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ファンタスティックコント ~大自然だって心がある編~

 お久しぶりです。
 ファンタスティック。
 コントの可能性は、森羅万象をテーマにできること。
 コント作りがクセになり、困ったもんです。

~ 大自然だって心がある編 ~

① 世界一って、どんな気持ち

 富士山が海を渡り、ヒマラヤに登り始めました。
「世界一の山になるんだ」
 富士山は高山病にかかりました。
(く、くるしい)

② ヒマラヤの海水浴

「俺、一度も海で泳いだことがないんだ」
 ヒマラヤが、体の大きさに合った海をさがしていました。
 日本海溝を見つけました。
「ここなら、泳げるぞ」
 ヒマラヤは頭から飛び込みました。
 海の底に頭が引っかかって、ぬけなくなりました。
 海は遠浅になって、どこまでも潮干狩りができるようになりました。
 子供たちが、喜びました。

③ ナイル川のフラダンス

 ナイル川がフラダンスをしました。
「けっこう、できるじゃん」
 嬉しくなって、思いっきり腰を振りました。
 上流で津波が起こりました。
 津波は川を下って、海にぶつかりました。
 海に川魚が溢れかえりました。
「海は広いなあ」
 川魚はみんな喜びました。
 しばらくして、血圧が上がりました。
「塩分の取り過ぎだよな」
 川魚は川に帰りました。

④ 華厳の滝が風邪をひく

 華厳の滝がクシャミをこらえています。
「へーっ、へーっ」
 滝が逆流しました。
 鯉が滝をのぼっていきます。
「らくちん、らくちん、まるでエレベーターだ」
「くしゅん」
 華厳の滝のくしゃみ。
 鯉は、海まで吹っ飛びました。

⑤ 太陽と月は友達だ

 情熱的な太陽は月を照らし続けました。
 愛しているのです。
 月は太陽の光の中で、うさぎの絵を幸せそうに描き続けました。
 月が太陽に呼びかけました。
「太陽さん、いつもありがとう。今度、ウサギの絵の展覧会をやるのよ」
 太陽がほうっという顔をしました。
「場所はどこだい」
「地球よ。銀座の画廊でやるの。来てくださいね」
 太陽がつらそうな顔をしました。
「僕が行くと、絵が燃えちゃうよ」
 月は太陽が見えるように、月面いっぱいにウサギの絵を描いてあげました。
 太陽がフレアで、Vサインをしました。

⑥ 雨の祭り

 夜、雨がどんどん降って、盆踊りの始まりです。
 雨滴が地面ではねて、手をつないで輪になりました。
 雷が空の奥で、太鼓を叩いています。
 風が笛を吹いて、盆踊りは一晩中続きました。
 明け方に霧が出て、祭りの幕引きです。
 朝、太陽が昇り、雨滴の姿は見えなくなりました。
 強い日の光が地面をあたためて、空は晴れ渡りました。
 盆踊りは終わりました。
 夜になって、寒くなってきました。
 空が雲ってきました。
 祭りの準備が、また始まりました。


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