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竜宮城は硫黄の香りがしました ~那智勝浦温泉~

海の向こうのホテルに送迎してくれるのは大きな亀

温泉は太平洋を間近に望む洞窟風呂

朝に水平線から昇るだるま朝日を拝んだ後は、
千円以下の値段でマグロを食べ比べ

そんなまるで竜宮城みたいな浮世離れした場所が、現代日本にあるわけ……

あるんです

というわけで今回は、現代の竜宮城こと和歌山県那智勝浦町で出会った素敵な温泉や食べ物、スポットなどをご紹介しますね!


◆竜宮城へはイルカの背に乗って


特急くろしお(オーシャンアロー型)

紀伊半島のほぼ南端にある那智勝浦町へのアクセスは、関西圏からならJR特急くろしおが便利です!

今回乗車したのは「オーシャンアロー型」と呼ばれるパノラマビューが楽しめるタイプ。そのフォルムは海からやってきたイルカ
早速イルカに乗って、竜宮城の街を目指します!

なお途中の列車乗車記については別に公開していますので、よければこちらもお楽しみください!貴重な前面展望席の体験記です!!


紀伊勝浦駅
紀伊勝浦駅

19時過ぎ、電車は予定通り紀伊勝浦駅に到着。
今夜は町内にある民宿「別館こいで」さんで1泊です。

民宿「別館こいで」

なんとこちらはセルフチェックイン&キーレス
事前にネット予約したうえで、入口にあるタブレットを操作すればチェックイン・チェックアウトが可能という非対面形式のお宿!

事前にメールで送られてくるチェックインコードがあれば、鍵いらずで客室の出入りができます。
和風の引き戸と、そこに取りつけられたデジタルなテンキーのギャップが面白く、お部屋もすごく快適でした!
また有人での対応が必要の際は、近隣の民宿「亀の井」さんの建物に行けば対応してもらえるので安心です。

◆だるま朝日を拝む


翌朝は日の出を見ようと早起きし、海の方へと向かいます。

弁天島とお蛇浦の辺りに行けば朝日を拝めるとアタリをつけて、夜明け前の人気のない港町を歩きます。

この辺りは「南紀熊野ジオパーク」と呼ばれる地域で、プレートの浮き沈みが生み出した独特の自然景観を楽しむことができます。

海岸に出ると、早速異国情緒あふれる景観がお出迎え。

ゴツゴツした岩場の上で東の空を見ていると、水平線にジジッ…と線香のような明かりが。

綺麗なだるま朝日を拝めました!
朝日はゆっくり水平線を離れ、まるで空に線香花火が落っこちていくように、日が昇っていきました。

◆足湯と朝マグロ


港にある足湯「海の湯」

朝日を眺めた後、市場で朝食を食べようと港に戻ります。
市場の開場するまでの間、港にある足湯で歩き疲れた足をゆっくり癒します。

こちらの足湯はなんと「手湯」もある豪華仕様!
朝の散歩途中に立ち寄られた地元の方々と一緒に、じっくり手と足を癒します。

先に足湯から上がられた女性の方がスマホを置いていかれて、私が慌ててそれを知らせる一幕もありつつも、朝日や鳩やトンビを眺めながらポカポカした朝の時間を過ごしました。

勝浦漁港「にぎわい市場」

市場の開場時間になったので、朝食を食べられるお店を探します。
食べようと決めていたのは那智勝浦町の名物であるマグロ

さてどこのお店がいいかなと市場の中を歩いていると……

「「あっ!!」」

市場ごはん「しげ」さんのカウンターにおられた女性店主と目が合い、お互いにびっくりしました。

なんとさっき同じ足湯につかっていた、件のスマホの女性だったのです!
なんという偶然(笑)

これも何かのご縁とそのままお店に寄り、「キハダ・ビンチョウ 生マグロ二種盛り定食」を注文し、定食を受け取って外のテラス席へ。

朝の陽光と空気が気持ちいい!

定食は850円とお手頃価格!

奥がキハダ、手前がビンチョウ

ビンチョウは短冊みたいでザクザクした歯ごたえ。
あっさり甘く、海のスイカというところ。

ビンチョウマグロ

キハダの切り落としは脂がのって、他の食べ物を口に含んだ後も、ずっとその甘みが残っていました。

キハダ

普段、回転ずしで何となく把握している「キハダ」や「ビンチョウ」。
食べ比べてみると同じマグロでこんなにも違うんだなと勉強になるとともに、本当に美味しい一品でした。

◆ホテル浦島の洞窟温泉


港から対岸のホテル浦島を望む

絶品の朝食を堪能した後、那智勝浦町に立ち寄った理由の一つである「ホテル浦島」さんに向かいます。

港とホテルのある半島部分は地続きになっていますが、地形的なせいなのか、自家用車で直接宿に乗りつけることは不可能になっています。

ではどうやって対岸のホテルに向かうかというと……

こちらの亀に乗ってむかいます!!
港とホテルを行き来している送迎船で、運賃は無料。

亀の船に乗り、海を渡ってホテルへ。
気分は完全に浦島太郎です。

ものの数分でホテルへ到着。
中に入ると出迎えてくれたのは硫黄の香り

このホテルの名物。
それは自然の地形を利用した洞窟温泉
しかも温泉は硫黄分の濃い源泉をかけ流しというワイルドっぷり

ちなみにホテルの宿泊客でなくても、入浴料金を払えば誰でも洞窟温泉を楽しむことができます。

http://www.hotelurashima.co.jp/

私も洞窟温泉を巡りましたが、気持ちよかった……

目の前に打ち寄せる太平洋の波。
頭上を見上げると岩々が剝き出しの洞窟の天井。
常に洞窟内に反響する波音を聞きながら眺める、ジオパークの景観。

そして湯船の底が見えなくらい濃い乳白色の硫黄の温泉。
全く見えなくて、うっかり湯船に足を入れたら、縁に強かに打ちつけられた私のスネ――

まじで痛かったです

みなさんも入浴の際には足もとに充分注意しましょう。

◆特急南紀に乗って四日市へ


芯から温まった体でホテルを出た後は、紀伊勝浦駅へ戻ります。

ちなみに今回の旅の主な目的は、この駅から発着する特急南紀に乗ること。
ただこの街で味わったマグロも、拝んだだるま朝日も、浸かった洞窟温泉も本当に素晴らしく、立ち寄ったのがこの土地でよかったなと心の底から思いました。

さて、ホームに立っていると特急南紀がやってきました。
使用車両は旧型のキハ85系。(※この二ヶ月後にキハ85系は引退)

うーん、古い列車好きにはたまらん車両です……

ホームに響きわたるディーゼルエンジンの重低音――
鼻を刺激するディーゼルの匂い――
そして、硫黄の香り――

ちげぇ、これ私の体から匂ってるわ
私は全身からワイルドな硫黄の香りを発しながら、ハードボイルドな面構えの列車に乗りこみ、紀伊勝浦駅を離れました。

ここから四日市までの旅も、noteで公開しておりますので、よかったらこちらもお楽しみください! 前面展望席とオーシャンビュー、気持ちよかったです!!

◆四日市あすなろう鉄道


特急南紀での旅を終え、三重県四日市駅へと降り立たった私。

四日市駅

時刻は夕方。
オレンジに染まりはじめる街に涼しい風が吹き抜け、硫黄の香りを私の鼻に届けてくれます。
だからついてくんなって。これもう服にまでこびりついてますね

とにかく、ここから最後の目的地に向かって歩きはじめることにします。

ちなみにこちらは近鉄四日市駅。

JRと近鉄の駅の発展ぶりの違いは有名ですが、JRから近鉄に向かって大通りをまっすぐ進むにつれて、段々と沿道の建物が高くなっていく様は、まるで人類の進化の絵でも眺めているようでした。

さてそんな人類の進化通りを進んだ先にあるのが、四日市あすなろう鉄道の「あすなろう四日市駅」

ここの電車はナローゲージと呼ばれる幅が狭い線路を走る全国的にも珍しい鉄道で、一度立ち寄ってみたかったんですよね。

(↓動画もあります)

模型のような鉄道に乗ってさっと往復した後、再びJR四日市駅へ。
そこから鉄道を乗り継いで帰路へとつきました。

ちなみに洞窟温泉の効能は素晴らしく、家に着くまで体のぽっかぽかがずっととれませんでした!

そして服についた硫黄の香りもとれませんでした。

他の服と一緒にうっかり洗濯機にかけたら家中の服に香りがうつってほぼ全滅。数日間、温泉の匂いを漂わせながら日常生活を送ったのは、また別のお話(笑)

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ここまで読んでいただきありがとうございました。
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