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2024シーズン、J1リーグ第2節を終えて(Concept Map #1)

はじめに

 ここまで各クラブとも2試合を消化し、連勝クラブなし。連敗クラブが一つという波乱の序盤戦となっています


順位表

 まずは順位表から確認しましょう。
 負けなしは鹿島、広島、G大阪、町田、柏、そして福岡の6クラブ。いずれも勝点4で並んでいます。以下、勝点3(1勝1敗)が7クラブ、勝点2(2分け)が2クラブ、勝点1(1分1敗)が4クラブとなり、勝点0(2敗)が名古屋となっています

J1 リーグ 第2節終了時 順位

 いまだ得点がないクラブは、札幌と名古屋の2つ。そして、注目すべきは失点が0のクラブが福岡のみということ。のこりの19クラブは、多かれ少なかれ失点しているという状況です

 得点力がアップしたから失点が多くなったのか、それとも単純に守備力が低下したから得点が増えたのか。「卵が先かニワトリが先か」みたいな禅問答については、もう数試合ほど様子をみないと回答が難しいところです

 また、連勝したクラブが1つもないこと、加えて連敗のクラブも一つしかないことから、今シーズンはかなり混戦の様相を呈しています。あと2~3試合経過した段階で、ある程度傾向がみえてくるかもしれません

コンセプトマップ #1(Concept Map)

 初回は、「試合平均走行距離」と「試合平均パス成功数」について考えてみます

試合平均走行距離(横軸)とパス成功数(縦軸)のプロット(第2節まで)

結果 

 たった2試合の平均ですので、すべての傾向がわかる訳ではないですが… それにつけても横浜FM、川崎、新潟の3クラブはボールを繋ぐサッカーという特徴がそのまま出ています。札幌や浦和も、それに近いサッカーを具現しているクラブといえます    
 
 「パスサッカー」の代名詞的な東京Vが走行距離で20クラブの中で1位を獲得するという快挙(?)には驚きました。ここ数年、走行距離といえば鳥栖でしたが、そろそろ世代交代の時期でしょうか

 最もパス成功数(パス数も)が少なかったのが町田でした。次いで京都、湘南です。そして京都はパス成功率が一番低くなっています(62.2%)。パス成功数が多かったのは横浜FMで、川崎、新潟の順に続きます。パス成功率が一番高いのが川崎でした(85.4%)

 また、上位3クラブが、ちょうど中心に集まっていることが特徴的です。
逆に、下位3クラブについては、ややばらけているようにみえます

考察

  横浜FM、川崎、新潟はクラブスタイルともいうべきボールを繋ぐサッカーをこの2試合で実践できていたと考えられます。しいて言えば、札幌もそうかもしれません。相手がどうというよりは自分のスタイルを貫き、圧倒するのが「ミシャ流」と思っています

 東京Vと鳥栖に関しては、今後はパス成功数が増えていくのではないかと予想します。その理由として、東京Vはここまでの対戦相手が横浜FMと浦和、そして鳥栖は新潟と札幌です。いずれも、ボールを繋ぐサッカーを得意とするクラブです。特に東京VはJ2からJ1に昇格した初年度ということで、どうしてもJ1常連のクラブとは実力で差がでてきます。ボール非保持のサッカーをせざるを得ない、そんな事情も垣間みえます。また鳥栖に関してはどちらかと言えば「ガチンコ勝負」をわざと回避した、というほうが正しいのかもしれません…あくまでも想像ですけど

 町田に関してはチームスタイルがどうの以前に、ただ「勝つこと」を目的に、ゴールを最短距離で目指すというコンセプトをひしひしと感じます。これがパス成功数とパス数の少なさに直結していると考えます。パスの回数が増えればその分、途中でカットされる確率はおのずと増えていきます。であれば、パス数を減らすことはカウンターを喰らって失点するリスクの管理としては正攻法になると思います

 逆に川崎、横浜MF、新潟などはパス成功数が多いですが、同時に成功率でも20クラブで上位に位置しています。高いパス技術がボールを繋ぐサッカーを支えているという訳です

 順位TOP3がほぼ中央付近に集まっているのは、特記すべき事象かと思います。昨年の優勝クラブ、神戸もほぼ近い位置にいることは偶然というよりは必然と考えた方が良いかもしれません。ちょうど、走行距離もパス成功数も多すぎず、そして少なすぎず。このちょうどよい塩梅(あんばい)が、昨年からトレンドになっている前プレ非保持型サッカー(言うほどガンガンな ”前プレ非保持型” ではないですが…)を特徴としたクラブである神戸、広島と、カウンターサッカーを得意とするクラブである鹿島と名古屋になっています

 G大阪については、要検討とさせてください。ボール保持率は昨年と比べ低くはなっているものの、対町田戦しか試合を見ていないので…。これは鳥栖にも言えることですが、無理にボールを保持するサッカーをするのではなく、相手を見て戦術を変える「フレキシブルなサッカー」を目指している兆候なのかもしれません

さいごに

 今後も随時、このような定点観測を継続していこうと思っています。今回は取り上げなかったクラブにも言及できるデータがありましたら、次回以降でご紹介していきたいと思っています

 今年は「波乱の幕開け」となりましたが、ここからどのようなリーグ戦となっていくのか、非常に楽しみです。ではまた


 


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