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長編小説『凸凹バラ「ストロングリリーフ」ミシェルとランプ』

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長編小説『凸凹バラ「ストロングリリーフ」ミシェルとランプ』の連載記事です。LinkedIn(リンクトイン)とnoteで連載します。
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2023年11月の記事一覧

長編小説『凸凹バラ「ストロングリリーフ」ミシェルとランプ』51

2、修学旅行と引率者 眼鏡をかけた坊主頭の大柄な男が、 すらりとした長身の姫と再会を果た…

長編小説『凸凹バラ「ストロングリリーフ」ミシェルとランプ』50

「…姫様には、私にも心の中のすべてを 明かさないところがおありです。 頑張り過ぎ、と言えば…

長編小説『凸凹バラ「ストロングリリーフ」ミシェルとランプ』49

第4章:見せないカードを見せる時 1、煙の中の人事師範 ボジョンヌの港は、 首都ロマコンテ…

長編小説『凸凹バラ「ストロングリリーフ」ミシェルとランプ』48

マカロン商会とつながりを持つ者が、 チャンバ卿とセイン王子とともに密談を? いつ話が終わ…

長編小説『凸凹バラ「ストロングリリーフ」ミシェルとランプ』47

8、病床の密談 ロッカは、チャンバの口から出た 予想外の指示を、思わず聞き返した。 「……

長編小説『凸凹バラ「ストロングリリーフ」ミシェルとランプ』46

その後、カフィーは、本国から ローズシティ連盟に出張して、 この地の商館長となる。 本来、…

長編小説『凸凹バラ「ストロングリリーフ」ミシェルとランプ』45

7、商館長の漆黒 漆黒の液体を最後の一滴まで 陶磁器のカップに注ぎ終わり、 一人の女性がゆっくりと椅子に腰かけた。 ここは、とある都市にある 建物の地面の下、地下室だ。 彼女はまず、その芳醇な香りを楽しむ。 堪能し終わると、まず一口。 舌の上に広がる旨味と苦味を 存分に味わった。 やはり珈琲はブラックで、 しかも自分で淹れるに限るわ。 「…そろそろ、戻ってくる頃かしら?」 その口調は、遊びに出た子どもが 家に帰ってくるのを待つ 母親のようなものだ。 ただし彼女は独身

長編小説『凸凹バラ「ストロングリリーフ」ミシェルとランプ』44

「…まあ、あんなんでも、 わいの自慢の妹や。 あの揺るがない度胸と自信。 本当は、あいつが…

長編小説『凸凹バラ「ストロングリリーフ」ミシェルとランプ』43

6、ジョーカーを持つ大公 円卓に五人が座っている。 男性二人。女性三人、うち四人が王族。…

長編小説『凸凹バラ「ストロングリリーフ」ミシェルとランプ』42

「こら、兄上! 野良駱駝とは、何たる言い草や! 小さい頃に、砂漠で迷って 泣いていた兄上を…

長編小説『凸凹バラ「ストロングリリーフ」ミシェルとランプ』41

5、ミゲルとバンプ 大公シャー・ルドネ、 王子シャー・リーブルとの対面が、 無事に終わった…

長編小説連載折り返し、40回目の投稿

2023年10月10日から始めて40回目! ちょうど連載が、折り返しまで来ました。 『凸凹バラ「ス…

長編小説『凸凹バラ「ストロングリリーフ」ミシェルとランプ』40

「いや、違う。 上になんて、立たなくてもいいのさ」 そう言うとランプは立ち上がり、 広間の…

長編小説『凸凹バラ「ストロングリリーフ」ミシェルとランプ』39

4、教育係の心構え さてその頃、盟王の末子 ドグリン・ココロンは、 南にいるイナモンとは真逆の方向、 首都オルドローズから見て 真北の都市にいた。 ピノグリア大公国の首都、 ロマコンティである。 「…姫様、緊張しておいでですか?」 新しい教育係が、宮殿の手前で 馬車の中の姫に声をかけた。 結婚予定の相手先への挨拶のため、 一国の姫君が他国へと赴くのだ。 お供の数は少ないが、 格式と容儀を保って 随行する一隊が編成されていた。 いつものように馬上ともいかず、 ココロン