![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/52739747/rectangle_large_type_2_4b0574be9e5c2a2c0cdbf6ea3ec6ab48.jpeg?width=1200)
Photo by
kaede5557
空怨歌
卵が割れるように
このばかでかい大空が
ぼろぼろと崩れ落ちてしまえば
わたしはなにか別のわたしに
生まれ変わることができるだろうか
この空が
どれほどの哀しみを嘲笑って朝を迎え
どれほどの喜びに冷や水を浴びせ暮れていったか
空にとって
私は同情に値する存在ではなく
たった一刻の停滞すら許されないらしい
アスファルトや
植物や
地を這う虫や
人間や
空に見下されてきた
すべてのものが
一斉にこの星から切り離されて
空に落ちてゆけたなら
今度は空がわたしたちを見上げるだろうか
あるいは
そんなことはおかまいなしに
なおも空はおかまいなしに
明暗をただ繰り返すだろうか
膝をついて涙を流す
私の上を行き過ぎて
なおも朝を連れてくるのか
おかまいなしに
大事なお金は自分のために使ってあげてください。私はいりません。