ですけ

福岡在住。 主に母についてのことを書いていきます。 モットーは心に優しく、です。

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最近の記事

母がいた-12

今日、しばらく手を付けられていなかった仕事がほんのり進んだ。諸般の事情で現在フルタイムでの勤務が難しい僕は、個人受注でデザインやイラストの仕事をやっている。似顔絵を描いたり、フライヤーを作ったり、なんかまあそういう仕事だ。そして最初に書いた通り、なかなか触れていなかった仕事を進めることができた。お待たせしているクライアントさんには大変申し訳ない限りだが、ぶっちゃけ今日の僕はもう満点なのだ。じゅうぶん。えらい。 仕事に一区切りつくと、僕はタバコが吸いたくなる。それに甘いものと

    • 母がいた-11

      僕はいま毎日飲んでいる薬がある。あるのだけど、薬の飲み方というか錠剤の出し方がなんか雑だ。1列2個の錠剤が綺麗に並べられた薬のシートの、上から順にひとつずつ出せばよいのに、3段目の右から出してみたり、5列目の左から出してみたりする。おかげで薬のシートはいつもビンゴカードのように虫食いになっている。他の人がどうかは聞いたことがないので分からないが、そういう、変に雑なところが、僕にはある。 小さいころ、僕はマイペースな子どもだった。いや、ちょっと良く言い過ぎですねこれは。それは

      • 母がいた-10

        こちらの記事でお酒について触れた話を父にしたら、母の昔話をひとつ聞かせてもらえたので、忘れないうちにここに書くことにする。 上記の記事でも触れたが、母はとにかくお酒が好きだった。それは若いころも同様だったらしく、母は短大を卒業した後、酒好きが高じてスナックで働いていた時期があったそうだ。たしかお店の名前はトランプ、だったか。 お世辞にも美人といえるタイプではなかった母は、当初スナックで働いていけるのか不安を感じていたが、持ち前の愛嬌と礼儀作法ですぐに人気のスタッフになった

        • 母がいた-9

          先週、久しぶりに会った親戚のおばちゃんからおまんじゅうをもらった。甘酒まんじゅうだった。ふかふかしっとりした皮と甘すぎないあんこのマリアージュ。最高。たしか4つくらいもらっていたのに、その日のうちに全部食べてしまった。甘酒まんじゅうおそるべし。まんじゅうって語感可愛いな。 おまんじゅうといえばというかやっぱり母の話になるのだが、母は和菓子が大好きだった。ケーキやプリンなどの洋菓子ももちろん好きだった。ただ特に和菓子をこよなく愛していた。あれは愛だった。 家族で遠出したら現

        母がいた-12

          母がいた-8

          今日、久しぶりに朝までお酒を飲んだ。一晩酷使した眼球に朝日が刺さって少し痛かった。仕事に向かう人たちや空港に向かうたちに囲まれて、朝の地下鉄に乗って帰宅。あの時の「僕はこれから眠ります。すみませんね」みたいな気分がちょっと好きだったりする。 僕はお酒が好きだ。晩酌はしないし、そんなに飲む機会は多くないけれど、お酒を飲んでいるときの難しいことを考えなくて済むあの感覚が好きだ。すぐに真っ赤になるくらい弱っちいが、二日酔いになったり吐くまで酔ったりすることはない。楽しくふわふわし

          母がいた-8

          母がいた-7

          Netflixでハリーポッターが公開されている。ハリーポッターっていつの間にか公開終了しては、またいつの間にか復活してランキングに食い込んでない?話題作り?なの?スタジオツアーとかやってるからなの? いやまあ公開されるたびにまんまとその戦略に乗せられて、1から観返しては「JKローリングすげー」と思っている僕が言うのもどうなんだ、という話ではあるのだが。 僕のハリポタ好きは母からの影響が大いに関係している。母はハリーポッターが大好きだった。それはもうマジで大好きだった。当時

          母がいた-7

          母がいた-6

          【注意】 本記事には、セクシュアリティや性に関する表現が多分に含まれます。 上記に関して抵抗のある方は本記事の閲覧をお控えください。 僕はゲイだ。あいあむげい。男性同性愛者。ムチムチ男性のえっちな画像を見ては「これはたいへんよいものだ」と心の中で指定文化財に認定しながらブックマークへ放り込み、海外のゲイカップルの素敵なデート動画を見ては「なんで俺の横には誰もいないの?」と床を転がりまわっている。情緒が安定しない。 素質というか潜在的には物心ついたころからゲイだったように思

          母がいた-6

          母がいた-5

          最近、家の近くに唐揚げ屋さんが乱立している。やれ元祖だやれ伝説だと頭に称号をくっつけた唐揚げ屋さんができている。世はまさに唐揚げ激戦時代。見かけるたびに「唐揚げだなあ」と思うのだが、僕はあまり唐揚げを食べない。 外食に行ったときやお弁当を買うときに、メニューに唐揚げがあってもあまり惹かれない。嫌いというわけではなくて、味は好きだし出てきたら喜んで食べる。ただそれは「鶏を揚げたもの」として食べていて、「唐揚げ」として食べているのとは、少し違う。 なぜそうなったかというと、母

          母がいた-5

          母がいた-4

          今日も今日とてタバコがやめられない。 風呂上りや食後のタバコが、うまい。 嫌煙家の方にはイヤな顔をされてしまいそうだが、僕は喫煙者だ。もちろん喫煙所でしか吸わないし、タバコが苦手な人といる時は極力吸わないようにしている。が、臭いが残ってたりもするんだろうな。申し訳ないな。とは思うけどやめられないのも事実なのでどうかご容赦ください。タバコが好きなので。 本格的に喫煙を始めたのは成人してから(当時付き合っていた元カレの煙を吐く姿にときめいてとかいう軽薄な理由)だったけど、初め

          母がいた-4

          母がいた-3

          先日、友人にゲーミングPCを譲ってもらい念願のsteam環境を手に入れた。10年以上Macユーザーの僕は、中学校の授業以来のWindows操作に翻弄されながら少しずつゲームを楽しんでいる。でも昔と比べてゲームできる時間が短くなったような気もする。丸一日できてたことない?ゲームって。 ゲームといえば、こんなことがあった。 小学校1,2年生くらいの冬、確か金曜ロードショーを観ていた時だったと思う。仕事帰りの母が、大きな箱を抱えていた。キャンディケーンやトナカイの描かれた包装紙だ

          母がいた-3

          母がいた-2

          今日、ケーキを買った。僕は昔からケーキが好きだ。手軽なコンビニスイーツやお菓子も好きだけど、箱に詰められて、家に帰るまでつぶれないよう丁寧に運ぶ少し特別な時間が楽しい。 母も同じくケーキが好きな人だった。同じくというより、母のケーキ好きが僕と姉にも刷り込まれている。それは母がケーキを買って帰ってきた時、いつも大切そうに冷蔵庫へおさめるのを見ていたからだと思う。そんな日の母はいつもより少し僕らに甘くて、おねだりをする絶好のタイミングだった。 好きということは、それだけ執着し

          母がいた-2

          母がいた

          母がいた。 体格が良い、というよりまんまると太っていて、何よりも食べることが好きな人だった。それと同じくらい食べさせることも好きな人で、食卓に並ぶのは大皿に山盛りのおかず。母の料理は大変おいしく、家族以外にも多くのファンがいる程の味だった。母の作る料理はいつも食べきれないほどの量が盛られ、食後のお皿にはおかずが余っていた。 毎回なぜ食べきれないほどの量を作るのか不思議に思っていたが、きっと、というより絶対、自身の夜食にしていた。そのための山盛り。はじめから余ることを前提と

          母がいた