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自身への問いかけのように見える作品 ~「Flowers For Algernon」氷室京介

彼のソロキャリアの中で、最も彼らしい作品と言えるだろう。

BOØWYの残像を思い起こす人が多かったであろう80年代後半、彼はこの道を示したのだ。

Angel、Roxy、Shadow Boxerらのハイウェイを疾走するようなPOP感、Love&Game、TASTE OF MONEYらのロックンロール、Strangerの重厚な近未来感、そしてキャリアの中でも代表的なバラードALISON

どれもが印象的であるが、特にこの2曲をあげてみたい。

Dear Algernonは同名小説をモチーフとしている。彼が語り掛けるアルジャーノンとは、勝手な想像ではあるが、彼自身だったと言えるかもしれない。「優しさには出会えたかい」という問いかけから察するに。

独りファシズムは、泉谷しげるの作詞によるもの。これから独り、自分の意志で歩んで行こうとするその様を描いたようにも見せる。この曲はどこか内省的でもあり、やはり自分への問いかけのようにも見えなくない。

いつの時代も、若者は何か見えないものとの葛藤を抱えているのかもしれない。

あの頃、彼に心酔した若者たちは、未だにあの名残をどこかに引きずったまま、ざらついた気持ちを抱えたまま、現代社会を歩んでいる。


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