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探し続けるひとたち

今日沖担当の方々と、この前の暴風でいかだから外れて逃げ出した浮き樽4本を追って"矢の浦"という場所の砂浜付近に行ったら、木の棒を持って砂浜をサクサクしてるおじいちゃんがいました。

気さくなおじいちゃんで、「津波で流れた親方の骨さ、探してるんだー。こうやって探してるから今まででよったり見っけたけど、おらいのはまだ。いろんな浜をこうやって探してるんだー。横田から来てんだけどさ、海の人さに変な目で見られるかと思って」

(津波で流された兄貴の骨を探してる。こうやって探してるから、今まで4人は見つけたんだけど、うちの兄貴はまだ。いろんな海をこうやって探してるんだ。横田町から来てるんだけど、海の人に変な目で見られるかと思って)的なことを言ってました。

4人でその話を聞いたときに、「すごいですねー」「見つかった人たちは喜んでたと思います」みたいなことしか言えなかった。
ほかになんて言ったらよかったんだろうか。

80歳のおじいちゃんが、何年もこうやって浅瀬の場所をたくさん歩いて、自分の家族を探している。
いままでの姿を想像するだけで、なんだか涙が出てくる。

見つけてもらえた4人の遺骨の遺族たちは、きっとこのおじいちゃんにものすごく感謝したと思う。
でも、おじいちゃんの望みである家族はまだ見つからない。
来月になったら、大震災から8年経つ。

おじいちゃんと話をして、少し経ってから「行方不明になったまま遺骨が帰ってこない家族にとっては、何年何十年、何百年って経っても、ここは"被災地"のままなんだよな」と、ひとりが話していた。

町が少しずつ復旧して、目に見えるものは段々と整ってきたけど、行方不明者の遺族たちにとっては時間はとまったまま。目に見えない部分に、ほんとは寄り添っていかないといけないのかもしれない。
いつの日か、見つかっていない方々が家族のもとに帰れることをお祈りしています。

おじいちゃんのことを思い出してなんだか急に泣けてきたから、今日はここまで。


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