら、無関心なほどの引きの絵。

時折みえる、煙突からの煙。

明瞭に聞き取れないが、確かに聞こえる囚人たちの阿鼻叫喚。



こんなに震える104分はありません。こわいとか、恐ろしいとか、無惨だとか、そんな凡庸な表現では追いつけない狂気が本作にはあります。

万人に、観ることをお勧めできない問題作。とだけ、言っておきます。ハァー。



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