遺伝子は設計図ではなくて「カタログ」。自分にあったものを選ぼう
遺伝子のメカニズムとそれが私たちの人生に与える影響とは? 遺伝子は「設計図」ではなく、むしろ「カタログ」。 遺伝子は決定論的ではなく、遺伝子と環境の組み合わせが私たちの生活に影響を与えるというお話し。
遺伝子は設計図ではなくてカタログ
遺伝:環境=50:50
遺伝子は親から子に受け継がれるものと認識していますが、「才能」に差はあるのでしょうか?
遺伝子は生物学的には4つの暗号があり、その並び方で必要なタンパク質などが作られていきます。遺伝子は親から子へ情報を伝える設計図だとよく言われます。親=子に受け継がれるようなイメージですが、そうではなくて遺伝子は「カタログ」なのだと慶応大学の伊藤裕先生はおっしゃいます。
色々と棚に並んでいる中で、どれを使うかというのは受け取った子が決めたらいいのです。もともと決められていたわけではなく、自分に合ったものをカタログの中から選択することができるイメージです。
例えば、スポーツ選手、音楽の領域などエッジが立っているような限られた分野は遺伝子の影響も大きく寄与しますが、ほとんどの場合、遺伝の力が半分くらい、残りの半分は「環境」の影響が大きいのだそうです。
こうなりたいと思って努力しても今の環境ではどうしようもないということもあるでしょう。
遺伝:環境=50:50といわれるのには、このような背景があります。
「子宮」の中の環境はお母さんの影響を受けますので自分ではどうにもできません。しかし、生まれてからは、どの環境で生きるかは好きに選び取ることができますよね。
元々の性格に加え、ポジティブな気持ちで考えられる性格であるなども複雑に絡み合う中で受け継がれた遺伝子の影響もあるかもしれません。
生まれた後は自身の選択肢によって変えられることがわかっているので、ネガティブがことがあったとしても親のせいにせず、少なくとも自分がどんなカタログを持っているんだろう。自分には十分幸せな生活を送れるだけの良い遺伝子を持っているんだと信じて生きていくのが幸せに生きる秘訣になるようです。それが遺伝子をうまく使う=健康に長生きする。と言うことなのです。
突然変異のお話
進化の中で遺伝子は変わっていくのでしょうか?
生活の中ではイメージするのは難しいですが、実際には常に遺伝子は使われています。細胞は日々リニューアル=自分をコピーして複製を作っていくという活動と、遺伝子を読み取って、タンパク質を作っていき、代謝をしていく活動をしているのですが、その営みこそ遺伝子を使うと言うことなのです。遺伝子は2つの糸が絡まり合っています。1本がお父さん、もう1本がお母さんもらって存在しています。遺伝子は絡まり合っている状態では複製することもタンパク質を作ることもできません。解けることがあります。
その時、色々な刺激に弱くなるのです。
日々、私たちは、宇宙線(宇宙から来る放射線)によって遺伝子が壊れてダメージを受けています。それ以外も、例えば高血糖も遺伝子に対してダメージを与えることもわかってきています。遺伝子が使われないと我々は生きていけないので、2つの遺伝子を解き、活動を毎日数百〜数十万個単位で行うのですが、その際にウィークポイントが発生してしまうのです。
なので、それを修復してはいるのですが、突然変異というのはダメージが修復されず残ってしまうことで、遺伝子の働きが変わってしまうということです。生物の機能はちょっとずつ変わっていきます。これが「進化」なのです。
ダーウィンの進化
うまく適応できたやつが生き残ったと言う説があります。これは偶然に起きたダメージと進化の中で強いやつがいっぱい生き残り繁殖できたというのが通説とされていますが実はそうではないのではないかというのか最近の研究でのお話しです。
ある環境においていくと同じ変異でも不利、有利と優劣がつきます。
例えば、寒いところに住んでたら体に熱を作れるようなものが得ですよね。逆に熱いところにいたら体を冷やすことが得になりますよね。
あまり大きくない突然変異を持った場合は自分に合ったところに行って適応していると言う考え方があります。
人間でも人種がありますよね。多様性があったほうが人類の強靭性が保たれ、地球レベルで考えると並行選択といい、人類の繁殖には重要だったと言う説が正しいのではないかとされています。
遺伝子の働きを変え、ダメージを修復する作用を持つNMN研究
NMNには多才な作用があり、遺伝子の働きを変える作用が大きいのです。NMNはNADから生まれるのですが、このNADの活動は2つあり、1つはサーチュイン(長寿遺伝子)を活性化すると遺伝子の働き方を変えられるのと、また遺伝子のダメージを修復することもできるのです。
こういう作用からNMNが老化に対して効果があるといわれている所以なのです。
人間の体の神秘、ライフサイエンスを学ぶことで私たちの未来は変わります。お楽しみいただけましたでしょうか?
それではまた!