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高井宏章 雑文帳

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徒然なるままに。案外、ええ事書いてます
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2018年8月の記事一覧

「エスプリ」でしか描けない北朝鮮の「顔」

「エスプリ」でしか描けない北朝鮮の「顔」

独選「大人の必読マンガ」案内(2)
ギィ・ドゥリール 『マンガ平壌 あるアニメーターの北朝鮮出張記』
「人生は、クローズアップで見れば悲劇だが、ロングショットで見れば喜劇だ」――チャップリン

ギィ・ドゥリールの『マンガ平壌 あるアニメーターの北朝鮮出張記』は独裁国家・北朝鮮の日常の悲喜劇を活写するコミックルポルタージュの傑作だ。

(残念ながら、Amazonでは絶賛売り切れ中…)

フランス語

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オウム「大量刑死」と時代の終わりの「空気」

オウム「大量刑死」と時代の終わりの「空気」

独選「大人の必読マンガ」案内(1)
関川夏央原作・谷口ジロー作画『『坊っちゃん』の時代』

オウム「大量刑死」と時代の終わりの「空気」7月6日、麻原彰晃こと松本智津夫を含む一連のオウム事件に関与した7人の死刑が執行され、同26日にはさらに6人が処刑された。ニュースを耳にして私の脳裏をよぎったのは、「大逆事件」だった。無論、凄惨なテロ事件と「主義者」一掃を狙ったフレームアップ(でっち上げ)はまったく

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医者に「あしらわれる」リスクと、娘を救ってくれたお医者さんの話

医者に「あしらわれる」リスクと、娘を救ってくれたお医者さんの話

昨夜、寝る前にツイッターのタイムラインに流れてきたある投稿を見てから、ある記憶が鮮明によみがえって、心がざわついている。
投稿はこちら。個人批判する気はないのでアカウントは塗りつぶした。

投稿者は医師なのだろう。5000リツイートを超え、コメントの反応は「美談」ととらえるものと、医師の怠慢を批判するものが入り混じる。

私の心をざわつかせているのは、「あしらう」という動詞だ。
「あしらって帰そう

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