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サッカーライターの世界

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サッカーライターとしてのキャリアや、裏話について語っていきます。
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記事一覧

信州ダービーの取材者として。2年目を終えて、ピッチ外での雑感

信州ダービーの取材者として。2年目を終えて、ピッチ外での雑感

Jリーグ2年目の信州ダービーが幕を閉じた。天皇杯県予選決勝も含め、AC長野パルセイロの2戦2勝で迎えた最終戦。松本山雅FCが1-0とホームゲームを制し、長野に対して今季初勝利を収めた。マッチレビューにも記したが、スコア以上に松本が圧倒した試合だった。

またやりたいか、やりたくないか筆者が長野の番記者に赴任して3年目。幸いにも、昨季は11年ぶりの信州ダービーに立ち会うことができた。全国津々浦々にダ

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長野県フットボールマガジン『Nマガ』の開設に至った経緯

長野県フットボールマガジン『Nマガ』の開設に至った経緯

信州ダービーの2日前にあたる5月11日、長野県フットボールマガジン『Nマガ』を開設しました。今回はその経緯について、ご説明したいと思います。

Nマガの開設に至った経緯Nマガは長野県フットボールマガジンという題目通り、県内全域のフットボール(フットサルを含む)を取り上げるWebマガジンです。ちょうど1カ月前にアマチュアサッカーのWebマガジン『地域蹴遊』を開設しましたが、そのコンテンツもNマガに移

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アマチュアサッカーのWebマガジン開設に至った経緯

アマチュアサッカーのWebマガジン開設に至った経緯

3月11日、アマチュアサッカーのWebマガジン『地域蹴遊(ちいきしゅうゆう)』を開設した。今回はその開設に至った経緯を綴っていきたい。

地域に潜む魅力を掘り起こす私は大学卒業後、フリーのスポーツライターとして活動を始め、2年前の2021年3月に東京都から長野県へ仕事の場を移した。東京にいた当時から、サッカーに限らずアマチュアスポーツを取材する機会があり、特にサッカーの育成年代には強い関心があった

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サッカーライターがフットサルチームを追い続けた理由

サッカーライターがフットサルチームを追い続けた理由

私事だが、2021年3月に東京から長野へ来て、まもなく3年目を迎える。Jリーグ・AC長野パルセイロの取材活動を主目的として移住した中で、縁あって野球、バスケットボール、フットサルなど多くのスポーツチームに携わることができた。とりわけ動向を注視してきたのが、フットサル・F1リーグに所属するボアルース長野だ。

2019-20シーズンにF2からF1へ昇格したものの、その後は昨季まで3年連続の最下位。そ

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メディア目線で感じるJ2とJ3の差

メディア目線で感じるJ2とJ3の差

J3からJ2に昇格すると、さまざまな変化が伴う。ゲームクオリティ、選手層、観客数、資金…。その中でJ3クラブの番記者として注目したいのが、メディアへの露出である。昇格争い真っ只中の今、メディア目線から昇格によって起こる変化を考える。

DAZN中継の充実化Jリーグファンにはお馴染みのDAZNでの試合中継。ここではJ2とJ3における、主な3つの違いを挙げる。

①解説者の有無

J2は実況と解説がい

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サッカーライターが選手の個人パートナーになった理由

サッカーライターが選手の個人パートナーになった理由

今季から、南葛SC(関東1部)に所属するGK寺沢優太選手の『個人パートナー』となった。今回は、その理由について話していきたい。

寺沢選手は昨年、J3・AC長野パルセイロに所属。長野県出身の彼は、海外やJFLなどを転々としていたが、28歳でようやく地元のJクラブに辿り着いた。その並々ならぬ想いは、リリースでの約700字のコメントに集約されている。

とはいえ、順風満帆にはいかなかった。シーズン当初

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高校サッカーから逃げた私が、第100回大会に仕事として携わった話

高校サッカーから逃げた私が、第100回大会に仕事として携わった話

失った青春を味わうような1年だった。12/28〜1/10まで行われた第100回全国高校サッカー選手権大会。私は長野県代表・市立長野を取材すべく、大晦日に東京・味の素フィールド西が丘へと向かった。今回は、その取材に至るまでの経緯を書きつづりたい。

CLIMAX始動。ほぼ前例のない挑戦私は小学1年から地元・東京でサッカーを始め、高校は開志学園JSC(新潟)に進んだ。県トップレベルの強豪校でプレーした

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サッカーライターしかなかった。大学時代、風呂から始まった道なき道

サッカーライターしかなかった。大学時代、風呂から始まった道なき道

私は現在、長野県でサッカーを中心にスポーツライターとして活動している。その仕事を志した大学時代から、これまでの道のりを振り返りたい。

思い立ったが吉日。風呂を出てスタート浴槽に浸かったり、ベッドで寝転んだりしている時に、ふと将来について考えてしまうことはないだろうか。私が今の仕事に就こうと決心した場所は、風呂だった。

私は高校でサッカーを引退し、大学からはフリースタイルフットボールに明け暮れた

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2021パルセイロアウォーズ。ベストゲームは敵地での“敗戦”

2021パルセイロアウォーズ。ベストゲームは敵地での“敗戦”

12月6日、Jリーグの年間表彰式「Jリーグアウォーズ」が行われた。同イベントは毎年、シーズン終了後に開催され、年の瀬を告げる風物詩とも言える。

最優秀選手賞(MVP)はレアンドロ・ダミアン(川崎F)。ベストイレブンも川崎Fの選手が席巻したが、今季の圧倒的な成績を踏まえれば、文句の付けようがないだろう。また、最優秀ゴール賞を受賞した柿谷曜一朗(C大阪)のバイシクルシュートも深く記憶に刻まれた。

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地方でキョロキョロしている。長野に来て1カ月で変わった3つのこと

地方でキョロキョロしている。長野に来て1カ月で変わった3つのこと

東京から長野に来て1カ月が経った。高校以来2回目の地方移住で、相当な覚悟を持って来たが、現状はプラスしかない。今回は、この1カ月間で変わった3つのことを紹介する。

取材数の激増。最高の仕事場に来たスポーツ現場での取材が激増した。競輪やソフトボールなど、生で初めて見た競技もある。

長野には多くのスポーツチームがある。Jリーグ、Bリーグ、Vリーグ、Fリーグ、BCリーグ……球技以外も豊富だ。スポーツ

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ホーム開幕戦での「3つの初」。スコア以上に、感情が揺らいだ

ホーム開幕戦での「3つの初」。スコア以上に、感情が揺らいだ

初取材、初Uスタ、初勝ち点。ホーム開幕戦という“お祭り”以上の意味があった。

J3リーグは、3月21日(日)に第2節を迎えた。昨季3位のAC長野パルセイロは、今季JFLから昇格したテゲバジャーロ宮崎と対戦。Jリーグ公式サイトの「見どころ」にも書いた通り、昇格候補筆頭vs新参者という位置付けだった。

初取材。当然だが、練習とは雰囲気が違う私にとって、今節はJリーグ初取材だ。3月からクラブの番記者

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試合数が少ないからこそ「足で稼ぐ」。番記者の環境選びの裏側

試合数が少ないからこそ「足で稼ぐ」。番記者の環境選びの裏側

J3リーグ開幕が間近に迫っている。私は過去に高校・大学サッカーの取材経験はあるが、プロサッカーの取材は初となる。クラブと私にとっての“開幕戦”を控える中で、今回は長野県への移住の裏側について書いていく。

トップレベルのクラブがひしめく長野市へそもそも、私は長野県に縁もゆかりもなかった。高校時代は、同じ甲信越地方の新潟県で過ごしていたが、隣県とはいえ環境は違う。景色を見渡すと、新潟県では海が広がっ

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高校サッカーから逃げた私が、Jクラブの番記者になるまで

高校サッカーから逃げた私が、Jクラブの番記者になるまで

2021シーズンから、サッカー新聞「エルゴラッソ」で、J3・AC長野パルセイロを担当することとなった。

高校でサッカーを引退し、大学ではフリースタイルフットボーラーとして活動。その後はサッカーライターの道を志し、インターン、フリーランス、正社員を経て、Jリーグの現場にたどり着いた。

シーズン開幕を控えた今、自己分析も兼ねて、これまでのキャリアを振り返りたいと思う。

「退部=退学」。志し半ばで

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