Hiroshi Hatano

成長と変化のためにいつまでもチャレンジ。投資銀行、コンサルファーム、総合商社などで25…

Hiroshi Hatano

成長と変化のためにいつまでもチャレンジ。投資銀行、コンサルファーム、総合商社などで25年間勤務。その後大学講師として10年間、国際経営とマーケティングを担当。米国経営学修士(MBA)。ウォーキングとサイクリングが趣味。

マガジン

  • 朝のひと時

    大学生に向けて通学時間を使って考えてみてほしいことをまとめました。一般のひととの朝の会話から気づいたことです。参考になりますように。

  • 東京の暮らし

    東京で暮らしについて教育、家族、生活一般、エンターテインメントを取りあげます。対価に見合った価値を与えているか。大学生に向けて書いています。

  • 書くためのヒント

    2019年より書く練習をはじめた。時間管理の難しさを痛感。構想をしてから書く(タイピング)工程についてつづっています。

  • ファイナンスと経済の落とし穴

    経済学部に所属する大学生向けに書いています。金融や経済で気づいたことです。 抑制と均衡(Check and Balance)とは権力が特定部門に集中するのをさけ各部門間相互の均衡をはかること。抑制を効かせなかったり不均衡がいかに恐ろしい結果をもたらすのか。歴史上においても幾多にも指摘され経済・社会だけでなく個人の生活にも悪影響が及びます。ただそのような事象をじっくりと観察し日頃から気を付けることで回避ができます。このマガジンは主に大学生と社会人になってまだ日の浅い2・3年の方に向けて書いています。なにかしらの参考になりますように。

  • 科学と技術の暴走

    科学と技術の発展が必ずしもよい方向には向かわない。工学部の学生に向けて注意喚起の文章です。 抑制と均衡(Check and Balance)とは権力が特定部門に集中するのをさけ各部門間相互の均衡をはかること。抑制を効かせなかったり不均衡がいかに恐ろしい結果をもたらすのか。歴史上においても幾多にも指摘され経済・社会だけでなく個人の生活にも悪影響が及びます。ただそのような事象をじっくりと観察し日頃から気を付けることで回避ができます。このマガジンは主に大学生と社会人になってまだ日の浅い2・3年の方に向けて書いています。なにかしらの参考になりますように。

記事一覧

神経症は予知できないのか

30年前の今頃わたしは失意のどん底にいた。場所は渋谷にある日本コカ・コーラ渋谷オフィスだった。そこで勤務をしはじめて2年が過ぎた。新しい部門であるリサーチ・チー…

3

誰もがプロンプト・エンジニアになるわけではない

2022年11月にOpenAIがChatGPTを発表。そのバージョン4は月額20ドルで使えた。下位バージョンの3は無料開放。さてその用途は何か。わたしは25歳からコンピュー…

4

心の不調を軽く見ないように

40歳手前だった。どうにもこうにもやる気が起きない。ずっとゴロゴロと寝ていても疲れがとれない。気分が滅入ったままだ。しかしこれが2、3週間も続くとなるとちょっと…

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スマホとSNSの危険

2000年代といえば何を記憶しているだろうか。大学生の読者の皆さんはまだ生まれていない。30歳になった人でも6歳くらいであった。この年代はインターネットで大きな…

Hiroshi Hatano
2週間前
3

働くなくてよいと人はどうなるか

14年くらい前の事である。どうにもこうにも働くのが苦痛で仕方なくなった。苦痛だけではない。仕事の中で何かしら挑戦するものがない。そうなると仕事をしていても退屈な…

Hiroshi Hatano
2週間前
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英語雑誌の理解にChatGPTを使わない

2022年11月にOpenAIがChatGPTを発表した。一般の人にも一部無料開放。瞬く間に登録者が増えた。今では登録をしなくても使える。あれから1年半近くが過ぎた。この大…

Hiroshi Hatano
2週間前
4

DEI推進の懸念

40年以上前に大学に入学した。その大学はいまでも外国人の多い大学として知られている。東京が所在地ではないが200万人の政令都市として知られる名古屋。そこにカソリ…

Hiroshi Hatano
2週間前
4

能登半島支援へのお礼

能登半島地震から100日が経った。地震からの復旧には時間がかかる。応援も必要だ。 ニューヨークにいる日本人有志の集まり。わたしはここをたまたまfacebookで検索して…

Hiroshi Hatano
3週間前

頑張る移民労働者

昨日、「コンビニで働く移民が経済を支える」という題で文章を書いた。まだ頭の中であの文章でよかったのかなという余韻がある。経済を支えるのはちょっと難しいだろうとい…

Hiroshi Hatano
3週間前
1

ゴジラには存在意義があるのか

子供の頃に最初に映画館で見た映画。それはゴジラ映画だった。たしか小学生だった。古ぼけた劇場には当時子供たちにだけ公開されていた。ゴジラ映画が午後にだけ上映されて…

Hiroshi Hatano
3週間前
1

コンビニで働く移民で経済を支える

2011年から首都圏の大学で国際経営を教えた。その授業に参加してくる大学生は神奈川県に住む。神奈川といえばある程度国際化している。なので外国人のことはよく知って…

Hiroshi Hatano
3週間前
3

AIドクターは現れるか

かなり前のことになる。日本人男性の2人にひとりはがんになる。がんと診断された場合は放射線治療をしなければならない。がん細胞が消えた後も通院をして再発しないように…

Hiroshi Hatano
3週間前

美術館の入館料

40年前に東京に引っ越した。生まれ育った愛知県には適当な仕事がない。都内での仕事は何とか見つかった。仕事をし始めて3年過ぎると結婚をして子供ができた。28歳だっ…

Hiroshi Hatano
4週間前
1

SNSイベントでしてはいけないこと

2020年の春。コロナ過によりオンラインでイベントが行われるようになった。家にいるばかりでは何も起こらない。仕事以外の世界はどうなっているんだろう。エンタメでは…

Hiroshi Hatano
4週間前
3

ガザ地区での和平交渉は多難

1984年の秋にミシガン大学に留学していた。そのときのわたしは日本で知り合ったミシガン大学生のピーターと知り合いであった。ピーターの両親はスペインの小島出身でア…

Hiroshi Hatano
1か月前
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USスチール買収に待ったをかけるのは間違い

2011年から大学で講師をした。担当科目は国際経営と決まった。決まったもののはたして何を教えようというのか。数か月の猶予はあったもののどんなことを教えようか特に…

Hiroshi Hatano
1か月前
6

神経症は予知できないのか

30年前の今頃わたしは失意のどん底にいた。場所は渋谷にある日本コカ・コーラ渋谷オフィスだった。そこで勤務をしはじめて2年が過ぎた。新しい部門であるリサーチ・チームに配属が決まった。異動になる前は情報システム部だった。 この情報システム部というところがどうしても肌に合わないところだった。40人くらいシステムエンジニアがいた。多くは第3世代のプログラム言語Cobolを使うひとたちだった。 オフィスは別館の地下一階であった。窓のないオフィス。ほとんどの職員がコンピューターに向か

誰もがプロンプト・エンジニアになるわけではない

2022年11月にOpenAIがChatGPTを発表。そのバージョン4は月額20ドルで使えた。下位バージョンの3は無料開放。さてその用途は何か。わたしは25歳からコンピューターを使い始めた。仕事でも17年間IT関連の仕事をした。その経験から生成AIというのはどこか怪しい。そんなこともあって発表されたときはサインアップしなかった。無料というのは特に怪しい。 あれから1年と3カ月が経ち、どうも周りが騒がしくなってきた。そこで今年の2月下旬にChatGPTにサインアップして使って

心の不調を軽く見ないように

40歳手前だった。どうにもこうにもやる気が起きない。ずっとゴロゴロと寝ていても疲れがとれない。気分が滅入ったままだ。しかしこれが2、3週間も続くとなるとちょっと不安になる。どうにもこうにもうまくいかない。将来に向けて明るくなれない。そんな状態だったことを覚えている。 コンピューターの仕事をしていることもあっただろう。渋谷のオフィスは地下室。ほとんど会話がない。一日中、日が差さない。窓がないため外が見えない。同僚はうつ病と診断されて1年間会社を休んだ。自宅に見舞いに行った。わ

スマホとSNSの危険

2000年代といえば何を記憶しているだろうか。大学生の読者の皆さんはまだ生まれていない。30歳になった人でも6歳くらいであった。この年代はインターネットで大きな話題が吹き荒れた。まず初頭にはITバブルがはじけた。 ヤフーが1株1億円という途方もない株価をつけていた。にもかかわらずITで儲けようとする会社のバブルがはじけた。ところが2007年にはアップル社がiPhoneを発表。これがハードウェアの行方を変えた。瞬く間にスマートフォン(スマホ)に乗るアプリケーション(アプリ)が

働くなくてよいと人はどうなるか

14年くらい前の事である。どうにもこうにも働くのが苦痛で仕方なくなった。苦痛だけではない。仕事の中で何かしら挑戦するものがない。そうなると仕事をしていても退屈な日々を過ごす。数年間というもの恐ろしいほど退屈だった。お金をもらいながらこういった贅沢なことをしていた。しかし当時のわたしはそうだった。 なぜこんなに苦痛なんだろう。挑戦するものがないことがどれだけ退屈なのか。毎日が日曜日のようだった。しかも豊洲に所在地があったその職場ではめずらしく在宅勤務でさえ許されていた。わたし

英語雑誌の理解にChatGPTを使わない

2022年11月にOpenAIがChatGPTを発表した。一般の人にも一部無料開放。瞬く間に登録者が増えた。今では登録をしなくても使える。あれから1年半近くが過ぎた。この大規模言語を使った人工知能の開発は急ピッチで進んでいる。民間企業においてもブラウザーにその技術を搭載させている。 身近なのがマイクロソフト社のCopilotとグーグルのGeminiがあげられよう。Anthropicというのもある。ここはOpenAIの社員がそこを離れて設立した会社である。いずれも無料で使うこ

DEI推進の懸念

40年以上前に大学に入学した。その大学はいまでも外国人の多い大学として知られている。東京が所在地ではないが200万人の政令都市として知られる名古屋。そこにカソリック系の大学として昔からあった。地元からはある程度知られているところで中・高にも付属学校がある。私立学校は比較的裕福な親が子供を通わせる。公立は乱れているからだ。わたしは公立高校から入試を経て入学した。 しばらくするとこんなことに気づいた。ずいぶんと女子学生が多い。ざっと数えただけで180人の中に8割程度はいたのでは

能登半島支援へのお礼

能登半島地震から100日が経った。地震からの復旧には時間がかかる。応援も必要だ。 ニューヨークにいる日本人有志の集まり。わたしはここをたまたまfacebookで検索して見つけた。3年ほどリモートで参加してきた。そこが仲間を集めて寄付をした。 この文章はその善意に対してわたしが返信したメールです。実名は敬意をこめて載せています。 NY MBAの会 事務局 廣島様 ご報告ありがとうございました。 復興支援という素敵な企画に感心しました。こういった支援をする。後になって支

頑張る移民労働者

昨日、「コンビニで働く移民が経済を支える」という題で文章を書いた。まだ頭の中であの文章でよかったのかなという余韻がある。経済を支えるのはちょっと難しいだろうというのが理由だ。移民の人たちは帰る国があること。日本でのビザの取得に苦労していること。そして日本の独特の顧客サービスを習得することは難しいという意見だった。 文章を書いた後はほとんど振り返ることがない。次のテーマを考えようとしていた矢先だった。たまたま近くのコンビニに立ち寄った。店がそれほど混んでいなかった。そして店員

ゴジラには存在意義があるのか

子供の頃に最初に映画館で見た映画。それはゴジラ映画だった。たしか小学生だった。古ぼけた劇場には当時子供たちにだけ公開されていた。ゴジラ映画が午後にだけ上映されていた。大人向けの映画というのは一切上映されない。大人は帰宅後にテレビを見るしかなかった。 当時映画館は子供なら見に来るだろう。そういったことを考えていたのだろう。満員になることはなかった。そのため上映期間は3日だけだった。わたしはこの上映が来ることを楽しみにしていた。いつも映画館の前に張り出されるポスターで知った。

コンビニで働く移民で経済を支える

2011年から首都圏の大学で国際経営を教えた。その授業に参加してくる大学生は神奈川県に住む。神奈川といえばある程度国際化している。なので外国人のことはよく知っているであろう。見たことくらいはあるのかもしれない。20歳の彼らにとって外国人とはやはりアメリカ人のことをいう。 映画俳優やスポーツ選手であればやはり欧米の人たちのことをいう。そんなイメージを持った大学生に国際経営を教えるというのはとても難しい。わたしは何を教えていいかわからなかった。教科書の理論を話してもまったく興味

AIドクターは現れるか

かなり前のことになる。日本人男性の2人にひとりはがんになる。がんと診断された場合は放射線治療をしなければならない。がん細胞が消えた後も通院をして再発しないようにする。このような話を聞いた。実際にこんなこと起こるのだろうか。 わたしの家系ではがんはほとんどいなかった。診断された人は少ない。父や母はどうではなかった。まわりで2人に1人というはない。 ところがここ20年でわたしの親戚でがんと診断された人たちがぽつりぽつりと出てきた。兄はそうだった。親戚のおばさんもそうだった。姉

美術館の入館料

40年前に東京に引っ越した。生まれ育った愛知県には適当な仕事がない。都内での仕事は何とか見つかった。仕事をし始めて3年過ぎると結婚をして子供ができた。28歳だった。それ以来ほとんどが千葉県東葛地区の家と職場を往復するだけだった。そんな生活を続けていると週末には家で疲れて寝ている。あるいは、子育てのためにどこか遊園地にいくくらいだった。 美術館にいく習慣などできるはずもない。わたしはどちらかというとスポーツ系であってアメフト、野球、バレーボール、テニスといったさまざまなスポー

SNSイベントでしてはいけないこと

2020年の春。コロナ過によりオンラインでイベントが行われるようになった。家にいるばかりでは何も起こらない。仕事以外の世界はどうなっているんだろう。エンタメでは物足りない。ちょっとよくばって何か学習系のものはどうだろうか。 いろいろ探してみる。すると何かまともそうな学習系イベントがある。その中でもまともそうな表題を見つける。イベント案内文もきっちりとしている。しかも無料だ。試しにのぞいてみる。これならいいだろう。それが落とし穴である。しかも穴にはまると抜けれなくなる。有害だ

ガザ地区での和平交渉は多難

1984年の秋にミシガン大学に留学していた。そのときのわたしは日本で知り合ったミシガン大学生のピーターと知り合いであった。ピーターの両親はスペインの小島出身でアメリカに渡ってきた。親切な彼は友人を紹介してくれた。紹介してくれた友人は9人で皆ユダヤ人だった。わたしはユダヤ人についてはあまり知らなかった。イスラエルの歴史も知らなかった。 それが彼らとお付き合いをする上で少々困ったことになった。マイク、チヤック、デビッドとおなじみの名前があがる。少しばかり顔見知りになるとこんなこ

USスチール買収に待ったをかけるのは間違い

2011年から大学で講師をした。担当科目は国際経営と決まった。決まったもののはたして何を教えようというのか。数か月の猶予はあったもののどんなことを教えようか特にアイデアがあるわけではなかった。前任者がつくったシラバスはある。それに使えそうな教科書もある。ならば教科書に書いてあることをまとめて印刷して配布する。それに適当な事例を使って教えればいいではないか。そんな安易な考えはすぐに現実的ではないことがわかった。 大学生は仕事をしたことがない。用語もわからなければお金儲けがなん