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根気より呑気でたのしむ外国語

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英語をはじめ、外国語のもつ “おかしさ”、“たのしさ”、“おもしろさ” について、のんびり気楽に書き留めていく。雑考。
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2020年2月の記事一覧

#43. 声に出したくない言葉

#43. 声に出したくない言葉

言葉をこよなく愛するからこそ、使いたくない言葉がある。

『声に出して読みたい日本語』という名の書籍がむかし有名になったことがあるが、

逆に「声に出して言いたくない日本語」、というか「使いたくない日本語」というのが、自分の中にはたしかにある。



まず一つ目は「〜させる」という言葉。だれかに「取りに行かせる」だとか「買いに行かせる」、あるいは「 ○○ をやらせる」という風によく使われる。

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#42. 日英語、耳に心地のいいリズム

#42. 日英語、耳に心地のいいリズム

ヒトの言葉を考えるとき、音と文字なら、きっと「音」の方がより重要である。

というのも、ヒトは文字が生まれるよりもずっと前から、音だけでコミュニケーションをとってきた。

日本語は、漢字が入ってくる 4 世紀ごろまで文字を持ってはいなかったのだし、英語にしても、文字体系が入ってきたのはようやく 5 世紀になってから。世界を見れば、いまだに文字を持たない言語もたくさんあるのだ。

そういった歴史の長

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#41. コロナの渦中でぼくがクレープを食べたのは

#41. コロナの渦中でぼくがクレープを食べたのは

来る日も来る日もコロナウィルス。

この新型ウィルスに対する人々の関心があまりに高く、先日書いた「コロナウィルスと闘うビール」という記事の閲覧数が、奇妙な伸びを見せている。

ただこの記事は、端的に言えば「コロナウィルスが話題になったせいで、同じ『コロナ』を名前に含むコロナビールが風評被害を受けているんですよ」という、(言ってしまえば)どうでもいい内容なので、ウィルス対策に深刻な人が読むのにふさわ

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#40. 「英語」と「米語」の愛憎関係

#40. 「英語」と「米語」の愛憎関係

バラエティ番組を見ているとよく、「東京の人と大阪の人」や「大阪の人と京都の人」、「福岡の人と愛知(名古屋)の人」など、自分の生まれ育った地方の魅力が相手の地方に勝るものだと、争う企画が多くある。

それぞれの地方の名産品や観光名所、県民性や出身芸能人など、口論の俎上に上がる事柄はさまざまあるが、いま挙げたものの他に毎回必ずと言っていいほど話題になるのが、お互いの使う言葉の違い、すなわち地域の「方言

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#38. コロナウィルスと闘うビール

#38. コロナウィルスと闘うビール

たぶん自分たちが思っているよりもずっと、ヒトは言葉に頼って毎日生きている。

現在世界を賑わせている新型コロナウィルスが、ビール会社を動かすなんて、一体だれが予想しただろう。



新型コロナウィルスが注目を浴び始めてから数週間、コロナビール(Corona beer)とコロナウィルス(coronavirus)の関連を疑うような検索が、Google で急増したらしい。

(こちらがおなじみコロナウ

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#37. 「英語」と言っても色々あるので

#37. 「英語」と言っても色々あるので

先日ふっとこんなツイートが TL に流れてきた:

一般的に教わるような英単語だとか英語表現に対して、「ネイティヴはそんな単語つかわない」とか「もうそんな言い方いまはしない」とか「だから覚えても意味ないよ」みたいなことを言う人はたくさんいる。

もちろん、そういう人たちもただテキトーに言っているのではなく、多くの場合は、自らの留学経験だったり、英語圏における滞在経験をもとにしてそのような発言をして

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