日米の成長力格差⑨:ジョブディスクリプションはジョブ型雇用のツール⁉
日米の成長力格差の要因を分析しています。今回は、米国のジョブ型雇用に不可欠な後出しジャンケンなしのジョブディスクリプションについてみていきましょう。
✅ジョブ型雇用のツール:ジョブディスクリプション
ハワイ駐在で奮闘したいくつかの事例を紹介してきましたが、初めてホテル従業員のジョブディスクリプションを見た時には、曖昧さのない明確な記述に驚きました。
ゴルフ場のマネジャーを採用した時も、ジョブディスクリプションに基づいて、期待されることは何かを話合う採用面接をして、雇用契約を結び、働いた実績をジョブディスクリプションに基づいて評価して、翌年の年俸を交渉しました。
ジョブディスクリプションに記載される代表的な項目は、職務のポジション、目的、責任、業務内容と範囲、求められるスキルや技能、資格などです。
特に、職務内容と範囲については、詳細に記述します。
欧米の企業がジョブディスクリプションを作成する目的は、それぞれの社員の職務を明確に規定し、曖昧さを排除するためです。
そうすることで、業務上の無駄や非効率が少なくなり、組織の生産性が向上します。
生産性を向上させることが、ジョブディスクリプションによる人事管理のメリットの一つです。
また、各社員の職務の成果は、ジョブディスクリプションに記述されていることができたかどうかという客観的な基準で判定されるため、評価への不満や不公平感が起こりにくいこともメリットの一つとなっています。
終身雇用下のムラ社会では、中庸に構えて上司に忖度し、部下に嫌われないように、成果よりも協調性が最重要視されますが、ジョブ型雇用では、できたか、できなかったで評価します。
✅終身雇用下でジョブディスクリプションは機能するのか?
終身雇用を基本にゼネラリスト育成に取り組んできた日本企業においては、IT人材が不足してきたからといって、いきなりジョブディスクリプションを作ってジョブ型雇用を実践しようと考えても無理な話です。
無理といっても、難しいからやるべきでないとか、ネガティブに考えている訳ではありません。
本当にそうすべきなら日本全体の教育や組織のあり方を考え直さなくてはならないとおっちゃんは思っているのです。
ジョブディスクリプションの良い面を表現するなら「長所を伸ばして、各自の得意分野を組織の生産性向上に活かしてもらう」ツールだといえます。
一方、ゼネラリスト育成を目指した組織運営の基本は「人の欠点を是正して不得意な分野でも頑張らせる」というのが基本になります。
それが、同質化によって異質な考えを排除し、猛烈に働いてアメリカを追いかけた戦後のビジネス上の勝ち戦の戦い方だったからです。
ジョブディスクリプションのテンプレートには、次の記述が求められています。
①職務のタイトル
②具体的な職務の内容
③それぞれの業務の比重、責任と権限の範囲
④期待される目標
⑤報告義務のある上司(レポートライン)
⑥部下の数
⑦予算の枠
⑧エグゼンプトかノン・エグゼンプトか
⑨職務に必要な知識、技術、学歴、資格、職務に必要とされる身体的条件
⑩業務における社内外の関係者
⑪但しがき
⑫了承の従業員署名
いかがでしたか、これから就職しようという若い人は、米国流ジョブ型雇用とジョブディスクリプションをどんな風に感じましたか?
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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