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百物語59話目「能力を閉じる話」(実話怪談)

よく幽霊って、優しい人を頼ると言うじゃありませんか。その点、私が幽霊を見ないのはよくわかる。

幽霊が見えるのはいいこととは思わない。敏感であれば、それだけ日常生活に支障をきたす。だから、幽霊が見え始めると、自分が弱っているという話も前にした。

霊能力が強いから、その力を閉じた人の話も三人身近に聞いたことがある。本来持っていたらよくない。だって、低級霊によく引っ掛かってしまう。しょっちゅう取り憑かれて、頭が重いだの肩が重いだのなってしまう。

生きてる人が死んでる人にふりまわされてはいけない。

まして、積極的に死者の声を聞こうとするのは危険だ。コックリさんが危険なのはそういう理由だ。

怖い話が好きなので、よく聞くし、よく披露するが、セットで語ることは「オカルト耐性をつけること」だ!オカルト耐性がないと、宗教詐欺にころっと騙される。

新興宗教は教祖がキツネやタヌキだったりすることが多いらしい。他とは違う、うちだけが正しいというところほど、あやしい。そして、自分たちは宗教ではないと近づいてくる。これはひとつのバロメータになる。

この手法、詐欺の手法によく似ている。やからは「まわりは全部インチキだ、騙されるな」と近づいてくるらしい。

そして、最も怪しいと思うのは、うちを信じないと死ぬと言うところやね。これ言うところは、決定的にやばいよ。近寄ってはいけない勢力だ。占い師も同じ、脅す占い師にも近寄ってはいけない。

さて、能力を閉じる話だ。能力を閉じた一人目は、居候されてもらったことのある女友達。彼女の祖母は「わらわは姫じゃ」という神卸しができた拝み屋だった。その血が友達にも受け継がれていたらしいけど、それじゃあかわいそうだからということで、守りの強い人がついて、霊能力を閉じてもらっている。だから、普通に一般家庭の主婦をしている。

二人目は会社関係の人で、一緒に喫茶あんでるせんに行った人。

あんまり霊能力が強すぎて、学校にも行けなくなったから、強い霊能者に閉じてもらったそうだ。なんか水晶のごっつい数珠に能力を詰めて、神棚にあげていたと言ってた。でも、私が出逢った頃は、もう40代を過ぎていて、また霊能力が戻ってきていた。水晶の数珠にひびが入ってきてたはず。

もうひとりはつい最近、とあるところから聞いた話。やっぱり生き辛いから能力を閉じていたんだけど、中途半端に閉じていたから、最近辛くなってきていて、改めて閉じることにした人。

彼は途中、先生について修行もしてたんだけど(あんまり霊能力強いとその道もあるけど、それはそれで大変だ)、今は普通に勤め人になっていて、ほころびが出て大変になっていた。

で、改めて別の能力者に閉じてもらおうと思ったんだけど、どうも様子がおかしい。

「ああ、これ、鍵がかかってる」

改めて閉じるために、前の封印を見るんだけど、それが嫉妬によってかけられたものだったらしい。

そう、前の師匠のね。

彼があまりに素質に恵まれているから、師匠が嫉妬にかられて能力にストッパーをかけてたのよ。

無事に封印のかけなおしは終わってそうだけど、オカルト耐性に大事なことよ。能力があっても人格者ではないパターンなんていっぱいさ。

妄信、ダメ! 絶対!

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