役目を終えたパレットはどこへ行く?
こんにちは、製造部の松田です。
製造業では、荷受け・出荷のとき
ものの大きさが1mを超えてくると
ほぼほぼ必ずパレットに載せます。
パレットとは、すのこのような形状をした
ものを一体で載せやすい台みたいなもので、
フォークリフトで運びやすいように
爪を差し込める空間が開けられています。
木でできたものもあれば
プラスチックでできたものもあり、
「木パレ(もくぱれ)」や「プラパレ」
なんて略称で呼ばれたりしています。
パレットはとても機能的で長持ちするため
製造業の99%の現場でパレットが使われている
といっても過言ではありません。
しかし、ふとこんな疑問がわきます。
「送った/送られたパレットは、
毎回送り主に返却/受け取りするの?」
せっかく便利なパレットでも、
それだけ送る/送り返すとなったら
結局効率的なのか分かりません。
製造業界ではどのように運用しているのか、
最近のパレットを活用した物流手法とあわせて
ご紹介します。
一度掴んだパレットは離すな「一貫パレチゼーション」
パレットも当然、タダではありません。
1,000×1,000サイズで、2千円~4千円します。
パレットは製品などを配送するためですから、
製造において付加価値があまりつかない領域。
なのでコストカットを図りたいところであり、
自社のパレット流出を防ぐのが望ましいです。
そこで、自社が荷受けしたパレットをそのまま使い
それで製品を出荷したらプラマイ0なわけです。
入ってきたパレット(Pallet)をそのまま使う、
「一貫パレチゼーション(Palletization)」と呼ばれます。
一貫パレチゼーションはその他にもメリットがあります。
われわれ製造業での配送業務だけでなく、
配送途中の物流センターの仕分け業務でも効果を発揮します。
例えば、
積み替えの手間が省ける
乗せ下ろししないため、荷傷みの可能性を防げる
荷物サイズが確定するため積載率の計算がしやすい
などなど、
オペレーショナル・エクセレンスに繋がりやすいわけです。
一方で、デメリットとしては
荷物サイズに対してパレット面積が過大になることも
パレット主がパレットを回収することが困難に
などが挙げられます。
みんなで使えばどこかで返る「パレットプールシステム」
冒頭でも申し上げたように、
パレットもタダではありません。
せっかく高効率な配送オペレーションができても
パレット費がかさんでしまっては、
財務面で問題となってしまいます。
パレット主がパレットを回収する課題を解決できる
やり方として「パレットプールシステム」があります。
パレットをプール(共同投資)し、
複数の荷主の間で共同利用するシステム
のことです。
例えばA社を、一番上流の原材料メーカーとし、
A社 → B社 → … → Y社 → Z社
というサプライチェーンがあったとします。
先ほどの一貫パレチゼーションでは、
B社 ~ Y社が保有するパレットの数は
理論上、常に一定となり効率的です。
しかしA社はパレットを常に買う必要があり、
逆にZ社は、元をたどればA社のパレットが
ずっと山積みになってしまいます。
では、例えばA社 ~ Z社のサプライチェーンの他に、
Z社 → ①社 → ②社 → … → ⑨社 → A社
というサプライチェーンがあるとしたらどうでしょうか。
元をたどればA社から取得したパレットを、
Z社が①社への配送に使用してゆけば、
ゆくゆくはA社に戻ってくるという仕組みができます。
※あくまで超理想シナリオです
A社~Z社、①社~⑨社が共同でパレットをプールし、
荷主の間で共同利用する「パレットプールシステム」では
このようにパレット自体の効率も改善につながります。
おわりに
ここまで記事をお読みいただきありがとうございました。
製造業と接点がない方々にとっては、
どんな作業をしているのか分からない、
どんな考え方で仕事をするのか知らない
といったブラックボックスのように見えるのが
製造業の難点であると感じています。
今回は、配送業務にスポットを当て、
製造業の日々の取り組みを紹介しました。
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