モーツァルトのオペラ「魔笛」_2017年3月20日
また1人で、モーツァルトの「魔笛」というオペラを見てきました。
演出は勅使川原三郎さん、指揮は川瀬健太郎さん。
構成は、オペラとコンテンポラリーダンスを融合させたもので、舞台には、黒を基調とした幻想的な演出が施されていました。
舞台装置は、一貫して黒い背景に円形のオブジェがいくつか浮遊するミニマムなもので、出演者は王子タミーノを除いて、ほぼモノトーンの衣装。
タミーノ(テノール)は、元の台本に書かれているという”きらびやかな日本の 狩衣”ではなく、フードのついた赤系のウインドブレーカーのような服を着ていました。
場面に合わせた微妙なライティングによって、舞台の表情が大きく変わり、また、ミニマムな舞台装置の効果で、観客の皮膚の内側で自由にイメージが生まれたことでしょう。
音楽がとても美しく、わたしも心が浄化されましたし、ダンスの神々しさが際立つ素晴らしい演出でした。
欲を言うならば、個人的にはもっと色彩が豊かで、華やかなドレスや道具が丁寧に散りばめられた、視覚的に魅了される舞台に触れて、心から「オペラを観た!」という充足感を味わいたかった。
(前回観た「蝶々夫人」も深い色合いで、2幕通して舞台セットを変えなかった。その反動で、今わたしには直接的な華やかさを求める傾向があります)
無性に色彩が見たくなり、劇場を出ると山下公園で花畑や海を眺めてきました。
ようやく息を吹き返したような気分。
モノトーンの中にある微妙な色彩や動きから、森の瑞々しい樹々や神々のいる宮殿を鮮明にイメージできるよう、これからもわたしの感性を磨いていきます。
https://note.com/hommaayako/m/m7aa722ae8434
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