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映画「花束みたいな恋をした」感想 もうひとりの私達のはなし
同じものが好きな人と出逢いたいとずっと思っていた。ある単語を言っただけで「あれ最高だよね」って好きな作品が伝わるような。もうひとりの私がいたら、どんなに楽しいだろうって。
でも、もうひとりの私は、やっぱり私ではない別の人間。出会った時から、いつか必ず別れがくることは決まっている。鑑賞しながらヘドウィグ・アンド・アングリーインチの「The Origin Of Love〜愛の起源〜」の歌詞を思い出し
ミッドナイトスワン 持つ者と持たざる者が出会う時
「どうして私ばかりがこんな思いをしなければいけないの」
きっと誰もが感じたことがある感情。身体と性別に心を痛めて生きてきた凪沙と、愛情を感じることが難しい養育環境で育った一果は、どれだけこの言葉を心の中で吐いてきたことだろう。
人は生まれた時から色々なものを持たされている。性別、生まれた地域、親、養育環境、裕福や貧困。その持たされたものや環境の中で生きていかなければならない。この作品では、持つ
映画感想 「ジョジョ・ラビット」 生涯ベスト級に出会う
「生涯ベスト級」という言葉をよく耳にするけれど、私は映画観賞後「うぅ~良かった!今年観た中では5本の指に入るなぁ」など年間レベルで判断することが常だった。でも、この作品は観賞中から「あぁ、これが生涯ベスト級っていうんだな」ということがストンと胸に落ちてきた。
10歳のジョジョと母のロージーは二人暮らし。ジョジョの前にはアドルフがいつも現れる。アドルフはナチスの教えをジョジョに叩き込む空想上の人物
映画 「殺さない彼と死なない彼女」 逆光みたいに射し込むもの
完全に“舐めてた案件”でした。「高校生の胸キュンラブストーリーね」とスルーしていましたが、評判が尋常ではないため調べてみたら埼玉で2カ所しか上映していない…車で1時間かけて観てきましたが、この作品を上映していないってどうかしてるよ?
何だか妙に白っぽくて、現実味が薄い逆光気味の不思議な画面。小坂と鹿野、きゃぴ子と地味子、撫子と八千代君の3組の場面が交互に入れ替わりつつ物語が進みます。
撫子さん
映画 ジョーカー感想
感想冒頭、暴力を振るわれたアーサーが地べたに倒れ込んでいるシーンにタイトルが重なります。その後、その倒れ込んだ高さ、スクリーンでいうと下1/5位でしょうか。ずーっと、敷き詰められた重苦しい何かを感じるのです。何これ?
見えないけれど、スクリーン上に少しずつ降り積もっているのは多分、蔑み、差別、貧困、暴力、孤独とか。とにかく、誰かの何気ない悪意が積み重なるとこんなことが起こるのね、っていうオンパレ