著…斉藤徹『超高齢社会の「困った」を減らす課題解決ビジネスの作り方』

 高齢者が増えれば増えるほど、医療や介護サービスの需要が増えて社会保障費が増大し、認知症を原因とした行方不明や交通事故が起きるなど、様々な社会問題が発生します。

 この本は、そうした課題の解決を国や自治体等だけに依存したり、悲観的になるのではなく、むしろ新たなビジネスチャンスとして捉える本です。

●体の変化に対応するビジネス
(例:身体機能や認知機能の低下を補う商品開発。歩きやすく休憩しやすい環境を作る。交通事故の加害者にならないよう自動車運転評価システムを開発など)

●介護周辺
(例:介護予防クッキングデイサービスの運営。介護ロボットやパワードスーツ導入など)

●日常の困りごとを助ける
(例:移動販売。家事代行。賃貸仲介。定期的な安否確認だけではなく何かあった時はすぐ対応してもらえる見守りサービスなど)

●地域コミュニティを活性化
(例:障がい者・高齢者・若者・地域住民が集う複合型コミュニティ施設の運営。異世代ホームシェアなど)

●学びとエンターテイメント
(例:高齢者が大学構内で講義やゼミに参加して学べるカレッジリンク型高齢者住宅の運営。懐かしい歌のコンサートの開催など)

●働き方をサポート
(例:高齢者の趣味ではなく仕事としての陶芸や野菜栽培の支援。仕事付き高齢者向け住宅の運営など)

 といった事業を展開をするアイディアが紹介されています。

 昨今は様々な企業が福祉に参入し、そして離れていっていますが…、補助金や助成金への依存率が高いというイメージがありました。

 はた、福祉=滅私奉公! 利益は二の次…いや三の次! というイメージもありました。

 しかし、こうしてビジネスチャンスとして捉えるのは良いですね。

 儲けが出るのは決して悪いことではありませんから。

 福祉も利益を出せれば、その分スタッフへの給与も出せるから有能なスタッフが確保出来るし、それは利用者への利益にも繋がるはず。

 今のところ起業をする予定は無いけれど自分の担当地域に社会資源を作りたい…という福祉関係者にもおすすめの本です。

 どんな社会資源を生み出したいか? というアイディアを出すための参考資料になると思います。

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