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高井宏章
2021年2月20日 08:49
「一番のお気に入りの手塚作品はどれか」マンガ好きならこんな話題で盛り上がったことがあるだろう。『ブラック・ジャック』『火の鳥』『ブッダ』『どろろ』『奇子』『三つ目がとおる』『シュマリ』『ばるぼら』『アドルフに告ぐ』――。今、本棚に並んでいる作品をざっと挙げただけでも、どれを選ぶか迷う。短編集や『人間ども集まれ!』といった異色作も捨てがたい。少し上の世代なら、『鉄腕アトム』や『ジャングル
2021年2月5日 11:55
2018年夏に当コラムを始めたとき、「いつか必ず書こう」と決めた作品がいくつかあった。その筆頭格が、藤子不二雄Ⓐの『まんが道』だ。漫画家のバイブル私の手元にあるのは2012~13年にかけて刊行された全10巻の「決定版」だ。小畑健、ハロルド作石、江口寿史、あらゐけいいち、島本和彦、秋本治、荒木飛呂彦……。帯や文末の寄稿文に並ぶ漫画家の名前を見るだけで、この作品の偉大さが分かる。どの言葉
2019年10月29日 21:21
独選「大人の必読マンガ」案内 (16)岩明均『寄生獣』16歳の少女の “How dare you”という火を吹くような糾弾が世界の注目を集めたかと思えば、日本では国会議員の公党党首が世界的な人口増について、「あほみたいに子供を産む民族はとりあえず虐殺しよう」と公言して騒動を起こしている。後者の暴言は論外として、環境問題が取りざたされると再読したくなる漫画が、岩明均の『寄生獣』(講談社)だ。
2019年5月11日 08:12
高井家流マンガ「R指定」システム高井家には、今年の4月から大学1年、高校1年、中学1年になった3~4歳間隔の三姉妹がおります。この3人、特に下の2人は小さいころ、「早く5年生になりたい!」と高学年になるのを心待ちにしていました。なぜなら、小学5年生から『HUNTER×HUNTER』(冨樫義博、集英社)が読めるようになるからです。特に「最後尾」の三女は、父と姉たちが「メチャメチャ面白い!」と盛り