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能登半島支援へのお礼

能登半島地震から100日が経った。地震からの復旧には時間がかかる。応援も必要だ。

ニューヨークにいる日本人有志の集まり。わたしはここをたまたまfacebookで検索して見つけた。3年ほどリモートで参加してきた。そこが仲間を集めて寄付をした。

この文章はその善意に対してわたしが返信したメールです。実名は敬意をこめて載せています。

NY MBAの会 事務局 廣島様

ご報告ありがとうございました。

復興支援という素敵な企画に感心しました。こういった支援をする。後になって支援を受けた人たちが才能を発揮することがあります。そして希望や勇気をくれます。

13年前に東北で起きた地震。あれにより多くの人が希望を失った。わたしの知り合いのところで福島原発事故で避難したひとがいた。その人は事故の当日、千葉県の知り合いを目指して一晩中移動した。着いた頃には雨の中泥まみれになっていたそうです。

ところが人というのは不思議なもので助けてもらうと後でとてつもない才能を持って現れる。例えばスポーツ界。大谷翔平、羽生結弦、松山英樹。3人共に世界を代表するアスリート。皆そろって東北にゆかりがある。これは偶然ではないでしょう。周りが地道に応援した。成長したアスリートたちから希望や勇気をもらいました。

ただ個人のストーリーとしてお話するとこうなります。25年間東京で企業勤務をした。霞が関、渋谷、赤坂、品川、丸の内と転々とした。不思議とどこにいっても周りがMBA出身だった。その中で上司にはハーバード出身が多かった。わたしは上司に恵まれなかった。一番の理由は公益性とはかけ離れていることを考えている人たちだった。ただ個人に対して特別の感情をもっているわけではない。

20年前に丸の内にある総合商社ではこんなこともあった。上司は高校は灘高、大学は東大、そしてHBSというピカピカの経歴だった。後から聞くとそのひとはニューヨーク支店の支店長までしたひとだった。その人が宴会に集まった新規事業部門の職員10人に問うた。君たちには結構なお金がある。どんなことをしたいかね。わたしの順番が回ってきた。つい、こう口から出てしまった。人に希望を与えます。例えばアフリカにいって小学校をつくります。

その上司は答えた。おう、それは君らしい答えだね。わたしは超能力に投資をするよ。これを聞いたとき、この上司は学校で何を学んできたんだろう。経歴は立派なのにどうして若い人の見本になれないんだろう。わたしはがっかりと肩を落とした。同時に無性に腹が立った。これも個人に対して特別の感情をもっているわけではない。

能登半島からまた「新たなる希望」が現れるでしょう。ある一定の期間で失望と希望のパターンを繰り返すのかもしれません。

しかしながら準備はしないといけない。100年前に起きた関東大震災。マグニチュード7.9。死者は少なくとも10万5千人、東京だけで7万人。倒壊家屋37万世帯といわれています。そしていまから30年以内に南海トラフによる地震が起きる。かなりの確率で起きる。70%と予測されています。その時の死亡者の予測は都市部では6千人。東京では被害が少ない。ただ関西で津波が起きた場合は32万3千人の死者が出るとの予想があります。このまま温暖化が進むとかなり長期で南極において海面が60メートル上昇するだろうという予測もあります。

30年後にもNYMBAはこういった活動を続けていてほしいと願います。

わたしはこれでメールを書き終えた。