90年代の日本ロックシーンを辿る旅ver.5 / 70年代の原型の再構築その2、70年代ロック系統 / イエローモンキー、斉藤和義、ブランキー・ジェット・シティー

70年代ロックが入り口だった世代

70年代のロックについて語るならば、端的に言うと、この時代は、60年代の混沌から抜け出して、あるものは、、よりその地域に根差した土着の音に、あるものはより大衆的にスタイリッシュに、、というように、ロックという音楽の細分化が始まっていた時代でもあります。

日本では大概、中学や高校のころにロックという音楽と出会うと思います。そうすると、90年代に20代を迎えるならば70年代あたりの音楽が入り口になります。

その時の入り口となったのが、どういった音楽性を持った歌手やバンドだったかで、その後の趣味や興味が大きく変わってきます。

その入り口は、3つに分けられます。たとえば、、以下の通り。。

1)ブルーズからの影響をうけた群

この群はさらに2つにわかれまして、

①一方は、エアロスミスやクイーン、チープトリックといったスタイリッシュでわかりやすいバンド

②もう一方は、より土着的(ブルーズ的)なレッド・ツェッペリンのようなバンド

Led Zeppelin- Celebration Day

2)クラシックや英国音楽の影響を受けた群

これは、英国の哀愁を兼ね備えたディープパープルだったり、混とんとした重さを持ったブラックサバスだったり、複雑怪奇な構成のプログレだったり。

3)ニューウェーブ系列にあった群

パンク由来のガレージロックや、グラムロックの群ですね。デイヴィッド・ボウイとか、20世紀少年のTレックスとか、Damnedとか。。

ただ、、、まあ、いわゆる中学高校のロック好きにとっては、ここにクラプトンやボブ・ディラン、南部のブルーズロック系なども交えて、大きな括りでロックンロールという意識だったとは思いますが。。

90年代に日本で沸き起こった硬派なロックのムーブメント

日本もアメリカも、世界的に80年代という時代は、70年代の音をさらに大衆化させた音楽が流行していた時代でした。

ロック(メタル)もポップもテクノもニューウェーブといった大きなくくりで、語られていた時代だったように思います。

80年代の音の特徴は、キーボード主体で、音の隙間をキーボードが埋めて、華やかなきらびやかなスタイル。

このきらびやかさへのアンチテーゼとなったのが、重さを身にまとったメタリカや、怒りを体現したニルヴァーナで、、90年代前半に突如現れたこの動きが、世界の音を、より70年代風に、つまり、ソリッド(硬派)な方向に転換させました。

Nirvana - Lithium

革ジャン、サングラス、ロングヘアー(もじゃもじゃの長髪)、ワイルドな風貌、いかつい風貌、アコースティックギターでの弾き語りもするし激しいギターや演奏も好み、かつ、(日本特有な要素でいうと)純粋なラブソングを歌い上げるという。。。

そう、まさに70年代の硬派なロックを原型とした硬派なバンドたちが90年代の日本に突如出現することになりました。

(90年代に20代を迎えた彼らにとって、10代のころには70年代は近い昔。。手が届く昔だったんですね。結果的に、その名残を90年代に復活させたのですね)

では、そんなバンドたちを紹介します。

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