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note2年目! / レコードジャケット博覧会シリーズvol.12 / ジャズ編(1)

さて、数多く聞いてきた音楽の中でも、これぞ!!というジャケットにたくさん出会いました。そんな記憶に残って、LPがあるならLPで持っていたくなるような、そんなジャケットを何回かに分けてご紹介してみます。

今回はジャズ編です。何回かに分けて更新していきます。ジャズ好きの皆さん、ご感想をいただけますと幸いです!

Bill Evans「Waltz For Debby」

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もっとも有名なジャズのジャケットですかねこれは。デビーのためのワルツ。ライブ録音で、グラスの音などが聞こえる贅沢な空間。この音は周波数帯域の広いLPで堪能していただきたいです。

Bill Evans 「The Paris Concert -Edition One」

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ビル・エヴァンス晩年のパリコンサートのジャケットはモノクローム。かつてマイルスとの一期一会のセッションを水墨画に例えた彼らしい、印象的な1枚。

Bill Evans 「The Paris Concert -Edition Two」

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おそらく通常は、やさしげな緑を街ゆく人に投げかけ、癒しの景観となっているであろうこの場所も、モノクロームにすると、なぜか力強い生面の息吹を感じます。

Colin Steele Quartet 「Joni」

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画の切り取り方が秀逸。向こうからこちらに何かが流れてくるような。または向こうへ流れていくような。。爽やかな水彩画のような空模様は、どことなくはっきりとした意思をもっているかのよう。

Richard Bona「Munia - The Tale」

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アフリカ大陸出身のベーシストのジャケットは、アフリカと聞けば想像するあの真夏の暑さとは対極の涼しさに溢れております。

Steve Kuhn Trio「Plays Standards」

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女性の腰掛る石畳の角度の切り取り方。女性の背の傾き。そしてそこから解放されていくかのような鳥の羽ばたき。重厚なムードのジャケット。何かが起きる予感がする。

Miles Davis 「Bitches Brew」

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原子の風景。地球誕生の原子の風景に、現世の風景を重ね合わせたかのような。幻想的な風景が広がり想像力を喚起する。

Oscar Peterson 「Plays the Cole Porter Song Book」

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こんなにカラフルな雨模様があったら、雨の日も楽しく過ごせそうですよね。やはり、色というのはマインドに占める割合が大きいのですね。

色について書いていたら、とあるエピソードを思い出しました。

余談ですが、

昭和のオリンピック。前日の雨がスモッグを洗い流し、これ以上ないくらいの快晴の空模様に、色とりどりの各国の選手団の公式ユニフォームの行進が続く。日本選手団は真っ赤なジャケットで入場。空の青と、ジャケットの赤が絶妙なコントラストを醸し出していて、戦後は遠くなった、平和が恒久になったと思われたようです。(当時スタンド観戦の作家曰く)

この同じ作家は、このわずか数十年前の同じ場所の風景を残しています。

そう、それは、戦局が悪化する中での学徒出陣。出陣式は同じ場所、国立競技場で執り行われました。折からの雨で、あたりはぼんやりとにじみ、学生たちは真っ黒の学生服。スタンドにいる面々も政府をはじめ皆、黒を基調としたいでたち。この作家は、この状況をこんな風に書き残しています。(NHKの番組より。記憶なので多少違うかもしれません)

希望が失われた時代に、真っ先に失われるのは色であった。学徒出陣の国立競技場はすべてがモノクロに染まっていて、笑顔もなく、時折の号令以外は沈黙の時間がただただ過ぎていく。

翻って、昭和30年代のオリンピックの国立競技場。同じ場所、同じ国とは思えない。・・・

そんな数十年で体制も世の中も、考え方もすべて変わってしまう人間世界の儚さを感じるエピソードです。

Berndt Egerbladh Trio 「Mousse Au Chocolat」

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チョコレートクリームの意のジャケットは、チョコレートクリーム色に染め上げられておりました。このセピア色の後姿から、様々なストーリーが浮かんできます。そのヒントはこのCDの中にあります。

Miles Davis 「Ascenseur Pour L'echafaud」

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ジャンヌ・モローの表情とパープル基調の色合いがすべてを決めたジャケットの傑作中の傑作。

John Coltrane 「Stellar Regions」

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原題、輝かしい場所、輝かしい地域、、、彼にとってはそれは見上げた先にあったに違いない。

Nat King Cole and His Trio 「After Midnight」

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ジャケットを見るだけで、気持ちが高揚し、なにか幸せなことがある予感がする、、、そう、それは真夜中過ぎに。


というわけで、ジャズのジャケットを集めてみました。いかがでしたでしょうか?では次回もご期待ください!!

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