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【風呂酒日和77-2】 酔楽(すいらく)

【風呂酒日和(フロサケびより)】
どこかで銭湯を見つけると、つい寄り道したくなる。
銭湯から出ると、つい一杯飲みたくなる。
そんな私がふらりと立ち寄った、心と体とお腹を満たす、銭湯と居酒屋をまとめたマガジン。


照の湯を出た私。
今日のテーマは決まっている。
相変わらず魚介が食べたいのではあるが、それとは別の裏テーマ。「電子マネーが使えるところ」である。

さらりとお風呂に入ってきた私だが、実は銭湯の扉を開いて中に入ってから気づいた。お財布を忘れたことに。
最初番台に人がいなかったのでこのまま退散しようかとも考えたのだが、なんとなく無言で立ち去るのもなと思い定期入れに潜ませていた千円札で入浴料を払ったのである。
アホな私はこういうことをよくやるため、対策として何かあった時のために定期入れに2000円ほどお金を折りたたんでしまったいるのだ。

そんなわけで助かりはしたものの、問題はその後のお酒である。
私の所持金は早くも2000円を切っている。
いくらセンベロ系を選んでもちょっとこれでは厳しいのでは...。
っていうかそもそもノー財布で飲みに行くって…大人としてダメじゃない?
大人だけに今日は大人しく帰る?とも思ったのだが、そこで思いついたのが電子マネーである。
そっか。電子マネーで払えるとこに行けばいいのか。
電子マネー、あんまり使わないけど一応持ってる。
こんな時に役に立つとは。ありがとうキャッシュレス時代。


というわけで、PayPay日野が本日目を付けた、チェーン店ではないけど電子マネーが使えそうな、文明は来てるけどすっぴんでソロ飲みしてもいい感じそうなとこ。
そんなわがままな私の願いを叶えてくれそうなお店「酔楽」に向かう。

「いらっしゃいませ〜」

ちょっとスモークっぽいガラスのせいで「アレ?暗い?もしかしてやってない?」なんて思いながら扉を開けると明るい店内と温かい空気に包まれる。
よかった、やってた。

「1人なんですが...」

「はい、こちらのカウンター席にどうぞー」

明るく対応してくれるアルバイトだろうか、という店員さんにおずおずと聞く。

「あの...PayPayって使えますか?」

一応ネットの情報で使えることは調べてきたものの、もし使えなかったら今日はマジでヤバい。皿洗いをするわけにもいかないので入るなりお支払い方法を確認する。

「あ、大丈夫ですよ〜」

そう言われてホッとしてカウンターに着席。

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