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絵本で子育て

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絵本で子育て〜『ロバのおうじ』素直な心と目で見ることの大切さ

絵本で子育て〜『ロバのおうじ』素直な心と目で見ることの大切さ

先入観というものは知っていることが増えてゆくと自分の中に澱のように溜まってしまうものかもしれません。子どもたちにこの絵本を読んであげている人にこそ、この絵本は必要なのかもしれません。いつもやさしい眼差しと素直な心を持って対象をみることを忘れないでいたいものです。

王子なのにロバ? 先入観で見られること

さておはなしは、

平和な国を治めていた王と王妃がおりました。子どもがいないことがただひとつ

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絵本で子育て〜『パンはころころ』繰り返すことの意味とは

絵本で子育て〜『パンはころころ』繰り返すことの意味とは

繰り返すことで得られるのは一種の安心感なのではないでしょうか。繰り返すことで知っていることが増えてゆく。世界がはじめてだらけの子どもたちは、繰り返し少し変化し生きていきます。

歌うように読むことができる絵本

こねばちの そこ ひっかいて、
こなばこの そこ ひっかいて、
あまった こな、ふたつかみ。

そうして作ったパンが、ころころ逃げ出します。
のうさぎ、おおかみ、ひぐま、とすかし、
最後に

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絵本で子育て〜『パンやのくまさん』仕事をするとはどういうことか

絵本で子育て〜『パンやのくまさん』仕事をするとはどういうことか

パンやさんの1日が朝から夜寝むまでがとても丁寧に淡々と描かれています。その仕事ぶりは誠実・実直・礼儀正しさ。子どもたちはその言葉を知らなくてもパンやのくまさんの姿をみることで理解することでしょう。

やや小ぶりのサイズの絵本は、小学校の教室で20人の読み聞かせで読むより、図書室で数人の時に読む絵本でした。

表紙のどこか懐かしい絵のタッチは野暮ったくさえみえます。

はじめて出版されたのは1979

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絵本で子育て〜子どもの行動が不思議だな、面白いなと感じたら『もりのなか』

絵本で子育て〜子どもの行動が不思議だな、面白いなと感じたら『もりのなか』

子どもの行動を見て不思議だな、と思ったら読んでみましょう。彼らは思いの外、自由で何でも丸ごと受け止めることのできる度量を持っている、とこの絵本で知るかもしれません。空想と現実の間を自由に行き来できる特別な時間を持っているのが子どもです。

エッツの代表作ともいえるこの絵本は墨一色で描かれています。
三角帽子をかぶった男の子が森の中を歩いて行きます。

そこで次々に動物たちと出会います。
動物たちの

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絵本で子育て〜夏に読みたい『沖釣り漁師のバートダウじいさん』

絵本で子育て〜夏に読みたい『沖釣り漁師のバートダウじいさん』

主人公はおじいさんとクジラ、そして海。刻々と変わる状況に見事に対応し生還します。どんな時もユーモア持つ、楽観主義は生きるのを楽しくするコツかもしれません。さて子どもたちはどんなふうに読むのでしょう。一緒にお楽しみください。

海といえば…

海水浴
空が広いところ
その先に陸がある
深い
星がよく見えそう
大きい波
生物が棲む
底に沈むもの

想像力貧困な私の発想はこんなものですが、この絵本の作者

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絵本で子育て〜やんちゃな子の見守りかた『しりたがりやのちいさな魚のお話』

絵本で子育て〜やんちゃな子の見守りかた『しりたがりやのちいさな魚のお話』

まだ世の中(水の中)を知らない、けれど好奇心はあって「なんでも知りたい!」おはなしの主人公スイスイは子どもたちそのもの。やんちゃな子どもは、経験をつんだ大人たちに見守られ助けられ経験を積んで大きくなっていく。そんな当たり前の世界をちゃんと描いてくれている絵本です。

スゥエーデンの絵本作家エルサ・ベスコフのちょっとユニークなお話。読み終えるのに15分はかかる、かなりお話しの量がある絵本です。
日差

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絵本で子育て〜イヤだイヤだ!と言い出したら『ちいさなふるいじどうしゃ』

絵本で子育て〜イヤだイヤだ!と言い出したら『ちいさなふるいじどうしゃ』

何でもかんでも、いやだ!いやだ!と言い出したら一緒にこの絵本を読んで見ましょう。いやだ!のわけが少しわかるかも知れません。安心してずっーーーといやだ!と言い続ける子どもはいません。いやだ!の意思がどこへいく着くのか一つの答えかも知れません。

決めゼリフが好きな子どもたちぼくは いやだ! そんことは おことわりだ。まっててなんか やるもんか!」

この絵本の決め台詞とでもいいましょうか。
とにかく

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絵本で子育て〜あたりまえを表現する難しさを知る『あたまをなくしたおとこ』

絵本で子育て〜あたりまえを表現する難しさを知る『あたまをなくしたおとこ』

見えないものを言葉で説明する難しさと楽しさが存分に描かれています。あらためて自分や子どもの顔を言葉であらわしてみましょう。同じ説明を聞いても人が別々のことを想像していることがわかります。

タイトルから、あたまのない男のお話であることはわかります。読み進むうちにその奇想天外さが当たり前になっていきます。

息子は小学4年生の時に落語にはまって食事中も寝る時も聞いていました。〜ちなみに桂枝雀さんにど

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絵本で子育て〜おやすみなさいおつきさま

絵本で子育て〜おやすみなさいおつきさま

子どもと親に落ち着きを与える絵本。子どものはじめての絵本としてもおすすめです。変化は閑かにゆっくりと、子育てする時の心構えをこの絵本は教えてくれます。

1979年に日本で出版され今も版が重ねてられている絵本です。

2歳半くらいから絵本に親しむ子どもにとって、はじめての絵本にふさわしいすてきな絵本は、読む親にとっても心休まる絵本です。

“子育て”は“親育て”でもあります。

子どもを育てながら

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絵本で子育て〜わたしとあそんで

絵本で子育て〜わたしとあそんで

子育てに求められるのは、なによりも子どもをやさしく見守る眼差しです。この絵本にはそれがお日さまという形で描かれています。世界はやさしい……そんな思いを子どもと一緒に感じてください。

マリー・ホール・エッツが描いた絵本「わたしとあそんで」は、1968年に出版されて以来長い間多くの子どもたちと親に親しまれた絵本です。

この絵本から、

受け入れる、そして見守ること

を知ることができます。

さて

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絵本で子育て〜まよなかのだいどころ

絵本で子育て〜まよなかのだいどころ

子どもの考えていることがわかったら、、、子育て中はそんなふうに思うこともしばしば。この絵本を一緒に読んだなら少しはわが子の考えていることがわかるかもしれません。息子が大好きな絵本。自由奔放に振る舞える自由な世界がそこにあります。さあご一緒に!

『まよなかのだいどころ』は
『かいじゅうたちのいるところ』
『まどのそとのそのまたむこう』とともに
センダックの3部作といわれる絵本のひとつ。

共通点は

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