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私の愛はシロップと循環する

今年も梅仕事が終わった。

「今年も」なんて言って、毎年やってる風な言い方をしてみたけれど、実はここ3年ほど梅仕事には手をつけていなかった。3年前に梅酒2種類と梅シロップを作り、それぶりである。

というのも、実は前回の梅仕事で一部失敗をしてしまったのだ。梅酒はそもそもアルコールで仕込むので大丈夫だったのだが、梅シロップは梅と砂糖で作る。梅も驚くほどカビさせてしまった。それからというもの、梅酒を作ることは問題なくても、◯◯シロップを仕込むことに恐怖を抱いてしまっていた私。だって、本当に、見ていられないほど、みどり君がふわふわだったから…!

しかしわたしはその3年間の間に、実はいろんな酵素シロップ作りに成功していた。正直これだけの白砂糖を使うことにも結構な抵抗があったのだけれど、酵素シロップを作っている友人に、甜菜糖や黒糖ではなく白砂糖、グラニュー糖を使うことのメリットを教えてもらってから、罪悪感なく挑戦できるようになっていった。そして、しっかり毎日かき混ぜて、発酵度合いを観察する。あえて自分の手を使ってかき混ぜることで、自分に合った菌を育てる。(もちろんちゃんと洗ってね)そんなことを少しずつ積み重ねることで、ずっと恐怖だった梅シロップ作りにも再挑戦することができたというわけだ。

そして、何度も酵素シロップ作りを繰り返すことでわかってきたことがある。

発酵は愛の循環の中で起きる、ということ。

実際に手を加えたりするわけでなくても、今日は元気かなって気にかける。めんどくささを忘れるくらい美味しくなってねと思える。日々変化していく姿がなんとかわいいこと。

発酵に成功すると、私の愛はシロップと循環する。相互的に、私の愛と梅の持つ愛の間に、ちゃんと交換が起きる。そして発酵に失敗すると、つまりそれは腐敗と呼び、梅が渡そうとする愛に循環が起きず、(なぜなら私が放置をしてしまったり、忘れてしまったりして愛を梅に渡せていないから。)愛の持ち腐れがシロップの中で起きてしまうのだ。そして腐っていく。

3年前の私にはできなかった愛の循環が、今年の私にはできるようになった。腐敗してしまう梅と同じで、私自身も心がなんだか腐ってきたなと感じたら、それはきっと愛の循環不足なだけ。そのときは、きっと進んで発酵していくことにしよう。梅に限らずどんなものでも、循環させるための愛は持ち合わせているのだから。

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