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家の好みがコロコロ変わる賃貸暮らしの私


今まで人との暮らし方や、家具家電などのことを割と書いてきた私。


引っ越し経験も何度かあって、その時々の暮らしを楽しむことが好きな私はどうやら結構「家」に関することが好きっぽい。

何度か引っ越しをしているとわかってくる自分の暮らす場所へのポイント。
そしてそこでわかってきた自分の許せる・許せない条件。
プライオリティが変わったり、何が本当に必要な要素かわかっていなかった頃は、後悔したり学んだりもした。


家族の形態も長い年月でどんどん変わっていくだろうし、自分の家を建てるのならば「これだ!」とこだわりを持ってつくる人もいる。
私は自分の家を持ったことはないが、賃貸だからこそ悩んだり、住んでみてわかった自分にとっての暮らしの重要なポイントもある。

賃貸物件を借りる時に大体の人が気にするのは
・家賃、築年数
・広さ、間取り、窓の位置
・立地やセキュリティ

などだと思う。
あと、私はついつい変な間取りに惹かれてしまうという癖がある。
なにこれ、変なつくり〜!ここ何に使おう、わくわく。なんて思うのだが、面白がって住んでみるとそのわくわくした部分は実際には何にも使えないデッドスペースみたいになることもしばしばある。


しかし、全て完璧だ!と思う物件というのはなかなかない。
なかなかない、というか往々にして全ての条件が「良い!」となる場合は当たり前だが家賃が高い。

それが払えるのであればもちろん素敵な家をゲットできるわけだが、至って平均的な生活水準の、有名俳優とは結婚していないタイプの一般女性である私にはそこまでの資金力はないので、残念ながら様々な条件の中で「どれが最も大切か」と優先度を考えてどこかしら妥協したり、折り合いを付けて判断することになる。


たとえば、私が一番最初に住んだ賃貸物件は学生専用を謳っているマンションだった。
そこまで都心ではなかったこともありそんなに家賃は高くはなかったが、そこはオートロックで10階建てくらいの中の、たまたま空いていた7階あたりの角部屋だった。

角部屋と聞くといい点と思われることが多いが、その物件は少し不思議な形になっていて、角部屋の一番角にあたる壁が部屋に対して斜めになっていた。
住んだ当初は全く気にしていなかったが、私は実際に住んでみて気づいた。
壁が斜めの部屋って結構不便なんだなと。
置ける家具も限られてくるし、実際に狭かったこともあるが、奥に行くにつれ細くなっていく間取りは感覚的にも思った以上に狭く感じるのだ。

しかもその物件は、オートロックなのに入口に問題があった。
誰でも入れるエントランスの集合ポストがあるところに暗証番号を入れる場所があり、その先の自動ドアを開けないと中に入れないというような形になっていたのだが、その誰でも入ることのできるエントランスには、学生マンションにも関わらずたまに明らかに「学生」には見えない酎ハイを持ったおじさんが座り込んでいたりして、繁華街よりも治安が悪いのではないかということが何度かあった。
住んでいる人がロックを開け、自動ドアが開いた時に一緒に入ってしまえば
その住人かわからない謎のおじさんは普通に侵入できてしまう。

私はその狭くて使いづらい部屋と名ばかりのオートロックに「いや...これはこの家賃に対してちょっとバランスが悪いのでは?」と思って、次の家を探し始めた。


次に住んだ家は、過去にもここに記したものすごい寝相の悪さのせいで玄関に放り出されてしまうあの家である。

最初の家に比べて家賃も安く、部屋の数も窓も多くて広かったので玄関直通のドアの件については目を瞑っていたが、そこには他にも問題があった。
その家は窓が多かった分、日中地獄のように熱くなるのだ。

日当たり最高じゃん!なんて思っていたのだが、窓がいっぱいあればいいってわけではないんだなと私はそこで学んだ。
隣に住む大家さんの家に家賃を毎月手渡しで払いに行き、毎月のように住み心地を聞かれるという作業も、コミュ障気味の私にとってはなかなかの苦行だった。


次に引っ越したのは、友人とルームシェアをしていた家である。
私は前回の経験から、窓の位置や方角などは私にとってあんまり必要な要素ではないのかもしれないと思って、引っ越した部屋が1階で窓の外に隣の家の塀が近接していることをそこまで気に留めていなかった。
しかし、それも住んでみてわかった。
窓というか太陽の光ってやっぱり必要だなと。

どれだけ天気のいい日に家にいても私の部屋には1ミリの光も入ってこず、日中でも照明をつけなければならない。
最初はうーん電気代がちょっとかかるわねくらいにしか思っていなかったのだが、太陽の光を浴びない生活というのはなかなか体にとってはよくないということがそこでわかった。
基本的に朝、あんまり気持ちよく起きられないのだ。
いつ起きても夜のような気分になるし、なんだか体がだる重い感じがする。

忙しく仕事をしていたせいかと思い込んでいたのだが、一緒に住んでいたルームメイトも同じようなことを言っていたので「これ、もしかして太陽の光を浴びてないせいなのでは?」という光合成をするタイプの人間のような結論に至った。
そんなこんなで他にも理由はあったが、私たちは1年ほどでそのモグラの巣穴のような家を出ることにした。


家賃や、周辺にスーパーやコンビニ、病院などはあるかどうか、駅からの道のりや距離など住む前にある程度わかることもあれば、内見をした時や間取りだけ見てもわからない住んでから判明する良し悪しもある。

その時の自分の暮らしぶりや生活スタイルにもよって条件は変わってくると思うが、私はそうやって一つ一つの住んだ家から学んだ要素を蓄積して次の家を探したり、物件を見たりするのが割と好きだ。


「この間取りはきっと使いづらいだろうから広いしオシャレな内装だけどやめよう」とか「ある程度採光が取れてる明るい部屋がいいけど、この窓は多分ここに家具を置くとなると邪魔だし意味ない感じになるな」とか、今までの私のぎゃふん!となった経験が家選びを助けてくれる。

これから先も変わっていくのかもしれないが、私は現時点で「自分の持ち家がほしい」と思うことがあまりない。
賃貸なんて家賃を払い続けるだけで何も残らないとか、やっぱり自分の理想の家!みたいのがほしくない?なんていう人もいるが、今のところ「でも住む人や住み方によってきっと必要な要素もどんどん変わるだろうからなぁ」と思っている。
あとは、それぞれの家との出会いも結構好きだから賃貸に惹かれてしまうのもある。


人生の中で、その時々にぴったりフィットした家を借りて、時を経てそれが変わっていき、自分はそこを出る。
そして、またその暮らし方にフィットする人がそこに住み始める、というサイクルや家のあり方が私はなんとなく好きなのだと思う。

でもきっと、「私の残りの人生はもう多分死ぬまでこれだな」と確定することがあったらそれも変わるのかもしれない。
それまで、いろいろな街やいろいろな家での、様々な暮らし方を楽しんでみたいと思う。


春は新生活の季節。
これから新しい家を探す人も多いだろう。
あなたの「暮らし」のこれはゆずれない!という街や家の必要要素はなんだろうか。

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