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文…石井睦美 絵…あべ弘士『100年たったら』

 輪廻転生について考えさせられる絵本。

 孤独なライオンと傷ついた鳥が出会い、友達になります。

 ある日、鳥はライオンに「わたし、もういくよ」と言いました。

 「こんな夜に、どこにいくんだよ」と尋ねるライオンに、鳥が「とおいところに」と答えます。

 ライオンは鳥のことが大好きなので、「じゃ、おれもいくよ」と言います。

 鳥は言います、

 「だめ」

 「また会えるよ」

 「100年経ったら」

 と。

 鳥は亡くなりました。

 やがてライオンも亡くなりました。

 長い長い時が経って、かつてのライオンは生まれ変わり、また生まれ変わって、更に生まれ変わって…、「なんだか前に会ったことがあるみたいだ」と思える人と出会います。

 輪廻転生なんてあるはずない、と言う人も世の中にはいるけれど、わたしはこの絵本を読んで、これまで以上に輪廻転生の存在を信じたくなりました。

 もし生まれ変わりが本当にあるなら、大好きな人たち(ペット含む)を見送るのがほんの少しだけ怖くなくなるから。

 完全に平気になるのは無理ですけれど。

 だって、現世でもっと生きていて欲しいから。

 けれど、もしかしたら自分の大好きな人は前世で誰かが「またね」と見送ってくれたからこそ、現世で自分が出会えたのかもしれない、今回は自分が「またね」と手を振って来世へ送り出す番なのだ…と思えたら、少し救われる気がします。

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