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70年代の原型の再構築 〜 日本の音楽シーンを辿る旅

70年代の原型の再構築その1


日本の音楽シーンを辿る旅、今回は、70年代の原型の再構築についてです。

90年代に特筆すべき動きがあったのを思い出しました。それが過去の原型の再構築といえるようなムーブメントです。

過去の原型とは、60年代70年代の音楽シーンのこと。この時期、ロックとは別の、もう一つの潮流がありました。

それは、ボブ・ディラン、サイモン&ガーファンクル、ニール・ヤング、ジョニ・ミッチェルらに代表される音楽。どちらかというとこの時期の彼らは、フォークに近いような音を奏でていました。ロックというよりは、アコースティック色が強かったですね。

60年代の安保闘争盛んな中、この音楽が日本に直輸入されました。これが学生運動と結びついていくことになります。日本では、岡林信康、井上陽水、吉田拓郎、かぐや姫、河島英五、さだまさし(グレープ)もこの流れでしょうか。泉谷しげるとか、デビュー同時の長渕剛やチャゲアスとかもそうかもしれません。

一部のフォークシンガーと、あの時代の闘争が結び付くのは、これらの音楽が直輸入された時期と関係があるような気がします。

この70年代の動きが、80年代の音楽の大衆化(日本では、アイドルやタレント歌手のブーム、明るいロックのブーム)を経て、90年代に再構築されたんです。

それは90年代から00年代に急に、増えた男性二人組のグループたち。いわゆるデュオというやつですね。

そのあたりを辿ってみます。

ソロアーチストから始まった

この流れは80年代~90年代前半のソロアーチスト群からの流れですね。彼らは、自分たちの歌に何らかのメッセージ性をこめていました。

それは時に、政治や、大きな存在への不満のようなものもあったでしょうが、最も大きかったのは、自己の内面への叫びと、その吐露ではなかったでしょうか。

代表的な方は

尾崎豊

「アイラブユー」が大きな人気になっているのもこの点が大きい。

「今だけは悲しい歌 聞きたくないよ(歌詞一部引用)」です。悲しい時には悲しい歌は聞きたくない。。。そして、次いで、思い出に突入していく。

ロックが持っている屈強なイメージ、高らかな愛の叫びとはまた別の自己表現の仕方、、、つまり、内面を掘り下げています。


80年代のきらびやかな熱狂的な時代の中で、そういった音楽を奏でていた方々がいました。そして、それは熱狂的な人気を博し、多くの、同じような感情を抱えたファンが集っていくことになりました。

男性フォークデュオの登場

そして、70年代フォークと、ソロアーチストの精神性を受け継いだと思われるフォークデュオが90年代以降に多数出現します。

ゆず、コブクロ、くるり、19、スキマスイッチ、キマグレン、レミオロメン、野狐禅、(70年代は3人組が多かったんですけどね。。。かぐや姫(南こうせつ)、アリス(谷村新司、堀内孝雄)、海援隊(武田鉄矢))

ただ、このグループたちの、ともすればロックでもあり、ポップでもあり、フォークでもあるというスタイルは、関連するジャンルの幅広さと相まって、ファンを多数獲得し大きなムーブメントになりました。

歌詞にこめられたメッセージ性もその根底にあるのでしょう。

まさに、70年代の原型がここにきて、再構築されることになります。

いくつか楽曲を紹介してみます

ゆず

大学時代横浜に住んでいて、関内の深夜映画館に行っておりました。その帰り道の事。松坂屋?高島屋?があのあたりにあり、その前に人だかりができていました。何だろうと思って覗いてみると、男性二人組がギター抱えて歌っていたんです。
その時は、しばらく立ち見をしていただけだったんですが、その数か月後、ゆずというグループが出現し、横浜のいたるところでチラシなどを目にするようになり、、、、経歴を見てみると、路上ライブをたくさんしていて、あの松坂屋の前でもかなりの頻度で路上ライブをしていたらしい。。。

もしかすると、、、、、。


コブクロ

このグループはこの曲でしょう。永遠の名曲


くるり

なんといっても、世代が一緒なので、彼らの感じ方にはとても共感できる部分があります。やはり「東京」でしょうか。僕も上京組ですので。。あいかわらずわけのわからない事書いてます 笑。


レミオロメン


3月9日という具体的な日付をタイトルにした段階で成功ですね。粉雪はミスチル桜井さんの言葉を借りると、タイトルと印象が違う絶唱に心を打たれる名曲です。


野狐禅


これはこの系譜とはちょっと違う気もしますが、尾崎豊系列や、フォークの精神性をものすごく純粋に受け継いでいるような気がします。00年代ですが、今回取り上げてみます。


ならば友よ、、、この楽曲もまた、友とは何かを考えさせてくれる一曲

というわけで男性デュオの紹介でした。


こう見ると、やはり振り子の法則で、ある一方に振りきれたものは、しばらくの時間をおいてまた違う一方に振り切れていく、、ということがあるんですよね。


フォークというジャンルを見てもそれがよくわかります。

60・70年代アメリカ→60・70年代の日本へ輸入


80年代は世界的にこの手の音楽は谷間の時期
90年代以降、日本ではこの記事のとおり、米国でもカントリーが復活してました。

さて、次回は、このフォークとも関係しますが、これに、よりロック色を強めた音楽、、70年代ロックの原型の再構築を行った面々を取り上げます。

主にイエローモンキーを主軸に語りますが、ミッシェルガンエレファント、山崎まさよし、斉藤和義らも併せて語っていこうと思います。

そして最後は、70年代のプログレ、ロック、フォーク、これに90年代以降のデジタルなどをうまい具合に取り入れて、もはや唯一無二の境地に達している椎名林檎について語ります。

ご期待ください!

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