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hoshikuzu
2023年5月24日 17:10
あまり漆のことは書いたことがないけれど。すこしだけ。漆を塗っては拭き取り、わずかに残った塗膜を重ねる「拭き漆」(もしくは「摺り漆」)という技法。古来より、防水、防腐、防虫といった、ほぼ実用のための技術だったもので、じつに手軽。誰でもできる。塗って拭き取ればいいのだから。拭き取った漆がもったいない。それはもっともな意見。手軽さとはうらはらに、じつに贅沢な技法ではある。それで、何
2023年5月17日 14:33
このところ木を削っていると、なんだかやたらにうねりのきいた形状のものばかりになっていることに気づく。最初はなんてことない、ただの正方形をつくっているつもりだったのに。絵も物も文章も、作品と呼ばれるものはその人から滲み出た結晶なのだとよく感じる。どんなに考えて考えて捻り出したものも、頭を振ったらぽんっと耳からこぼれ落ちたようなものも、核は同じ。しかも前者と後者、どちらがより誰かの心を動かす
2023年5月8日 14:19
まっさらの無垢の木を削るのは楽しい。けれど、アクセサリーを魅力的にするにはストーリーも大切で。なぜこの素材がつかわれたのか、どうしてこの大きさなのか、意匠に込められた意味は。すでにどこかで生きてきた素材に、別の生き方を重ねられたら素敵かもしれない。そんな気持ちが顔を出すようになってきた。子どもの頃使っていた椅子の足、もうすぐ取り壊されてしまう実家の柱、大切な人がつかっていた箸の片割れ。