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宇宙芸術 作品紹介レポート Vol.2 小麦さん

こちらの記事を開いて下さりありがとうございます、宇宙星太郎です。以前、こちらの記事で5つの作品を紹介しました。今後、「作品紹介レポート」では各作者にもう少し焦点を当てて紹介していきます!

もともと星太郎自身が紹介レポートとしてまとめようと思ってました。しかしながら、作者や作品に対して、偏愛・偏見・星太郎の独自視点を持ってしまい冷静な観点で伝えられないかもしれないので笑
今回も「ライターをしてみたい!」という方にお願いしてまとめて頂きました。(前回のVol.1は【こちら】)

以下は、ライター:ゆーみんさんが会話をまとめて文章にして下さったものです!
(noteにするにあたり、ほんの一部だけ星太郎が微調整してます)

◆宇宙芸術サークルとは?

宇宙星太郎が美大生と「宇宙×アート」をテーマに毎週月曜日に開催している。宇宙や科学に興味がある美大生やアーティスト、クリエイターが集まり、様々なクリエイティブな作品をつくっている。 サークルの紹介は【こちら

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◆作者紹介

星太郎
では、次の作品紹介を始めましょう。よろしくお願いします。

鈴木小麦
よろしくお願いします。武蔵野美術大学2年生です。油絵専攻です。

<鈴木小麦さんについてはこちら>
Twitter:@tanasinn56
Instagram:3621sun

◆作品制作の経緯

星太郎
作品制作まではどんな過程をたどりましたか?

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鈴木小麦
まずダリに決定したのは思いつきですね笑。ダリが好きだし、シュールレアリスムを書いてみたいと思って。それから、知識不足だったのでダリとシュールレアリスムについて大学図書で調べたり、ググったりしました。

そのあと、「次どうしよう?」ってなったんですが、ある日寝る前にうとうとしていたときに、「え、これじゃん?!」って。それがブラックホールでした。似合いそうだなって思ったんです。最初は惑星を描くつもりだったんですけどね。

星太郎
制作期間はどれくらいでしたか?

鈴木小麦
別の作業も並行してやっていたので、1日2時間を1週間くらいでした。構想に1週間くらいかかりました。

星太郎
苦労した点はありますか?

鈴木小麦
構想ですね。何を書くか、どういう構図にするかが一番苦労しましたね。シュールレアリスムって、結構ディープな思想なんですよね。

余計な考えが浮かんで脱線していくのが大変でした。結局決まるのって"ふとしたとき"なんですよね。無意識なのかもしれないですね、それも笑。(*1)

星太郎
コンセプター星太郎としては、四角い惑星を積み上げるとか…してみたいです笑

鈴木小麦
地平線と地面の構図は残したいかなぁ。

星太郎
確かにね。

鈴木小麦
視覚的なダリの特徴を残したいですね。

星太郎
この絵を見たときにダリっぽさを感じましたよ。

◆偶然が重なって決定したブラックホール

― 他の星ではなくて、ブラックホールを選んだのは?

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鈴木小麦
ダリのダブルイメージ(*2)が反映しやすそうだと思ったからですね。「星」って結構イメージが強いと思うんですね。それはダリとかシュールレアリスムに反するような気がして。

ダリの絵を見てたら、得体のしれなさ、未知とかが、ブラックホールにシンクロすると思ってブラックホールにしたんだと思います。

星太郎
面白いですよね。他に選択肢はあったけど、最後は直感っていう。

鈴木小麦
でも、星太郎さんの影響もあるんですよ。

星太郎
それは嬉しいですね!

鈴木小麦
いろいろ偶然に選択した要素が重なりましたね。

◆サークルメンバーからのコメント

コガ
ダリと事象の地平線という普通ではあり得ない組み合わせが面白いですね。シュールレアリスムは別の視点で言うとフロイトの無意識に関連しているんですけど、
地平線は、地表と空を分けていて、それが無意識と意識を分けるってことにリンクしているなぁと思いますね。

もう一つは、ダリの作品は形を変にしたものが多いんですね。コムギさんの変形したもの感がとても出ていますね。抽象的な形態に何か具体的な事象を落とし込むということがよくできていると思います。

星太郎
より上位のレイヤーを理解して表現してますよね。ただ単純に組み合わせただけじゃない。

鈴木小麦
そもそもブラックホールを描くってことに矛盾があるんですよね。NASAの画像は見やすくしている。ブラックホールを下界に下ろしてきたっていうのに関係していると思ったのが、ダリの『宇宙象』って作品ですね。

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節足動物みたいな脚を持ってる。ちょっと不安な感じしますよね。ダリ自身が言っているのは、象は権力や強さの象徴としてもちいられる。でも宇宙に行ったら浮遊するから、関係なくなる。欲望の見えない脚って言われてて、強さと弱さを対比している。この象はよく見ると浮遊しているって言われるんですね。

ちょっと曲解すると、宇宙ではみんな平等だよっていうのも。私は、宇宙のものを下界に持ってきたから、それによって、ブラックホールらしさがちょっと失われたとも言えますね。

コガ
イデアは持ってこれないからね。

鈴木小麦
ロケーションも地球の砂漠とは決めてないんですよね。判断はあなた次第です。

櫻井あや乃
シンプルに画面をつくりたいって気持ちが伝わってきますね。

星太郎
シンプルだけど印象的だよね。事象の地平面をオブジェにする、つまり現象を立体的に表すっていうのがすごい。

ひまだなか
物質感があるって言うのが一番面白いですね。ダリって知ってるものが崩されて描かれているんですよね。事象の地平面を知ってる小麦さんだからこそ描ける絵ですね。なんか、つかみたくなりますね笑

星太郎
抱き枕みたいな?笑

モボモボ
この絵好きです!絵の具の質感がいいですね。再現度がすごいです。めっちゃダリ笑。地平面を物体化して塊にするのも驚きですね。触ったらよく分からないところに連れて行かれそうで不思議です。

◆編集後記

鈴木小麦さんの作品は単にダリとブラックホールを組み合わせではなく、その背景にはシュールレアリスムや宇宙の理解、宇宙芸術の授業など様々なことがあって、それがふとしたときにすべてつながるというのがとても面白いと思いました。直感って、理詰めで考えるよりも何倍も早いんですよね。(詳しくはまた別記事に書こうかな…)とても興味深いお話でした!

<ライタープロフィール>
平岡優実(ゆーみん)
神戸大学文学部社会学専修2回生
読書と食べることが大好き

(*1)他のメンバーであるコガさんのコメント参照
(*2)あるイメージをあるイメージに重ね合わせて表現する方法。シュールレアリスムで評価されている。

<宇宙芸術の作品を見てくださる方はこちら>

<鈴木小麦さんについて

Twitter:@tanasinn56
Instagram:3621sun

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