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木下龍也と岡野大嗣の出会い 木下龍也
夜、ぼくらの出会いについて書こうとすると、ただ、まぶしかったとしか言いようのない光景がまぶたの裏に浮かぶ。川沿いのさくらの木の下に座って、ぼくらは何かを話した。2012年、大阪の春だ。岡野さんに誘われて、とある劇団のイベントに短歌の朗読で出演することになっていた。その前日だったと思う。大阪にいる短歌のひとたちとお花見をした。はじめて出会うふたりにしては踏み込んだ話をしたような気もする。岡野さんの
もっとみる「詩」というもの/谷川俊太郎
僕が小学校に行ってた頃ね、日本は戦争してたでしょ、戦地の兵隊さんに手紙を書きましょうなんて宿題が出るわけ、僕は何書いていいかわからないんだ、母にそう言うと、自分のことを書けばいいのよと言われる、そこでまた困っちゃうんだ、自分のことって何書けばいいのって言うと、遊んだことでも、勉強したことでもなんでもいいのよと母は言う、そうすると頭に浮かぶのは、朝起きて顔を洗って朝ごはんを食べてみたいなこと、子供
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