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いい人戦略

岡田斗司夫の「いい人戦略」という本がある。

電子版の表紙には、「情報化社会におけるサバイバル戦略『いい人戦略』 世の中の難しさ、しんどさを実感してきたときに、『道徳B』すなわち倫理経済学の出番になります。そして僕が考える倫理経済学の最も簡単で世界で唯一の教科書が『いい人』戦略なんです」と書いてある。

俺は読んでないが、まぁ言いたいことはわかる。
なかなか優れた表紙だ。

著者名も、岡田斗司夫のオンラインサロン的なやつのFREEex名義なので、そのことからも内容が推し量ることができる(FREEexの概要はあえて説明しないが)。

実際おれも、「いい人」が損をする時代から、得をする時代に変わってきたと思っている。

まじで、「いい人」になったほうが、中長期的に幸せになることはもう明白だ。
悪い人が得をする時代はもしかしたらもうずいぶん前に終わっているのかもしれない。

象徴的なテクノロジーも多く出てきた。ブロックチェーン。この革新的な技術は、簡単に言えば、権威が価値を担保するんじゃなくて、市場参加者全員が価値を担保するということ。それに、巨大メディアの力がなくなって、SNSの時代になった。価値の評価を、「誰か偉い人にしてもらう世界」から、「みんなでする側」になった。

世界の力学が、上から下に向かう直線型から、個と個が繋がる蜘蛛の巣型になった。
そうなったら、いい人が好かれ、応援され、得をするのは当然のことだ。

一見、いい人になる、というのは、有能な人になる、よりも簡単に思える。

だけど実際は難しい。

「いい人になる」というのはなぜこんなにも難しいことだろうか。

まず、いい人の定義とは何か?

思いつくのは、親切なひと。自分よりも人を思う人。愚直な人。真面目な人とか色々でてくる。でも良く考えると、自分が応援したい「いい人」っていうのはそういうことじゃない。親切も嘘でできるし、自分よりも人を思うというアピールも嘘でできるし、愚直さも嘘でできる。でもその嘘がもうバレる時代だ。SNSなんてそんなことだらけだ。具体的な行動としてはひとつだけかもしれない。

嘘をつかない人、ということだ。
嘘くさくない人、ということかもしれない。

嘘をつかない人が、評価される。

嘘をつかない人というのは、素直な人のことだ。
だから、いい人というのは、素直な人なのだ。

じぶんに素直な人は、コミュニティができて応援される時代だ。

では、なぜ素直になることが難しいのか。

素直になるとなにが起こるか。

人との軋轢が生まれる。
孤独になる。
辛い。
空気を読まないことでうまく馴染めない。
色々ある。

だから、人は素直になることに恐怖を感じる。

有能になるには具体的な努力が必要だけど、素直になるには、恐怖を乗り越える必要がある。

では、恐怖を乗り越えるにはどうすればいいか。

多分、諦めることだ。周りから好かれようとすることを諦める。小手先の金儲けを諦める。調和を諦める。そういうことを、もうやめるということだ。

そういったものをあきらめるからこそ、人に好かれ、金が手に入り、もっと自由になる。

このアンビバレントさの背景にあるのは、嘘をつくことで大きく得をしてきたこれまでの力学があるが、もうこれは、単純に、無理がきて、終焉を迎えているのだと思う。だから、素直になることが評価されるのは、自律修正機能であり、それが如実になってきているのだ。

さて仕事するか。

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