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家畜化する現代人 ~権力構造の逆転~

今の私だからこそ書ける記事になっています。
思考実験、お付き合い下さい。

家畜化する現代人 

家畜と呼ばれる動物は、基本的に自ら食料を求めて移動したりはしない。

「檻」や「舎」の中で、人間によって供与される餌を日々食べ続けるのである。

現代人も広く捉えれば、家畜と言っても相違ないのではなかろうか。

食料(糧)の生産に関わらない人間は、生産者によって供与された作物を購入を通じて手に入れる。

もちろん、食料を求めて移動することはない。
仮に移動するとて、それは自分の家からスーパーマーケットの間の往復といったところだろう。

家畜と現代人の違いと言えば、家畜は最期に餌の対価として自分の身体を捧げる一方で、現代人は資本を差し出すといったところだろうか。

家畜が人間によって餌が与えられなければ死んでしまうように、我々も、生産者がその手を止めてしまったのなら、家畜のように息絶えてしまうしかない。

権力者こそ家畜化される

ここまであくまで現代人という言葉を使ってみたが、人類が食料を求めて動き回る、すなわち狩猟・採集中心の生活でなくなったのは、1万年以上も前の話だ。

人間が農耕を始めたことで、旧石器時代は終焉を迎え、新石器時代が到来したのである。

農耕を開始し、食生活が安定したからこそ、文明が発達した。
そして、そこには権力を持つ者と持たざる者が現れた。
ここで注目すべきは、権力者は農耕には従事しないという点だ。

この点でいえば、大昔から権力を持つ者はすでに、権力を持たずに農耕に従事していた人間の家畜と化した言っても、論理的な矛盾はないだろう。

現代でいえば、都市と地方の関係と言ってもいい。

権力が集まる都市に住む人間は、地方の人間が作った食料で生活を営む。

地方は都市の食糧補給庫ともいえるが、権力者こそ家畜化されるなら、都市は地方に飼いならされているという逆説も唱えることができるだろう。

権力を有する権力を「持たざる者」

地方の権力を語るにあたり、とても悪趣味ではあるがこんな冗談を聞いたことがある。とある農家は

「戦争になれば、農家は儲かる」

なんてことを口にしたのだ。

食料生産機能を持たない都市は戦争による混乱状態に陥ると、食料不足になる。
そう、食料の価格はみるみるうちに上昇していくというわけだ。

事実、戦後日本では、地方の農家から作物を買い付け、それを焦土と化した都市の闇市で高値で売りさばくというビジネスが横行していた。

確かに闇市で転売をしていた人間のビジネススキルを褒めるという視点もあるのだろうが、ここでも重要なのはその根本を支える地方の農家の存在だろう。

つまり、究極的な権力を有するのは権力を「持たざる者」なのだ。

権力者だらけの現代で

とはいっても、この現代で、戦争が起きるなんてことに現実味を感じている人は少ないはずだ。
未曾有の事態である今回のコロナ禍でさえ、食料は十分に都市部にも供給されている。

すなわち、権力構造の逆転は起きないのだ。

確かに、これからの人口減で日本で食料生産に従事する人間は目減りする。
とはいえ、おそらく我々は困らない。

なぜならこのグローバル社会には、日本人に食料を供給してくれそうな国が山ほどあるからだ。
事実、食料自給率が37パーセントの現在、この国は崩壊していない。

日本人はこの意味で権力構造の上層に居るのだ。
不平等性の上に、我々の生活は担保されている。

だからこそ、どこかで

自分たちが「家畜化」しているという視点

を持ってもいいのではないか。

なぜなら、この見方こそが、自己が持つ権力に対する自戒となるはずだからである。

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こんな前衛的な発言は、おそらく「生産者でもなく、かといって購入ばかりでもなくなり始めた」今だからこそ口に出来ると思い記事にしました。
事実、つい数か月前までは、私も都市部の人間だったので。

無論、購入してくださる方がいるからこそ、生産が成り立つという考え方も大いにあります。
需要あるから供給が成り立つのか、供給があるから需要が生まれるのか。これの答えはどちらかが一方ということではないでしょう。

またもちろん、肉類となる家畜を育てながら、漁に出て、果樹や野菜を育てるなんていうのは不可能です。
持ちつ持たれつでやっているので、一概に「家畜化」という表現を使うのは不適切かもしれません。

だからこそ、おそらくこんな記事を本格的に生産者になってから投稿したのなら、「何を偉そうに」と反感を買うような気がします。

思考実験でありましたが、いかがでしたでしょうか?
私個人としては、「常識や権力を疑う」という学術研究で教えてもらった姿勢が伝わっていたのなら嬉しく思います。

というわけで本日はここまで!
ご清読ありがとうございました!

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