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おダメさん
2021年5月20日 21:14
卵が割れるようにこのばかでかい大空がぼろぼろと崩れ落ちてしまえばわたしはなにか別のわたしに生まれ変わることができるだろうかこの空がどれほどの哀しみを嘲笑って朝を迎えどれほどの喜びに冷や水を浴びせ暮れていったか空にとって私は同情に値する存在ではなくたった一刻の停滞すら許されないらしいアスファルトや植物や地を這う虫や人間や空に見下されてきたすべてのものが一斉に
2021年5月19日 22:08
もしもこの世界にたった一人の足音しか聞こえないなら私は大声で歌うだろう耳を傾ける者は一人もいないけれどもしもこの世界に何十億の孤独が見えるなら私は瞳を閉ざすだろうこちらを見る目は一つもないけれど肌寒い朝の窓辺でコーヒーを飲んだあとの白い吐息を眺めながら昨日の夢をもう忘れている私は歌っていたか目を瞑っていたか自分が一番穏やかであれるはずのあの懐かしい味を思い出
2021年5月17日 21:37
それは静謐な湖を乱すものざらざらと黒い砂が吹き付けて前触れもなくつつましい営みをひっくり返すもの生活の裏に這い寄る深淵逃げ場を失った羊に牙が剥かれそれは、たとえば嵐のように抗いようがないもの身を寄せる相手も跪く偶像もなくただ、それの気の済むまでじっと息を潜めることでしか逃れるすべはない今日生き延びてもまた明日来るかもしれないたからそれなりの備えをしてボタンと靴紐は