高橋博之

株式会社雨風太陽 代表取締役/ 2023年12月、NPOから日本初のインパクトIPO …

高橋博之

株式会社雨風太陽 代表取締役/ 2023年12月、NPOから日本初のインパクトIPO / 関係人口提唱者 / 著者に『都市と地方をかきまぜる』など。岩手県花巻市出身

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  • REIWA47キャラバンレポート

    ポケットマルシェ代表の高橋博之が、全国47都道府県を行脚する中で、各地の生産者と出会って、感じたことをまとめていきます。

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人間中心主義からの脱却~震災後10年を前にして岩手県沿岸250キロを歩く理由〜

 わたしたちは日ごろ、明日がやって来るのは当たり前だと思って生きている。しかし、明日がやって来るとは限らないのだということを、コロナ禍は浮き彫りにした。人生には「死」という締め切りがあり、誰も逃れることはできない。そして、その締め切りがいつやってくるのかは誰にもわからない。そのことを意識することで、漫然と過ごしてきた目の前にある「生」が、かけがえのない「生」として尊く感じられた人も多いだろう。自分の人生にとって何が大切で、何が幸せなのか、気づいたという人も多いだろう。  東

    • アップルウォッチ柿師|47キャラバン#11@岐阜

      3ヵ月前のレポートを今、書いている。鉄は熱いうちに打て。レポートは、現場の余韻が体に残っている間に書かないとダメっすねー。 岐阜CARAVANで訪問した生産者はこのひと 佐野さんの現場を訪れるのはこれが2回目。ポケマルを始めた当初、まだ登録生産者さんが少なくて、時間を見つけては一人ひとりに会いに行っていた。そのひとりに、佐野さんがいた。このひと、若いときは自転車競技で全国にその名を轟かせたすごい男なのである。学生時代に何かひとつ極めたひとって、社会に出てからも強いですよね

      • 海の異変を伝えるカナリア漁師|47キャラバン#10@福井

        私は、東日本大震災を機に、食のつくり手を特集した情報誌と食べものがセットで届く「食べる通信」と、生産者と直接やり取りをしながら旬の食材を買えるプラットフォーム「ポケットマルシェ」を立ち上げた。東日本大震災から10年の節目を迎える来年の3.11に向けて、改めて人間とは何かを問うため、47都道府県を行脚することにした。 これは、その「REIWA47キャラバン」のレポートである。 コロナ禍で行き場を失った「よっぱらいサバ」 緊急事態宣言下にあった4月中旬、知人の漁師を通じて紹介さ

        • 泥んこまみれのレンコン掘り|47キャラバン#9@茨城

          私は、東日本大震災を機に、食のつくり手を特集した情報誌と食べものがセットで届く「食べる通信」と、生産者と直接やり取りをしながら旬の食材を買えるプラットフォーム「ポケットマルシェ」を立ち上げた。東日本大震災から10年の節目を迎える来年の3.11に向けて、改めて人間とは何かを問うため、47都道府県を行脚することにした。 これは、その「REIWA47キャラバン」のレポートである。 蓮田でTikTok撮影  やってきたぜ、レンコン生産量日本一の産地、茨城県土浦市。なになに?土浦がレ

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        人間中心主義からの脱却~震災後10年を前にして岩手県沿岸250キロを歩く理由〜

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        • REIWA47キャラバンレポート
          11本

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          農家・漁師という“名もなき中村哲”|47キャラバン#8@栃木

          私は、東日本大震災を機に、食のつくり手を特集した情報誌と食べものがセットで届く「食べる通信」と、生産者と直接やり取りをしながら旬の食材を買えるプラットフォーム「ポケットマルシェ」を立ち上げた。東日本大震災から10年の節目を迎える来年の3.11に向けて、改めて人間とは何かを問うため、47都道府県を行脚することにした。 これは、その「REIWA47キャラバン」のレポートである。 家業を継ぐ意味 益子焼で有名な陶芸の町、栃木県益子町で養鶏業を営んでいる「薄羽養鶏場」の代表、薄羽哲

          農家・漁師という“名もなき中村哲”|47キャラバン#8@栃木

          茶畑の中で見守る先祖|47キャラバン#7@埼玉

          私は、東日本大震災を機に、食のつくり手を特集した情報誌と食べものがセットで届く「食べる通信」と、生産者と直接やり取りをしながら旬の食材を買えるプラットフォーム「ポケットマルシェ」を立ち上げた。東日本大震災から10年の節目を迎える来年の3.11に向けて、改めて人間とは何かを問うため、47都道府県を行脚することにした。 これは、その「REIWA47キャラバン」のレポートである。 47キャラバンは「旅」だ いきなりだが、「旅行」と「旅」の違いはなんだろう?  「旅行」は、あらか

          茶畑の中で見守る先祖|47キャラバン#7@埼玉

          7月豪雨で1週間の孤立状態だった集落を救ったのは…|47キャラバン#番外編@熊本県球磨村

          水没した熊本県球磨村へ  福岡でのキャラバンの後に、ちょうど知人の女性が今回の球磨川の氾濫で被災した熊本県の球磨村の実家に帰省するというので、福岡からも遠くないし、一緒に行くことにした。  知人の実家は、一時、国道が寸断されて孤立した球磨村の神瀬地区にあり、2階まで完全に浸水する被害にあった。同地区の住民は、散り散りに周りの市町村の避難所に避難している。  豪雨災害から1ヵ月。ようやく瓦礫や流木が道路から取り除かれたが、まだこの通りであった。  知人の実家の1階部分。ボ

          7月豪雨で1週間の孤立状態だった集落を救ったのは…|47キャラバン#番外編@熊本県球磨村

          食の共同体自治を目指し|47キャラバン#6@福岡

          食の共同体自治を目指し  福岡でのキャラバン翌朝、「ふくおか食べる通信」編集長の梶原さんにアテンドしてもらい、まず向かった先が、福岡県うきは市の「うきはのささきくだもん農園」の佐々木裕記さんの畑。前夜のキャラバンにもご夫婦で参加してくれた。  農園に到着し、車を降りるや否や、まるで選挙のように、握手を求められた。  得意げになって案内を始める佐々木さんの説明が止まらない。  待ち受けていたのは、地元の佐々木さんの農家仲間たち。朝から元気で、とても賑やかだ。  梨の仕分

          食の共同体自治を目指し|47キャラバン#6@福岡

          人口40人でも20代が7人の島|47キャラバン#5@佐賀

          再び、武雄へ 今回の舞台は、佐賀県武雄市。一昨年に佐賀県で開催した前回の47キャラバンも武雄市だった。なぜ、また武雄なのか。それは、この男がいるからである。Twitterでパクチー王子を名乗る江口農園の江口竜左、32歳。  どうですか、このキャラの濃さ。前回のキャラバンで農園も案内してもらった際に、「衰退するこの地域をなんとか自分が守っていかないといけない」と話す姿が印象的だった。あの後、昨年の武雄を襲った集中豪雨、今年に入ってからのコロナ禍、そして先月またしても集中豪雨に

          人口40人でも20代が7人の島|47キャラバン#5@佐賀

          直販力と復興力の相関関係|47キャラバン#4@長崎

           長崎にやってきた。長かった梅雨も明け、快晴。そして猛暑。お昼過ぎの便で到着し、朝から何も食べてなかったので、長崎空港の中にある「ちゃんぽん屋」を目指す。しかし、臨時休業の張り紙。昨今の長崎県内での新型コロナウイルス感染拡大の影響だろうか、ご覧の通り空港も閑散としている。  仕方がないので、空港内のコンビニで、うどんと握り飯を買って食らう。  そして、レンタカーで「ながさき食べる通信」編集長の森田優子さんとの待ち合わせ場所に向かう。 生産者を可視化する「食べる通信」 食

          直販力と復興力の相関関係|47キャラバン#4@長崎

          岩手県沿岸縦断300キロを終えて考えたこと(前編)~リスク受容と人間~

           県知事選で歩いて以来、9年ぶりの岩手沿岸縦断が終わった。岩手県沿岸北部の青森県境(洋野町)から岩手県沿岸南部の宮城県境(陸前高田市)まで、国道45号線を中心に、所々リアスの海沿いに点在する漁村に寄り道しながら、連日、野外放送で注意喚起される熊の出没情報に慄きながら、10日間かけて合計302㎞を46万歩で歩き切った。最後の4日間は、足が腫れあがり、痛み止めを飲みながら足を引きずって歩いた。  何のスケジュールもない行き当たりばったりの道中、農家がオニギリを握って持ってきてく

          岩手県沿岸縦断300キロを終えて考えたこと(前編)~リスク受容と人間~

          周防灘の縮みゆく漁村|47キャラバン#3@山口

          周防灘の漁師 九州から関門海峡を越え、山口県へ。下関から車で30分のところにある小さな漁村で父と一緒に漁師をしている久保田宏司さん(50)を訪ねた。これが初対面。前日に突然電話したにも関わらず、予定を調整してもらって会うことができた。温厚なお人柄で、優しさが顔からにじみ出ていた。  3年前までサラリーマンをしていたが早期退職し、祖父の代から続く船に乗った。とはいえ、父の漁を手伝う程度で、寂れゆく故郷をなんとか元気にしたいと、まちづくりの仕事に力を入れていた。そんな久保田さん

          周防灘の縮みゆく漁村|47キャラバン#3@山口

          ふたつの顔を持つアバター農家|47キャラバン#2@熊本

          熊本入り 大分のゴージャスな外車での出迎えから打って変わり、運転席が土埃にまみれたバンで登場した農家の片山和洋さんは「すみません、ベントレーじゃなくて」と、冗談半分に頭をかきながら車を降りた。やっぱり農家はこれだ。軽トラかバン。うん、やっぱりこっちの方が落ち着く。前日の大分での数億円規模の大規模農業と、稼ぎの象徴である高級車の一件をTwitterで見ていたようで、「そっちのカッコよさもあるけど、違うカッコよさもある」的な話をするので、「大丈夫、わかってる、いろんな農家がいてい

          ふたつの顔を持つアバター農家|47キャラバン#2@熊本

          祖父の開拓した地で暮らし続ける|47キャラバン#1@大分

          REIWA47キャラバン、スタート 7月18日(土)、REIWA47キャラバン一発目の大分県へ。大分では、キャラバンに先駆けて、大分市の若手農業者団体「大分アグリユース」の総会で講演することになっていた。大分空港に着いたら、アグリユース副会長の農業生産法人「大分ほっぺリーフ株式会社」社長の金子裕紀さんが、なんと、納車仕立てのピカピカのベントレーで迎えに来てくれた。3000万円!「農家だって儲かれば高級車に乗れるんだって、農業を敬遠する若い人たちに伝えたい」と、金子さん。左ハン

          祖父の開拓した地で暮らし続ける|47キャラバン#1@大分

          COVID-19と真鯛

          緊急事態宣言が発令された。 新型コロナウイルスの全国的な感染爆発を防ぐために発令されたものだが、東京や大阪などの大消費地の飲食店が一時休業を余儀なくされ、仕入先の生産者は行き場をなくした生産物を前に途方に暮れている。生き物である生産物は成長を止めてくれない。収穫や水揚げした野菜や魚は、買い手がいなければ廃棄処分となるしかない。 三重県南伊勢町の漁師、橋本純さんも頭を抱え込んでいた。海に浮かぶ5つの生簀には、立派に育った真鯛4万匹がぐるぐる回遊している。真鯛の市場価格の暴落

          COVID-19と真鯛

          農サイド宣言

                                      【農サイド宣言】                            2020年4月8日 農業や農村にかかわる私たちは今日、「農サイド宣言」をいたします。 外出自粛で多くの人の職や生活が危ぶまれる一方、食べ物の産地は人手不足が続いています。 都市の過密とふるさとの過疎は、表裏一体ですが、 今、その間には分断が生まれ、ふるさとへ帰ることができません。 しかし互いへの思いは伝えることができます。 心の疎開先として、農業農

          農サイド宣言