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【不登校について】問題解決のためには数よりも質。305日目



◇問題解決のためには



先日、こんなニュースを見まして、




かなりざっくりまとめると、スクールカウンセラーの設置を増やしたのに、不登校は減りませんでした!


という記事でした。


この記事を読んだ純粋な感情としては、


『何言ってるんだ?』


という呆れに近いものでした。


なぜ、スクールカウンセラー(以下、SC)の設置を増やせば、不登校は減ると考えたのか。


そもそも、SCの役割と資質を理解できているのだろうか?


という疑問もあり。


特に、今回は不登校の減少。という見出しでしたが、不登校を改善するためにどう言った事、人、環境、時間が必要なのか。という事を理解できていないなと。


まだまだ、不登校に対する見解が浅かったり、見る人によって違うんだろうな。という風に私は思っています。


これは、批判というよりは、私たちが培ってきた不登校の知見を広めていくことが重要でもあるという想いから生じた感情や考えでもあります。


ですので、今回は不登校解決のために、何が必要なのか。そもそも、不登校解決とはどういう事を言うのか?専門家としてお話させていただきます。



不登校の解決に必要な要素は、数ではなく質であるという事です。




◇不登校の“解決”とは何か



皆さんにとって不登校の解決と聞くと、どのようなイメージを持たれるでしょうか?


多くの方は、「学校に戻れるようになること」とおっしゃられるのではないでしょうか。


私も、この仕事をしていなければ、そのように思っていたでしょう。


でも、今は「学校に復帰すること」はあくまで選択肢の一つという様に考えています。


不登校における根本の解決としては、


【学校に行かないという手段だけしか使えない状況からの脱却】


という様に考えております。


「学校に行く」というストレスを対処する際に、「学校に行かない」という選択肢しか無い、もしくは選べないという状況です。


学校に行く(ストレス)

学校に行かない(対処行動)


学校に行かない事が悪いという事は決してないのですが、学校に行かない以外の選択肢をとることができずに、結局は何も解決できていない事例がとても多く存在します。



そもそもの捉え方として、不登校は“なってしまう事”ではなく、”選択して行動している″という事です。



これは心理的な話ですが、人間の行動は全てその人自身が選んで行っているのです。


顕在的なものもありますが、潜在的に行動していることもあります。


要するに、「こうしよう!」と、意識して選んで行動する場合と、無意識的に選んで行動する場合です。


不登校については後者が多いのですが。


「学校に行かない」という選択しかできない状態の子どもに、学校に行くことだけを考えて支援しようとしてもそれは進展をするわけはありません。


ですので、学校に行かないという手段しか使えずに、苦しんだり悩んでいる子どもが、他の手段を使って行動したり、気持ちが楽になれるように私たちは普段、不登校支援を行っています。


その上で、学校に行くこともありますし、学校へはいけないものの、他の手段を使って行動を起こしたり、社会とのつながりを生んでいるお子さんも居ます。


結論としては、不登校の解決は、学校に行くということだけではなく、学校に行かないという手段以外を子ども自身が使えるようになることにあります。




◇不登校の解決には“オーダーメイド”感覚が必要




これまでも、SCさんに話をすることで不登校の解決に至った事例もあるでしょう。


お話の内容や状況にもよりますが、結果論、それはSCさんと話すことがその子どもには合っていた。という事でしょう。


実際に、相談に来られた方には、SCさんと話したが発展は無かった、、というお話をよく伺います。


これはSCさんが力不足ということではなく、SCさんの役割りは、どのような状況でも学校に復帰させることではないからです。


それでも、何とか復学できるように奔走されているSCさんはとても多くいらっしゃいます。


話を戻しますが、一括りに“子ども”と言っても、一人一人違う人間です。


人によって、似あう服や、似合わない服があるように、支援方法や方針もそれぞれ子どもやご家庭の状況により大きく異なってきます。


そのためには、SCの増員の様に数をただ増やすだけではなく、客観的に事情を把握し、何をすればよいのか。どのような支援が良いのかを考えた上で、質の高い支援活動を行っていく必要があります。


私たちは、不登校に至った経緯はもちろん、現状や、その子の特性や状況を伺い、時には心理検査を用いた上で支援活動を行っています。


ですので、「とりあえずうちの子と話して下さい!」という要望にはお応えしていません。


それは、子どもが自分たちと話すことがリスクになる可能性があるからです。


人と話すことにストレスを感じる子が、カウンセラーとはいえ、いきなり知らない人と話すことはものすごく負担になります。


何なら、その後外に出たり、人と会うこと自体を嫌がってしまう可能性もあるのです。


そのリスクがある中で、相談できる人だけを増やしても、意味はありませんよね。


だからこそ、しっかり大人目線だけではなく、子ども目線になって考えたり、客観的な状況把握をしっかりした上で、質の高い支援を行ってことが重要です。


ですので、今後の不登校対応に関しては、SCさんの不登校対応にまつわる多様性を求めるだけではなく、専門機関との密な連携や、教員の方など、周囲の大人の役割分担がまずは必要だと私は思っております。


これからも、不登校対応における経験や知識は還元させていただきますので、知りたい!という方はコメントやご連絡下さいね。




本日も最後までお読みいただきありがとうございました!





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