「ごはんは自分で?」~島民からのよくある質問を再考する~
つい最近、カレーをお裾分けしてもらったときに考え直してみました。
ごはんは自分で?
島で一人暮らしをしていると、よく島民から質問されるのがこちら。
「ごはんは自分で?」
本当にこの数か月、数えきれないくらいに質問されてきた。
単純に、私自身は下手なりに料理は好きだし、20代×一人暮らし×自炊という男友達も多々いるため、自炊に抵抗はない。
また、結果的に見て、そうせざるをえない面もある。
すなわち、島には飲食店もスーパーもコンビニもないので、自炊するしかない。そのため、「ごはんは自分で」以外の選択肢は基本的には存在しない。
ただ、やはり前々から島で暮らす方からすると、島で若い男が一人で自炊しているというのは少し奇妙なのだろうか。
島の人口構造
ここで、島の人口250名程度(住民票を島に残して島外に出ている人もいるので、島民の感覚としては180名程度)の人口ピラミッドを考えてみたい。私の知っている限りでは、
20代 5名(うち男1人・自分)
30代 2名
40代 3~5名?
50代 2~3名?
となる。つまり60代以上の人間が、この島の大半を占めているということだ。
しかも、そのボリュームゾーンは70代と80代。
この2つの世代で70パーセント近い数値をたたき出している。
ただこれは以下の調査結果に基づく数値であり、かつ住民基本台帳を基にしているため、実数値はもっと大きい可能性がある。
というわけで、島はピラミッドとはいっても、逆ピラミッドな人口構造にあるのだ。
(データ参考元:離島医療福祉研究会, 2020,「香川県内の医療福祉に関する現状認識と期待ーアンケート調査を中心として」)
島で一人暮らしはそもそも稀
話を戻すが、自炊に対して島民が気にかけてくれるのは、
島全体で、そもそも島で一人暮らしをするという概念が薄いからなのではないかとも思っている。
一人暮らしをしている島民もいるが、大半は長年連れ添ったパートナーを失ったという理由であり、私のような一人暮らしとは意味合いが異なる。
定年後、島に出戻ってきた人も大半は夫婦で戻ってきているし、
長年島に住み続ける人たちは島内結婚というパターンが多いため、結婚前までは元の家族と、結婚してからは夫婦生活をという生活スタイルで今に至っている。
そのため、若い男の自炊どうこうの前に、島全体として一人暮らし自体が稀有な現象なのだ。
そして、やはり家事は女性がするものという意識も少なからずあるので、ますます若い男の自炊は珍しい現象なのかもしれない。
そんな稀な現象を体現するのが、逆ピラミッドの底辺、つまり1/180 という量的にも稀な存在の私。
すなわち、私の自炊は「稀×稀」の状況にある。
今日も自分で、だけれども・・・
そんなことを考えながら、ここ数日自炊に勤しんでいた。
引っ越した家で米を炊くことに違和感を覚えないくらいに、島暮らしも日常化してきた。
また農作業のおかげで、2日で6合を食べきる&下手すりゃ足りないという、高校時代さながらの食欲を取り戻したせいもあり、ほぼ毎日自ら米を「炊く」。
でも、少し考え直せば、周囲にとっては非日常な物珍しい生活をしているのであろう。
だからこそ、何かと気にかけてくれて、お裾分けまでいただけるのかもしれない。
自分で作る料理が一番美味いという意見もあるが、「今日も自分で」米を炊きながら、稀な私は思う。
やっぱり人様に作ってもらった料理が一番美味い。
ーーー
「ごはんは自分で?」への回答としては
「自分で。でも、やっぱり誰かに作ってもらうのが一番美味しいですね」
が一番私らしい回答かなと思います。
というわけで、本日はこれにて!
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