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百物語60話目「迷惑なんです」(実話怪談)

前回、霊能力は日常生活に支障が出るから、能力を閉じる話を書いた。

霊は話を聞ける人のところへ寄ってくる。だから、多少でも霊能力がある人は見えたとしても、見えないふりを必死でするんだ。

それでも向こうが勘付いては、アチャーってことになる。

「ねえ、私のこと見えてるよね」

って、パターンだ。

返事をしてもいけない。ひたすら無視ってのは聞くよね。

鈍感な方が幽霊には強い!

さて、今回の話は、とっても迷惑だった話。

友達のTさんがとあるお茶屋さんに買い物に行ったときのことだ。そこの店主はどうやら見える人らしい。

そのため、初対面なのに、Tさんは声をかけられた。

「あなたの親戚の人が言いたいことがあると、出てきている」

聞いてみると、どうやらそれは夫側の親戚らしい。

どうもお墓の一部が壊れているというのだ。

なら、夫側に訴えればいいじゃないか!!

だって、当時Tさんは夫と苛烈な離婚裁判中だったのだ。

でも仕方ないから、一応、お墓のことを伝えたらしい。そうしたら、本当にお墓が壊れてて、無事に修理できたという。

もう、一度言おう!

だったら、夫側に行けよ!

めっちゃ嫌な思いをして、伝えなきゃいけないじゃんねー。

ちゃんと伝えた友達は偉いよ。

でも、そこまで読んでターゲットを、私の友達にしたんだろうね。

実際、両方の親族を見渡して、Tさんが一番メッセージを受け取ってくれると判断されたから、訴えに出てきていたそうな。

最後にもう一度言うよ!

離婚裁判中の妻側に夫側の霊は出てこないで!!

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